1999年 1月20日

7月7日はドリカムの日!すべての感情の横にあるドリームズ・カム・トゥルーの歌 

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言葉に負けないアーティスト “ドリームズ・カム・トゥルー”


ドリカムを初めて知ったとき、

「すごい名前をバンド名につけるなあ!」

…と驚いたものである。デビュー当時は「CHA-CHA & AUDREY's Project」(チャチャ・アンド・オードリーズ・プロジェクト)という名前だったそうだ。今となっては、この改名は大正解だったと思えるけれど、“夢は叶う” という言葉を売れる前から自らの看板に掲げるなんて、百万トンの荷物を背負うようなものだったのではなかろうか。

けれど、ドリカムはそんな重圧をはねのけ、“ドリームズ・カム・トゥルー” という言葉に負けないアーティストとなった。

そして一年に一度、夢が叶うとされている7月7日は「ドリカムの日」に認定(2016年、日本記念日協会から認定)。

この日はいつも以上にどっぷりドリカムに浸かる、というファンの方も多いだろう。七夕にDREAMS COME TRUEを聴くなんて、なんだかいつもよりたくさんの星がキラキラ瞬くような感じがするではないか。

喪失感に寄り添ってくれる「朝がまた来る」


言わずもがな、ドリカムは大ヒット曲の宝庫である。1987年にデビューしてから、計7作品のアルバムが売上枚数200万枚を突破。シングルは5作品がミリオンセラー。その一つ「LOVE LOVE LOVE / 嵐が来る」は、なんと売上枚数240万枚以上のメガヒットとなっている。

彼らの楽曲は “一度立ち止まる” ことに、とてもやさしい。もちろん小さな喜びを逃がさず伝えてくれるが、避けられない喪失感にも寄り添ってくれる。だから、ポッカリ心が空いてしまったときに、自然と歌ってしまう。

私の口ずさみ率が特に高いのが「朝がまた来る」と「何度でも」の2曲である。

「朝がまた来る」は実は、タイトルとメロディのせいなのか、

 雨だって 晴れだって
 願いは届かない
 あなたのいない 朝は来るから

… という歌詞を勝手に脳内変換し、

 雨だって 晴れだって
 願いは届くよ
 あなたを待ってる 朝は来るから

… という “明けない夜はない” 的応援ソングと思いこんでいた時期があった。

じっくり聴き、正しい歌詞を理解したときは驚き、ものすごくグッときた。

どれだけ落ち込んでいても街は動くし、地球は回る。ただそれだけ。失ったものを無理に忘れなくていいんだ。

なんというか、時間が空に溶けていくようなゆるやかさを感じて泣けた。

「空を読む」が不採用になったことで生まれた「何度でも」


「何度でも」も “何度でも頑張ろう” ではなくて “何度でも呼ぶよ”。どんなにこちらが背中を丸めて、しゃがみ込んでしまっても、諦めず呼んでくれる。すぐ横からも、もう信じられないくらい遠くからも、おーいおーい! と聞こえてくるような感覚。

めげそうなとき「何度でも何度でも何度でも呼ぶよ……」。本当に何度聴き、何度口から出たことだろう。

Amazon Prime Videoにて配信された『DREAMS COME TRUE Video Show』で、吉田美和さんが、中村正人さんのメロディに歌詞をつけるとき、

「ずーっと寝ても覚めても、ずっとそのメロディと一緒に過ごすんです。ふっと自分の中で言葉がピタッと一致してくるまで、200万、300万回くらい聞くこともある。そしたら(言葉が)来る」

… と語っていた。まさに「何度でも」の世界!

この「何度でも」はフジテレビ系ドラマ『救命病棟24時(第3シリーズ)』主題歌のために書き下ろされた曲だが、実は最初に制作したのは「空を読む」だったのだとか。

吉田美和さんによると、「情熱を込めて書いた曲がボツになることは何度もあるんですよ」とのこと。そして同時に、ボツになったとたん、いきなり頭の中で新しいメロディが聞こえてきた―― という不思議な経験も何度かあったのだとか。

「何度でも」はまさにそのひとつ。もし「空を読む」が採用されていたら「何度でも」は生まれなかったのか、いや、どこか別のタイミングで生まれてきたのか―― 喪失と誕生はライン上にあるのかも?

吉田美和と中村正人。奇跡ともいえる出会い




吉田美和と中村正人という、凄まじいほどの感性と研ぎ澄まされた知性。この2つが出会ったことは奇跡なのだと思うが、そんな2人が紡ぎ出す歌は “奇跡より大事なもの” で詰まっている。

「7月7日、晴れ」にはこんなフレーズが。

 思い出して 思い出して
 ただそれだけで
 明日も あなたを想う 勇気になる
 
 奇跡は起こらなくても
 ベガとアルタイルが会う今夜は
 晴れることを祈ろう

「思い出してくれたらそれだけでうれしい」「晴れたらいいね」―― 夢とは、そういった小さな願いと祈りの蓄積なのかも、とドリカムを聴くと思うのだ。

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2022.07.07
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カタリベ
1969年生まれ
田中稲
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