1994年 5月14日

ファイト!がんばれ受験生!試験前に聴いてほしい80年代からの応援ソング

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中島みゆきのシングル「空と君のあいだに / ファイト!」がリリースされた日
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受験生応援ソング、女性アーティストの楽曲をセレクト


2023年も1月も半ばに入りまして、そろそろ学生のみなさんは受験シーズンですよね。僕の学生時代は1980年~1990年までだったので、80年代が丸々学生時代だったわけですが、中学から高校にかけて世の中は空前の “ツッパリブーム” で、リーゼントというヘアスタイルをして、ボンタンと呼ばれた学生服で登校している同級生がたくさんいました。

ドラマ『3年B組金八先生』の影響で、陰のある不良少年はどこか憧れの存在だったのかもしれません。僕はツッパリにもなれず、当時から音楽と深夜ラジオをこよなく愛する地味な学生でした。人並みに受験勉強はしていましたが、実際は親に隠れて深夜放送ばっかり聴いていました(笑)。当時、通信機器は家の黒電話しかないわけで、世の中の人たちがどんなことを考え、どんなことで悩んでいるかということは、ラジオで読まれるハガキでしか知ることは出来ませんでした。

現代はSNSでさまざまなことを知ることができるわけですが、だからと言って、恋が叶うわけでもないですし、悩みがなくなることもありません。もしかすると、逆に余計な悩みが多いかもしれませんね。どんなに便利な世の中になっても、悩みの種というのは無くならないものなのです。

現代の受験戦争がどれだけ厳しいものかわかりませんが、高校や大学に通うためには受験という壁を乗り越えなくてはなりません。叶えたい夢がある人は、それに向けて勉強をすればいいわけですが、10代のほとんどの人が「己は何者なのか?」「自分は何をしたいのか?」ということで悩んでいるわけです。年寄りが「若い人の気持ちがわからない」というのは嘘で、当時の自分の気持ちを憶えていないだけだと思います。

どんな人でも、心と体のバランスがうまくとれずに、思春期はもやもやとしていたはずです。もちろん自分もそうだったわけですが、そんな時に心を慰めてくれたのはやはり音楽でした。大きなお世話ですが、かつて遠い昔に受験生だった人生の先輩から「頑張れ受験生! 80年代からの応援ソング」をお送りしたいと思います。

この先の人生には、いつも高い壁が目の前に立ちはだかります。それでも、それをひとつひとつ超えていくことで、次なるステップに進むことができると思います。でも、人生の先輩のいうことはたいていウザイと思いますので(笑)、少しでも気分転換になれればと思っています。80年代から90年代にかけて発売された楽曲の中から、女性アーティストの楽曲をセレクトしてランキング形式でお届けいたします。

第10位:翼の折れたエンジェル / 中村あゆみ(1984年)


この曲は中村あゆみの最大のヒット曲ですが、当時「カップヌードル」のCMソングに起用され話題になりました。直接的な応援ソングではありませんが歌詞の中に「みんな翔べないエンジェル」というフレーズにあるように、ティーンエイジャーはみんな傷つきやすくて、翔べないエンジェルなんですよね。だからこそ、この曲は多くの人々に共感されたのだと思います。ちなみに歌詞に出て来る「チャイニーズ・ダイス」というのは18面あるサイコロのことだそうです。

第9位:VOYAGER〜日付のない墓標 / 松任谷由実(1984年)


ユーミンの曲には、直接的な応援ソングは少ないのですが、この曲は珍しく硬派なメッセージを感じることのできる1曲です。映画『さよならジュピター』の主題歌として書き下ろされた1曲ですが、出だしの「傷ついた友達さえ 置き去りにできるソルジャー」というフレーズが、厳しい受験戦争とどこかオーバーラップするんですよね…。2021年公開の映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の劇中で林原めぐみが、この曲をカヴァーしているので、若い世代の方もご存じかもしれません。

第8位:瞳・元気 / 永井真理子(1987年)


“元気・印” がトレードマークだったのが、永井真理子。アイドルチックなルックスだけでなく、高い歌唱力で90年代前半にかけて多くのヒット曲を世に送り出してきました。この曲は、セカンドシングルとして発売した曲ですが、作曲はメジャーデビュー前の辛島美登里で、のちに辛島美登里もカヴァーしています。「それぞれが孤独のフェンスにつまずいて苦しむけど」の部分に、頑張っている人たちの心境が反映されているように聞こえてきます。

