8月2日

鬼才トム・ショルツ率いるバンド、ボストンに関する2つの疑問

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photo:FANART.TV  

先日、僕が大学時代に所属していた音楽サークルの先輩方のライブを観に行ったら、オリジナル曲に挟む形で、ボストンの名曲「遥かなる想い(A Man I'll Never Be)」を演っていた(大ヒットアルバム『ドント・ルック・バック』に収録)。

お陰で僕は約30年振りにボストンに再会することができたのだが、実を言うと、僕はこのバンドについて全く詳しくないし、ボストンという街を訪れたこともない。だからかもしれないが、僕はこのバンドについて当時からずっと疑問に感じていたことがある。もし詳しい方がいたら、それらを解き明かして頂けると幸いである。


【疑問その1】 彼らはなぜ、ああいうサウンドを志向したのか?

そもそもボストンはバンドと言いつつも、実質はトム・ショルツのソロプロジェクトだ。MIT(マサチューセッツ工科大学)で修士号を取得して、ポラロイド社のエンジニアだったことでも知られる彼は、機械工学に関する豊富な知識を活かし、自宅スタジオに籠って、1人で多重録音を繰り返しながらデモテープを作成したそうだ。

1970年代のことだから、当然コンピューターもシンセサイザーもない、気が遠くなるような手作業の連続だったに違いない。そのテープがエピックレコードに認められたことがデビューに繋がる訳だが、一般にこういうオタク気質の人は、プログレッシブロックのバンドやスティーリー・ダンのように、少々難解で素人受けしにくい音楽を志向するものである。

ところが、彼の作風は重厚なサウンドにポップでキャッチーなメロディーと、むしろ「産業ロック」に近いものであった。


【疑問その2】 彼らはなぜ、あのバンド名を付けたのか?

何よりトム・ショルツはオハイオ州出身である。もちろん彼の出身校であるMITのキャンパスはボストン近郊だし、卒業後もボストンを拠点にしているので、この命名も不思議ではないかもしれない。

だが、そもそもこのバンドが、ボストンという街を体現していると言えるのだろうか。それ以前に、ボストンにはニューヨークやフィラデルフィアのように「その街ならでは」のサウンドが存在するのだろうか。その点がピンと来ないのである。ちなみに、僕がこの街の名前を聞いた時に、最初に連想するバンドはエアロスミスである。


A Man I'll Never Be / Boston
作詞・作曲・プロデュース:Tom Scholz
発売:1978年12月29日


シングル
■A Man I'll Never Be
79年1月13日 全米31位

■Don't Look Back
78年10月7日 全米4位

アルバム
■Don't Look Back
78年9月16日 全米1位

2017.11.16
80
  YouTube / BostonVEVO


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カタリベ
1965年生まれ
中川肇
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