80年代、日曜の午後1時といえば、若者の見る番組は日テレの『スーパーJOCKEY』と決まっていた。とにかくバカバカしくて面白くて、生放送バラエティのお手本のような番組だった。歌手のバックバンド「シブ楽器隊」も懐かしい。
その看板コーナーといえば、伝説の「熱湯コマーシャル」である。湯船での下品なカメラワークもさることながら、その前の「60秒の生着替え」が、いかに視聴者をひきつけるかという点で実にテレビ的な演出だった。入湯前にビキニに着替えたギャルがターンテーブル上でぐるぐる回るのだが、その際にガダルカナル・タカが「レッツ!しだるまタイム!」といつも叫んでいた(ちなみに「しだるま」の意味が当時は分からなかったが、これが「丸出し」の逆さ言葉であると私が知ったのは、ずいぶんと後である)。
さて、それ以上に私にとって印象深かったのは、番組オープニング&エンディングに出る番組マークとそれにかぶさるテーマ曲。腕の生えたジョーズのようなイラストに、ふざけているとしか思えないホワンホワンした冗談っぽい、おどけたメロディ。番組内容がハチャメチャなだけに、逆にエンディングにこの曲が流れると「あぁ、また来週かぁ…」と、お祭りが去った後のような一抹の寂しさを感じたものだ。
ところで、私はこの音楽を番組オリジナル音源だとずっと思い込んでいた。が、テレビ局に入り、バラエティ番組ではほとんどの場合、音響効果マン(通称・音効さん)が画面に合わせて既存CDから選曲をしているのだと知った。そこで長年の疑問だったこの楽曲の正体を音効さんに訊ねてみたところ、意外な答えが返って来た。
なんと名門ジャズレーベル・CTIレコードのFuse Oneの『Sunwalk』という曲だったのだ! 演奏しているメンバーには申し訳ないが、イントロから通して何度も真面目に聴いてみても、サビの所に来ると思わず笑わずにはいられないのだよ。
2016.01.01
YouTube / patg78
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