8月11日

25,000人が熱狂!TULIP伝説の野外ライブ「パゴダ・イン・芦ノ湖」が4Kクオリティで蘇る

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TULIPのコンサート「8・11 パゴダ・イン・芦ノ湖」開催日(箱根ピクニックガーデン特設ステージ)
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photo:Ⓒユニバーサル ミュージック  

1970年代の音楽シーンの一翼を担ったTULIP


財津和夫を中心に1970年に福岡で結成されたTULIP。翌年に「私の小さな人生」でレコードデビューを果たしたが成功せず、一度福岡に戻りメンバーチェンジを行い、財津、吉田彰(ベース)、上田雅利(ドラムス)、姫野達也(ボーカル / ギター / キーボード)、安部俊幸(ギター)で活動を再開した。

そして1972年に「魔法の黄色い靴」で再デビュー。ロックバンドというスタイルを持ちながら、「心の旅」「夏色の思い出」「青春の影」「サボテンの花」「虹とスニーカーの頃」などのポップで親しみやすい楽曲を次々とヒットさせ、1970年代の音楽シーンの一翼を担ってゆく。彼らと前後して、海援隊、井上陽水、甲斐バンドなど、福岡の音楽仲間が次々とデビューしたことで “地方の時代” をクローズアップさせる存在にもなっていった。

もともとビートルズの強い影響を受けていた財津和夫は、ヒット性を優先することよりも、作品性を追求する姿勢を強めていく。そして、1979年には吉田彰と上田雅利がグループを離れ、宮城伸一郎(ベース)と伊藤薫(ドラムス)が参加。第2期TULIPとして、よりアーティスト性を追求していくが、1985年に姫野、安部、伊藤が離脱。財津は新たなメンバーを加えてTULIPの活動を続けていくが、1989年に解散した。(*1997年に再結成)

25,000人の動員を記録した「8・11 パゴダ・イン・芦ノ湖」


今回歌謡ポップスチャンネルで放送される『8・11 パゴダ・イン・芦ノ湖』は、この第2期TULIPの後期にあたる1984年8月11日に箱根ピクニックガーデン特設ステージで行われた伝説の屋外ライブだ。彼らはこれまでにも、岐阜県御嶽鈴蘭高原スキー場(1978年、1980年)、よみうりランドサッカー場(1982年)などで大規模な野外コンサートを行っていたが、この芦ノ湖畔でのコンサートは、その中でも最大規模の25,000人の動員を記録している。

『パゴダ・イン・芦ノ湖』というタイトルからも、このコンサートのコンセプトがスピリチュアルなものであることが推察できるが、湖畔に設営されたステージの上手には高さ20メートルというパゴダ(仏舎利塔)が造られていた。そして、映像の冒頭には “パゴダは東洋に点在する仏塔の一種です。この日、チューリップランドに登場したパゴダは自然と人とコンサートとの調和の瞬間を塔でシンボライズできればいい… の思いから建てられました” というメッセージが流れる。

TULIPがこのステージに託した思い


このメッセージに続いて1981年のアルバム『THE LOVE MAP SHOP』に収録されている「Shooting Star」の映像が流れる。これに続いて『8・11パゴダ』のタイトル、そして自然と音楽の出会いというメッセージを感じさせる、湖畔に置かれたアップライトピアノのシーンが差し込まれる。そして、ファンで埋め尽くされた昼間の会場で「THE 10th ODYSSEY」が演奏されコンサートがスタートする。同年リリースの宇宙をテーマにしたアルバム『THE 10th ODYSSEY』の1曲目に置かれていた、旅立ちを歌う曲だ。そのことだけで、TULIPがこのステージに託していた思いが伝わってくる。

ステージの前半は「2222年ピクニック」「エジプトの風」など、1980年代以降に発表された曲が演奏されていく。演奏はメンバーの5人だけで行われているが、ほとんどの曲が財津和夫と姫野達也のダブルキーボードで厚みのあるサウンドだ。中盤は「ぼくがつくった愛のうた〜いとしのEmily〜」「青春の影」そして「虹とスニーカーの頃」「銀の指輪」などのシングル曲が続く。

