1月11日

昭和ポップスから選ぶ【卒業ソングランキング】岡村孝子、柏原芳恵、そして1位は⁉

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先生の涙を思い出す卒業ソング「うららかに」


小学校を卒業したのは1979年。5年生と6年生の時の担任は川島先生と言い、手の指が8本ありませんでした。何故なら、親指2本以外は戦争ですべて失っているからです。プールの時間に胸に数十針縫った跡を見たことがあり、無言のうちに戦争の恐ろしさのようなものを学ばせてもらったような気がします。

なのに、先生は字も上手でしたし、箸を上手に使い、なんと、鉄棒で回ることもできました。悪戯ばかりしている生徒には容赦なくビンタが飛んできましたが、先生を前にしては誰も文句を言えませんでした。何故ならあの時代は、圧倒的に生徒側が悪かったからです(笑)。

しかし、そんな怖い川島先生が卒業式を終え、最後のホームルームの時間に号泣しながら最後のメッセージを贈ってくれた時はクラス中が驚き、生徒みんなが泣き出してしまったことを今でも忘れることができません。「鬼の目にも涙」といったら失礼ですが、大人の男性の綺麗な涙を見たのは、この時が初めてだったかもしれません。

当時、卒業式で歌われた「うららかに」というタイトルの卒業ソングを憶えている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?

 うららかに
 春の光が降ってくる

ーー で始まるこの曲は、1・2・3年生、4・5年生、先生・父兄・来賓と卒業生が交互に歌う、約15分の卒業ソングの大作(構成・作詞:小林純一、作・編曲:西崎嘉太郎)。オペレッタ形式で紡がれるこの曲は、父兄のパートでお母さんたちが急にソプラノになるところも聴きどころでした(笑)。地域によっては毎年歌われていた卒業ソングだったようですが、“卒業” という言葉を見ると、この「うららかに」と川島先生の涙を思い出します。

そして時は流れ、僕が高校を卒業したのは1985年。ちょうどこの時期に卒業ソングブームが到来し、菊池桃子、斉藤由貴、倉沢淳美、尾崎豊の「卒業」がオリコンのTOP20に同時にチャートインしていました。なので、僕が高校を卒業するときは “卒業ソング” だらけ(笑)。90年代以降にも多くの卒業ソングが存在しますが、今回は、80年代に青春時代を過ごした世代から贈る「卒業ソング」をランキング形式でお届けしたいと思います。

第10位:じゃあね / おニャン子クラブ(1986年)




高校を卒業し浪人をしていた時に、心の拠り所だったのが『夕やけニャンニャン』というTV番組でした。夕方5時からの放送だったので、いつも予備校から走って帰っていました。この曲はおニャン子のメンバー、“なかじ” こと中島美春が卒業する時に発売された曲ですが、この時に初めてアイドルの卒業というものを見たような気がします。モータウン調の明るいテンポの楽曲で、胸キュンな歌詞がいいですね。なかじの卒業と同時に、僕も無事に浪人生から卒業することができました。

第9位:最後の春休み / 松任谷由実(1979年)


アルバム『OLIVE』収録
ユーミンの卒業ソングと言えばまず思い出すのが、荒井由実時代の名曲「卒業写真」だと思います。音楽の教科書にも掲載され、卒業式でも歌われている曲ですが、今回は、“松任谷由実版・卒業ソング” とも呼べる「最後の春休み」を選んでみました。卒業した学校に忘れ物を取りにいき、片想いだったクラスメートの席に座って学校生活を回想するという内容ですが、「♪アルファベットの名前順」という歌詞にさりげなくお金持ち感が漂っています(笑)。

第8位:Good-bye school days / ハイ・ファイ・セット(1984年)


アルバム『PASADENA PARK』収録
スマッシュヒットになった「素直になりたい」を収録した、ハイ・ファイ・セットのアルバム『PASADENA PARK』からの卒業ソングです。歌詞に “キャンパス” や “新しいスーツ” というワードが出てくるので、大学を卒業するシチュエーションですね。ミディアムテンポのバラードが涙を誘う名曲です。

第7位:贈る言葉 / 海援隊(1979年)


我々の世代なら誰もが通っている学園ドラマはやはり『3年B組金八先生』でしょうか。しかし、ドラマ開始当初はそれほど注目されていたわけではなく、金曜日の8時からの放送だから “金八先生” になったのではないかと、どこかで聞いたことがあります。初回の視聴率が16.6%で始まったドラマの第1シリーズも最終回はなんと39.9%という驚異の視聴率で幕を閉じました。「15歳の母」という衝撃的な内容が話題になりましたが、主題歌の「贈る言葉」を聴くと、オープニングの荒川土手の風景を思い出します。

