2025年 12月4日

歌い継がれるKANの名曲たち!根本要と馬場俊英らが贈る「Wabi-Sabiライブショー」放送決定

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KANの歌と思い出を共有するコンサート「Wabi-Sabiライブショー 伝えたい歌が、たくさんたくさんアンデス山脈」公演日
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“KAN愛” に溢れた3時間、テレビ初の独占放送


唯一無二の音楽性とエンターテイナーぶりで我々を魅了したKANが61歳の若さで旅立ったのは2023年11月12日のこと。それから2年が経過した2025年12月4日、大阪のオリックス劇場で、親交のあったアーティストによるスペシャルコンサート『Wabi-Sabiライブショー 伝えたい歌が、たくさんたくさんアンデス山脈』が開催された。チケットは完売で、会場は3階席まで超満員。ファンはもちろん同業者からも慕われた彼らしく、ステージは出演者による想い出トークを交えて3時間に及ぶ “KAN愛” に溢れたものとなった。

そのメモリアルな一夜の模様が来たる3月28日(土)、歌謡ポップスチャンネルでテレビ初、独占放送される。本稿ではスペシャルなイベントが実現に至った背景と見どころについてレポートしたい。

当日ステージに立ったアーティストは、根本要(スターダスト☆レビュー)、馬場俊英、K、トータス松本、槇原敬之の5人。生前KANも出演していたFM COCOLOのラジオ番組『Wabi-Sabi レディオ・ショー』でDJを務める根本と馬場が愛した大阪(90年代にFM802で、2010年からはFM COCOLOでレギュラー番組を担当)でリスナーとともにKANの歌と思い出を分かち合いたい、との想いから実現した企画のため、番組名とKANの歌詞にちなんだ公演タイトルとなった。

全18曲のKANナンバーの上演に加えて、ラジオを思わせる温もりのあるトークコーナーも盛り込まれた一大ショーは前半がアコースティック編成、後半がバンドによる演奏という構成。それぞれがお気に入りの楽曲をセレクトし、KANとの想い出を語る形で進行した。

発起人は馬場俊英と根本要


トップバッターの馬場は、2011年に始まったFM COCOLO主催のライブイベント『風のハミング』やコロナ期の配信番組などを通じてKANとの絆を深めたミュージシャン。KANが愛してやまなかったビリー・ジョエルの「New York State of Mind」をピアノ弾き語り演奏し始めるも―― というコント仕立てのパフォーマンスで幕を開ける。

続いて登場した根本は、かつてKANと同じ事務所に所属していた先輩で、1990年代以降、数々の番組やイベントで共演。1周忌のタイミングで開催された追悼イベント『KANタービレ〜今夜は帰さナイトフィーバー〜』(2024年)でも馬場らとともにホスト役を務めるなど、深く親交のあった人物だ。

今回のコンサートの発起人となった根本と馬場は「牛乳のんでギュー」(1994年 / アルバム『東雲』)をデュエット。ファンの間で人気の高い同曲をオリジナルと同様にピアノ演奏のみでブルージーに歌い上げ、会場を一気にKANワールドへといざなった。KANのコンサートではおなじみだったスクリーンに歌詞が投影される演出も嬉しい。

KANへのリスペクトが込められたトークと歌


曲間のMCで本イベントの開催趣旨を説明した2人は続いて、馬場が「月海」(1998年/アルバム『TIGERSONGWRITER』)を、根本がBank Bandのカバーでも知られる「何の変哲もないLove Song」(2005年 / 限定アルバム『何の変哲もない Love Songs』)をソロで歌唱。前者は失恋の絶望をテーマにした静謐なピアノバラード、後者は約2年半のパリ滞在から帰国した直後に創作された、KANにしては珍しいストレートなラブソングだ。実力派の2人だけに神佐澄人のピアノとコラボしたボーカルはオリジナルとは異なる味わいがあった。

KANへのリスペクトが込められたトークと歌で会場が温まったところで、ゲストアーティスト3組の出番に。まずは “K-KAN” 名義で共作したこともあるKが、ソングライターとしての矜持や葛藤が描かれた「Songwriter」(1997年 / シングル表題曲)をピアノの弾き語りで披露した。

次に登場したトータス松本はFM802の番組『FUNKY STUDIO 802 MUSIC GUMBO』で同時期に隔週ごとでDJを務めていたKANと知り合い、その後はたびたび食事をご馳走になった間柄。この日は世相も織り込みつつ究極の愛を歌ったミディアムバラード「世界でいちばん好きな人」(2006年 / アルバム『遥かなるまわり道の向こうで』)を魂のこもった歌声で聴かせてくれた。