「銀の指環」ではメンバー5人がステージ前方に並んで座り込み、財津和夫がウクレレを弾くなどリラックスしたシーンも挟みつつ、後半で再び『2222年ピクニック』『I Dream』などのこの当時の最新アルバムから、メッセージ色の強い曲を多く取り上げていく。そして本編の最後では、この日のステージが初披露となる「OUR SONG」(1985年のアルバム『New Tune』に収録)を演奏。メンバーの退場時にはステージの真後ろに仏像を思わせる顔が現れるという演出が行われた。

TULIPの出発点となった「魔法の黄色い靴」をダブルアンコールで演奏


本編では無地のTシャツなどのカジュアルなスタイルで演奏していたメンバーがアンコールでは一転。コメディアンのような派手でカラフルなジャケット姿で登場し、大ヒット曲「心の旅」、そして同曲のB面に収録されライブでも人気の高い「夢中さ君に」が披露される。もちろん会場のボルテージは最高潮だが、自分たちの出世作とも言える曲をあえてふざけた衣装で演奏するという演出には、これらの曲が自分たちにもたらした成功を手放しでは喜べない屈折した想いも感じられる。

ダブルアンコールでは、先ほどのアンコールとは一転してシンプルな白いTシャツ姿のメンバーによって再デビュー曲の「魔法の黄色い靴」が奏でられる。自分たちのアーティストとしての姿勢を問うステージのラストに、TULIPの出発点となった曲を演奏するというシーンも象徴的だ。

アコースティックギターに持ち替えてステージのセンターで歌う財津和夫の表情からは万感の思いが伝わってくる。曲の後半、客席の歌声に耳を澄ますシーン、そしてエンディングでギターを高く放り上げたシーンからも、財津和夫の思いの強さが感じられるのだ。そんな思いの強さという点では、この日のセットリストのうち、「WAKE UP」「逃避行」「光の輪」といったソロ曲が3曲入っていたことも印象的だった。

映像・音声を最新技術で4Kクオリティにリマスター


この日のライブはビデオリリースされた『8・11 パゴダ・イン・芦ノ湖』だけでなく、ライブアルバム『8・11 PAGODA』として1984年にレコード化されているが、2026年7月末現在ではCD化や配信はされていないようだ。選曲的にもレコードとビデオでは違う部分がある。レコードには入っているがビデオには収録されていない曲は「“feel it”」「セプテンバー」、そしてビートルズのカバー曲「Norwagean Wood」「夏の夜の海」「The Halo」の5曲。

逆に「2222年のピクニック」と最後の「魔法の黄色い靴」はこの映像作品にしか収録されていない。今回の放送は、映像・音声を最新技術で4Kクオリティにリマスターしたもので、当時の臨場感、そしてこの時代のTULIPが置かれていた状況など、1980年代の音楽シーンを振り返るという点でも貴重な作品となっている。ぜひ、番組で体感していただきたい。


Information

Ⓒユニバーサル ミュージック

▶︎ TULIP 「8・11 パゴダ・イン・芦ノ湖」
放送局:歌謡ポップスチャンネル
放送日時:9月12日(土)22:00~23:30
♪ Shooting Star
♪ THE 10th ODYSSEY
♪ WAKE UP
♪ エジプトの風
♪ 星のコラージュ
♪ 2222年ピクニック
♪ ぼくがつくった愛のうた(いとしのEmily)
♪ 青春の影
♪ 虹とスニーカーの頃
♪ 銀の指環
♪ 逃避行
♪ 愛の迷路
♪ この小さな掌(詩歩子へ)
♪ 生まれる星
♪ 光の輪
♪ OUR SONG
♪ 心の旅
♪ 夢中さ君に
♪ 大魔法の黄色い靴
TULIPメンバー:財津和夫、姫野達也、安部俊幸、宮城伸一郎、伊藤薫

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2026.08.14
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カタリベ
1948年生まれ
前田祥丈
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