チケットは完売!ちえみちゃん祭り2023
2023年2月15日、東京・かつしかシンフォニーヒルズにて、堀ちえみの記念公演『Chiemi Hori 40thプラス1 Anniversary Live ~ちえみちゃん祭り 2023~』が開催された。本記事では、当日パフォーマンスのあった楽曲やMCの概要をお伝えしたい。なお、本公演は、2017年以来6年ぶりとなるワンマンライブで、この間に舌がんの闘病生活を乗り越えたこともあり、約1,300名のチケットは完売するほどの人気となった。
☆なお、このレポートは、4月の大阪公演を控えてのライブレポートになるため、ライブの内容を楽しみにしている方など、現時点で知りたくない方は各自でご注意願いたい。
19時に開演のベルが鳴った。その直前、親衛隊による会場全体への挨拶や、来場者への御礼があり、その周囲への配慮や礼儀正しさも、気持ち良くライブを迎えることを促した。
そして、これまでの活動を振り返った映像がスクリーンに映し出され、いよいよショーが始まるという期待が高まったところで、ファンタジーの世界から抜け出したような青系統のドレスでご本人が登場!
ファンも一緒に泣きながら歌った「真夏の少女」
1曲目、デビュー曲の「潮風の少女」のイントロが流れ、ちえみが歌い出した。歌声自体はしっかりしている。その少し前のトーク番組では、あんなに大変そうだったのに…。もうそれだけで、“ああ、よかった” と不安から安心に雰囲気が一変して、ファンの手拍子も始まった。やや緊張気味な歌声を、AMAZONSが芳醇なバックコーラスで支えるのも頼もしかった。
続く「真夏の少女」で歌が進むたび、涙がにじんで歌いづらくなっているのが分かり、今度は会場のファンが彼女を支えようと一緒に泣きながら歌っていた。その揺るぎない信頼関係に、こちらがもらい泣きしそうだった。
しかし、ここからの踏ん張りが見事だった。デビュー当時からの健気な声が蘇っているし、リズム感や音程はむしろ今が一番良い。振付けやアレンジも含め、ファンの想い出を今できる範囲でなるべく再現しようと努力しているのが、パフォーマンスの随所から感じ取れる。「青い夏のエピローグ」の♪ほほえんでーや、「夕暮れ気分」の♪心は夕暮れーー などロングトーンの響きが力強く、ボイストレーニングの効果に唸らされる。明らかにアイドル時代よりも表現が深くなっているのだ。
「スチュワーデス物語」との相乗効果を考えたドラマ性の高い楽曲
この後のMCでは、『スチュワーデス物語』の話に及んだのだが、会場から(登場人物の)「千秋~!」と声がかかると、「ハイ、教官!」なんて返せるくらいの余裕が出ていた。会場中から笑顔もあふれて、いっそうあたたかい雰囲気に包まれた。トークの時の方が、まだ術後の影響が残っている感じで、それだけに歌唱をこのレベルまで引き上げた極めて高いプロ意識には、あらためて驚かされる。
そして、後半は淡いパステルピンクのワンピースで再び登場。「稲妻パラダイス」や「クレイジーラブ」は、歌手活動に専念していた時期の作品だが、今のちえみの歌声はことごとく伸びやかで聴いていて気持ちが良い。最もハードなポップス調の「クレイジーラブ」ではバンドのメンバーのボルテージも最高潮に達した。
この辺りで、あたたかく見守っていた女性ファンの不安も吹き飛んだのか、会場からは女性たちの声援が大きくなった。当時から現在に至るまで、彼女が頑張る様子は同性にも大いに共感されてきたことがあらためて分かった。
最大ヒット曲の「さよならの物語」を力強く歌唱
ちえみが「みんなと一緒に歌いたいです」と言って歌った「リ・ボ・ン」は、2020年の『24時間テレビ』で魅せた時よりも確実に進化した歌声で、また会場からのコールが凄まじく、もはや若手の現役アイドルのコンサートにも負けない熱気だった。
一般的に、シングルベスト的なコンサートでは、ヒット路線が落ち着いてからの作品は、省略されるかメドレーでコンパクトにされることが多く、それでも多くのファンは、ヒット曲が聞けたから十分満足なのだが、今回はシングル中心の楽曲をたっぷりと披露。ここに、完全復活を目指した彼女の矜持を感じさせた。
本編最後に向け披露された「愛を今信じていたい」では、眩い光がステージを包む演出が、当時はアイドルから一般社会に旅立つ眩しさとして表現されたが、今回は生まれ変わってきたような眩しさに満ちた歌唱で、まさに “おかえりなさい” と声をかけたいほどだった。さらに、最大ヒット曲の「さよならの物語」を力強く歌唱し、「ありがとう!」と満面の笑みで会場を去った。
歌唱力やパフォーマンス力の見事な進化、今後の音楽活動に期待
会場中に観客の拍手やコール、ホイッスルが響き渡る中で、本人がTシャツ姿で登場し、アンコールに。 “40周年BOXに入っている歌を聴いてほしい” とアルバム曲を涙でいっぱいになりながら熱唱した。何度も繰り返し感謝の言葉を観客に伝えていたが、その度に会場からも ”ありがとう~“ という言葉が返ってきて、笑顔で手を振りながらステージを終えた。
今回のステージで観られた歌唱力やステージでのパフォーマンス力も進化しており、ちえみ本人のみならず、ファンにとってもきっと忘れられない1日となったことだろう。アニバーサリーということでシングル中心だったが、いずれ、今のちえみだからこそ歌で伝えたいという公演も実現しそうな気がした。それだけ未来につながるような公演だったのだ。今後の彼女の音楽活動を期待せずにいられない。
■編集部より
大盛況だった “ちえみちゃん祭り2023” の大阪公演が4月7日に行われます。詳細は以下をご確認ください。
Chiemi Hori 40thプラス1 Anniversary Liveちえみちゃん祭り2023
https://www.cnplayguide.com/evt/evtdtl.aspx?kcd=109099公演日:2023年4月7日
会場:フェニーチェ堺
―― 堀ちえみ全オリジナルアルバム、ストリーミング配信がスタート!
アルバムアーティストとして、高いクオリティのアルバムを発表し続けた堀ちえみ80年代の軌跡をこの機会に存分に楽しんでみては。
特集:堀ちえみ 40周年アニバーサリー
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2023.03.08