第7位:I'm Here / 小比類巻かほる(1987年)


小比類巻かほるはKOHHY(コッヒー)の愛称で親しまれてきたソウルフルなシンガー。「HOLD ON ME」がおなじみの1曲ですが、今回ご紹介したいのがアルバムのタイトルにもなった「I'm Here」という曲です。夜明けの誰もいないストリートで是非聴いて欲しい曲なのですが、周りばかりを気にして自分自身を見失いそうになった時にオススメです。ちなみに、この曲の作曲は、年末の紅白歌合戦に出場した鈴木雅之なのですが、のちにマーチン自身もアルバムの中でカヴァーしています。



第6位:PIECE OF MY WISH / 今井美樹(1991年)


多くのヒット曲を世に送りだし、そのライフスタイルも女性たちの憧れだった今井美樹の代表曲です。上田知華が作曲をした美しいメロディのこの曲は大ヒットになり、ミリオンセラーを記録しました。「雨に負けない気持ちを 炎もくぐりぬける そんな強さ 持ち続けたい」、そんな気持ちで、そこに見えるゴールを目指して頑張って下さい。歌詞をじっくり読みながら聴いていただきたい1曲です。

第5位:My Revolution / 渡辺美里(1986年)


渡辺美里の最大のヒット曲として知られているこの曲は、小室哲哉が作曲を手がけ、多くの人々に愛されてきた80年代の代表曲です。当時の渡辺美里は、尾崎豊、中村あゆみと共に、ティーンエイジャーの代弁者のような存在でした。「夢を追いかけるなら たやすく泣いちゃだめさ」というフレーズは、現代にはあまり響かないかもしれませんが、この曲はサウンドを聴いているだけで、元気が出てきますので、是非気分転換に聴いてみて下さい。



第4位:TOMORROW / 岡本真夜(1995年)


90年代のヒット曲として、幅広い世代の方に知られているのが、岡本真夜のデビュー曲であるこの曲です。もともと、女友達を励ますために作ったバラードソングだったそうですが、ドラマの主題歌に決定したことで、急遽アップテンポのアレンジに変更され200万枚に迫る大ヒット曲になりました。「見るものすべてにおびえないで 明日は来るよ 君のために」というフレーズは、シンプルですが勇気をもらえますよね。そうです、“涙の数だけ強くなれる” のです!

第3位:負けないで / ZARD(1993年)


数あるZARDのヒット曲の中でも、もっとも幅広い世代の人々に認知されている曲です。『24時間テレビ』でも毎年歌われている曲なので、若い世代の方もご存じかもしれません。「負けないで もう少し 最後まで 走りぬいて」のフレーズは、受験生だけではなく、スポーツ、恋愛、仕事、など、すべての人々への応援歌のようにも響いてきます。だからこそ、平成のスタンダードソングとして愛されてきたのかもしれません。シンプルな言葉って、結局一番心に刺さってくるんですよね。



第2位:夢をあきらめないで / 岡村孝子(1985年)


岡村孝子の代表曲として知られているこの曲は、タイトルだけで応援歌のように響いてきます。恋愛ソングとして発売されたこの曲は、発売当初はヒットしたわけではなく、しばらくしてテレビの高校野球の番組のテーマソングに起用されたり、音楽の教科書に掲載されたり、いつしかスタンダードソングとして愛されるようになりました。「苦しい時に つまずく時も きっと上手に越えて行ける」というフレーズを胸に抱いて、是非最後まで走りぬいてください。



第1位:ファイト! / 中島みゆき(1983年)


最後は、中島みゆきのこの曲でエールを送ります。もともとこの曲は1983年のアルバム『予感』に収録されていた曲でしたが、1994年の大ヒットシングル「空と君のあいだに」のカップリングに収録されたことで、広く知られるようになった曲です。「時代」「糸」同様、発売から年月を経てスタンダードになるというのは、中島みゆきの作品が普遍性を帯びている証でしょうね。この曲は「ファイト!」の部分だけ聴くと単なる応援歌のように聞こえてきますが、実際はサビ以外に登場する様々な主人公が主役です。川を昇ってゆく魚でさえも、自分のうろこを削りながら海へ還ってゆくのです。何故なら “私の敵は 私” なのですから…。

ファイト! 闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を ふるえながらのぼってゆけ
ファイト!

己に打ち勝って、合格という切符を手に入れて下さいね。



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2023.01.14
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カタリベ
1967年生まれ
長井英治
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