『MAGICAL 大橋純子の世界Ⅲ』はベストアルバムという体裁になっていて、アルバム『Tea for Tears』(1981年)、『黄昏』(1982年)『POINT ZERO』(1983年)からの楽曲が選曲されている。しかし、収められている12曲中、この3枚のアルバムに収録されていなかった楽曲が4曲も収録されているという点でやや特殊な作品といえるだろう。ちなみにアルバム未収録の4曲は「恋はマジック」「A LOVE AFFAIR」「I LOVE YOU SO」「LOST LOVE ~愛の踊り場~」。
アルバムの1曲目に置かれている「恋はマジック」はもんたよしのりとのデュエット曲。「ダンシング・オールナイト」などのヒットで知られるもんたよしのりと大橋純子は同じプロダクション(北島音楽事務所)に所属していたこともあって、前年の1983年にもデュエット曲「夏女ソニア」をヒットさせていた。ちなみに「夏女ソニア」は “もんたよしのり with 大橋純子” 名義で発売されたが、「恋はマジック」は “大橋純子 with もんたよしのり” 名義となっている。
「A LOVE AFFAIR」はもんたよしのりとのシングル「恋はマジック」のカップリング曲として収められていたもので、こちらはデュエットではなく大橋純子のソロ曲。まさに1980年代コンテンポラリーソウル色たっぷりのダンスチューンで、最近クローズアップされているシティポップ・シンガーとしての大橋純子のイメージを体現しているような楽曲だ。
その後、この「A LOVE AFFAIR」はオーディオメーカーのCMに採用されることになり、この曲をA面として、アルバム『MAGICAL 大橋純子の世界Ⅲ』から再度シングルカットされることになる、そのカップリング曲となったのが「I LOVE YOU SO」だ。この曲もグルーヴ感たっぷりのアーバンソウル・サウンドと絡み合う大橋純子のボーカルの素晴らしさがいかんなく堪能できる名曲だ。そして「LOST LOVE ~愛の踊り場〜」は、1982年に渡米前の最後のソロシングルとして発表された曲だ。
この他の収録曲は『Tea for Tears』から「テレフォンナンバー」「ANOTHER DAY, ANOTHER LOVE」。『黄昏』から「香水」「黄昏」「シェリー」、そして『POINT ZERO』から「DANCIN」「IN YOUR LOVIN」「素顔のままで」というラインナップになっている。