第6位:想い出がいっぱい / H2O(1983年)




2人組のデュオ、H2Oの5枚目のシングルです。テレビアニメ『みゆき』の主題歌に起用されたことで40万枚を超える大ヒットになったこの曲ですが、タイアップを抜きにしてもホントにいい曲だなと思います。直接的な卒業ソングではありませんが、学校の合唱コンクール等でも歌われているそうで、卒業シーズンになるとどこからともなく流れて来る名曲です。少女から大人になっていくのもある意味 “卒業” かもしれませんね。

第5位:夢をあきらめないで / 岡村孝子(1985年)




リマインダーで書かせていただいているコラムの中でも、ランキング形式の時にたびたび登場するのが、岡村孝子の「夢をあきらめないで」です。もともとラブソングとして書かれた曲だったそうですが、いつしか人生の応援歌として歌われ、聴き継がれ、スタンダードナンバーになった曲です。

 いつかは皆 旅立つ
 それぞれの道を歩いてゆく

この部分は学校の卒業だけではなく、人生における様々な “卒業” を思わせるフレーズですよね。

第4位:制服 / 松田聖子(1981年)


シングル「赤いスイートピー」B面収録
松田聖子の「赤いスイートピー」は、聖子ソングの中でも上位にランクインする人気曲ですが、B面に収録されていた「制服」も人気曲です。作詞:松本隆、作曲:呉田軽穂(松任谷由実)が手がけたこの曲は、いつしかじわじわと広まり、今や卒業ソングの定番ソングとして愛されています。卒業したら東京へ行ってしまう好きなクラスメートを思う切ないナンバーですが、主人公の潔さは新しい女性像だったような気がします

 失う時はじめて
 まぶしかった時を知るの

このフレーズは、「さすが松本隆!」という感じです。

第3位:君と歩いた青春 / 太田裕美(1981年)




伊勢正三が作詞・作曲をしたこの曲は、もともと1976年の風のアルバム『WINDLESS BLUE』で発表した曲を、太田裕美がアルバム『12ページの詩集』で取り上げ、1981年にアレンジを替えシングルとして発売されました。伊勢正三といえば、イルカの「なごり雪」「雨の物語」「海岸通」という3部作の作者としても有名ですが、この「君と歩いた青春」も忘れてはいけません。伊勢正三の歌に出て来る恋人たちは、幼なじみだったり妹のような存在だったりの関係が多いように思いますが、「君と歩いた青春」は幼なじみの彼女が故郷に帰ってしまうので、ある意味、都会の暮らしからの “卒業” とも言えますね。

第2位:春なのに / 柏原芳恵(1983年)




中島みゆきが柏原芳恵のシングルのために書下ろした卒業シーズンの定番曲です。「春だから」お別れではなく、「春なのに」お別れですか、という逆説的な表現が「さすが中島みゆき!」という1曲です。

 君の話はなんだったの
 言われるまでは言う気でした

そんなワンフレーズが、青春の残酷さを思わせますね。あーせつない!のちに中島みゆき自身もアルバム『回帰熱』の中でカバーしています。

第1位:卒業 / 尾崎豊(1985年)




僕にとって尾崎豊という存在は、ある意味青春そのものだったかもしれません。17歳の時にアルバム『十七歳の地図』がリリースされ、高校を卒業するときにはこの「卒業」がヒットしていました。あまりにも長い歌なので12インチシングルで発売されていたのも時代を感じます。しかしこの曲は学校の卒業ではなく “この支配からの卒業” なので、卒業にはいろいろな種類があるんだな、と当時思ったわけです。

しかし、受験に失敗した僕は浪人生活が始まるので、この曲を聴くとどんよりとした春の日を思い出します。そして、この「卒業」を収録したアルバム『回帰線』がオリコンの1位を獲得したことで、尾崎が遠い場所に行ってしまったような気がして、なんだか寂しい気持ちになったのでした…(遠い目)。

―― ということで、「昭和ポップスから選ぶ卒業ソングランキング」をお届けしてまいりましたがいかがだったでしょうか。学校を卒業しても、人生にはこれからもさまざまな “卒業” があります。小学生時代からドラえもんが好きだった自分も、23巻で卒業したことを思い出しました。“卒業” という言葉を見ると、花の奥が “ツン” としますが、それは気のせいでもしかすると花粉症のせいかもしれませんが。

※2023年3月4日に掲載された記事をアップデート

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2024.03.04
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カタリベ
1967年生まれ
長井英治
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