2006年 11月6日

ジャミロクワイ デビュー30周年!サチモスにも影響を与えたアシッドジャズの帝王

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ジャミロクワイのベストアルバム「High Times Singles 1992-2006」がリリースされた日
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ジャミロクワイはアシッドジャズなのか?


“ジャミロクワイ” の鮮烈なデビューは今でも覚えています。あの白いジャケットにロゴマークとなるネイティブ・アメリカンの宗教的指導者「メディシン・マン」のデザインのインパクト。そして、92年のデビューシングル「When You Gonna Learn」は、イーストロンドンを拠点とする当時話題であった「Acid Jazz Records」からのリリースでした。

当時はインターネットも盛んでは無く、リスナーに入る情報も少なくて「どうやら若い男のバンド」くらいにしか僕は知る事が出来なかったのですが、デザインの専門学生であった僕にはあのシンプルでインパクトのあるロゴとジャケットに「カッコイイ!」とヤラれてしまっていたのです。



“アシッドジャズ” は時代の最先端を行くリスナー、ミュージシャンに新しいクラブカルチャーとして日本に紹介され、そのインパクトあるロゴマークをプリントしたファッションアイテムも雑誌で取り上げられていました。

アシッドジャズ―― とは “古ぼけた鑑賞用のジャズ” ではなく “クラブで踊れる、DJユースのクラブミュージックとしてのジャズ” 新しい音楽として蘇ったジャズとのこと… と解説され、ジャミロクワイは新しいクラブミュージックの使者として紹介され、日本でのセールス・人気をモノにして行くのです。



確固たる地位を築いたアルバム「トラベリング・ウィズアウト・ムービング」


デビューシングル「When You Gonna Learn」1枚のリリース実績でソニーと契約。そして、リリースされたデビューアルバム『ジャミロクワイ』は、まさに “彗星のようなデビュー” でした。

オーストラリア大陸の先住民アボリジニの金管楽器であるディジュリドゥの印象的かつ不穏な音色から始まる「When You Gonna Learn」は、「ん? 黒人なの?」と勘違いするくらいのソウルフルな歌唱でした。それから徐々に様々な情報が音楽雑誌を中心に掲載されるようになり、ジェイ・ケイのソロプロジェクトとしてのバンドが “ジャミロクワイ” と分かるようになりました。そして、当時の音楽通、クラブ界隈や渋谷系リスナーの間でファーストアルバム『ジャミロクワイ』が話題となりました。

その後、セカンドアルバム『スペースカウボーイの逆襲』がリリースされましたが、大ブレイクというわけではなく、まだまだ外資系レコード店でのプッシュ作というレベルでした。そして、1996年、ついに全世界で約800万枚(日本では140万枚)を売り上げを記録し、確固たる地位を築いたサードアルバム『トラベリング・ウィズアウト・ムービング〜ジャミロクワイと旅に出よう〜』をリリースします。

アルバムのジャケットにはフェラーリのエンブレムを模したデザインに「メディソンマン」が描かれ、MV「コスミック・ガール」では自身のフェラーリコレクションも使用されていますし、何と言ってもジャミロクワイ不動の名曲「ヴァーチャル・インサニティ」が収録されています。

動く床で踊るジェイ・ケイのMVも大変話題になりました。日清カップヌードルのCMやトヨタ自動車「カローラ・フィールダー」のCMソングにも起用され、今も「ヴァーチャル・インサニティ」=ジャミロクワイ、と日本では認識されているのではないでしょうか。



コーネリアス、サチモスにも大きな影響を与えたジャミロクワイ


CMに使用されたりラジオでは長期的に流れているジャミロクワイは、日本で活躍するアーティストにも影響を与えています。まずはフリッパーズギターを解散した小山田圭吾 “コーネリアス” です。

個人名ではなく “コーネリアス” という名前をソロプロジェクトに付けたのも偶然ではないように思います。デビューアルバム『THE FIRST QUESTION AWARD』に収録されている「RAISE YOUR HAND TOGETHER」ではジャミロクワイに強く影響を受けた音になっていますし、ジャミロクワイの登場と90年代のサブカルチャーを制覇したと言っても過言ではない、当時の “渋谷系” と呼ばれる音楽の “踊れるジャズ” な側面は密接な関係であると同時に、このアクションは同時代の若者による必然と感じずにはいられません。



そしてコーネリアスだけでなく、2010年代の若手アーティストにも影響を与えています。 “Suchmos(サチモス)” のヒット曲であり、代表曲「STAY TUNE」を初めて聴いた時に「ジャミロクワイをこんな風に若いアーティストが消化して楽曲にするんだ!」と感じたと同時に、「この時代にジャミロクワイなんだ」と大層驚きました。どことなくMVも “らしさ” を感じます。こうして音楽の遺伝子は受け継がれて行くんだな… と改めて痛感した次第でした。



今回は初期の3枚に注目して書かせて頂きましたが、この度デビュー30周年を記念してリリースされるアナログ盤「High Times Singles 1992-2006」<生産限定>でジャミロクワイの歴史を辿るのはどうでしょうか?

「懐かしい!」と「新鮮!」が同居すること間違いないと思います。

当時、クラブで夜な夜な踊り遊んでいた人達も今や50歳前後。あの頃の空気からは遠く離れて、家庭や仕事に追われていることでしょう。夜通し踊り、酒を飲んで友達とクラブへ通い、最先端の音楽情報集めに勤しんだ日々は遥か彼方だと思います。

そんな時にテレビCMで昔と変わらずに踊り、シャウトするジェイ・ケイはあなたの目にどう映りましたか? 90年代初頭、20歳そこそこの社会のこともよく分からない自分を少し思い出したのではないでしょうか? そんな時、是非このベスト盤を家族の居ない時間に家で聴いてみて下さい。

目を閉じればそこはダンスフロアです。“あの頃の僕ら” のようにとはいかないですが、少しだけステップを踏めば、昔の仲間の顔や恋人との思い出も蘇るのではないでしょうか? ジェイ・ケイはシャウトし、バンドは加速します。音楽の素晴らしい所はこうやって時代をサバイブし、懐かしい思い出を新しい生活に連れて来てくれる所だと、僕は信じています。

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