抜群のコーラスワークでオーディエンスを魅了した槇原敬之とK


続いてステージに立った槇原敬之は1990年代前半、やはり『MUSIC GUMBO』に出演していたものの当時はKANとの交流がなく、前述のライブイベント「風のハミング」における共演を機に親しくなったという。ピアノ弾きの男性シンガーソングライターという共通点を持つ槇原は、「東京ライフ」(1989年 / シングル表題曲)をKとともに歌唱。澄んだボーカルと抜群のコーラスワークでオーディエンスを魅了した。

その後は槇原に代わって根本がステージに。KとKANがピアノの連弾曲として共作した「赤字のタンゴ」をKのピアノ演奏でデュエットした。家計の赤字に悩む主婦の不倫の妄想を描いたコミカルな歌詞を情熱的なメロディに載せた同曲は、KANと親交のあった音楽ライターの森田恭子とKが共同プロデュースしていたライブイベント「“K”olors(カラーズ)」のために “K-KAN” 名義で披露した作品。これまでライブで2回しか歌われたことがないため、この選曲に観客は大喝采だった。



とっておきのエピソードを語り合うトークタイムに突入


レア曲で会場を盛り上げた2人が捌けると、学生服にマジソンバッグ(1970年代に学生の間で大流行したナイロン製のスポーツバッグ)という出で立ちの馬場が登場。学ランはコロナ禍中にKANと展開した「馬場KAN配信シリーズ」で買わされたものだという裏話を披歴したあと、「ときどき雲と話をしよう」(1991年 / シングル「イン・ザ・ネイム・オブ・ラヴ」C/W)をギターの弾き語りで歌い上げた。

前半はここで終了。通常のライブなら一旦幕を下ろして休憩時間となるところだが、ショーマンシップに溢れたKANの歌と思い出を共有する一夜だけに、このイベントではそうならなかった。スタッフが舞台上をセットチェンジする手前には、出演アーティスト5人に、KANをよく知る森田恭子、塚越隆史(ラジオディレクター)を加えた7人が登場し、KANの人となりや音楽性、そしてとっておきのエピソードを語り合うトークタイムに突入したのだ。当初20分の予定だったこのコーナーは爆笑トークの連続で約30分に拡大。長いMCにならないように準備されたパトランプが回転すると、それを隠して続けるほどの盛り上がりとなった。どんな話が飛び出したかは、ぜひ放送で確認してもらいたい。

想いの深さを感じる槇原敬之のエモーショナルな歌声


トーク中、バンド用に設営された舞台には神佐澄人(キーボード)、馬場一嘉(ギター)、柳原旭(ベース)、菊島亮一(ドラムス)、山本健太(キーボード)の5人がスタンバイ。バンド編成による後半はトークタイムで “KANの傑作” として話題になった楽曲が次々と演奏された。

まずは公演名に使用された「たくさんたくさんアンデス山脈」の引用元となった「サンクトペテルブルグ~ダジャレ男の悲しきひとり旅〜」(1998年 / シングル表題曲)からスタート。失恋した男の傷心旅行を、KANお得意のダジャレやギャグにまぶして描いたピアノポップを、Kがメインボーカル、根本と馬場がコーラスを務める形で披露された。

続く「REGRETS」(1989年 / アルバム『HAPPY TITLE -幸福選手権-』)はバンドサウンドとストリングスを融合したドラマティックな失恋バラード。今回は槇原のボーカルを、根本がコーラスで盛り立てる贅沢な共演が実現した。ボーカルに定評のあるアーティスト同士がどういうコラボを展開するか―― それも本イベントの大きな見どころと言っていいだろう。

槇原はもう1曲、“(簡単には歌えない)無茶な選曲だけど、大好きなのでどうしても歌いたかった” という「死ぬまで君を離さない」(1992年 / シングル表題曲)をソロでパフォーマンス。原曲はシンセを基調にした厚みのあるサウンドに乗せて永遠の愛を誓うロックバラードだが、エモーショナルな歌声で楽曲への想いの深さを感じさせた。

ステージには5人が勢ぞろいした「すべての悲しみにさよならするために」


次の「すべての悲しみにさよならするために」(1994年 / アルバム『東雲』)はKANの真骨頂とも言える壮大なラブバラード。この日はギターの弾き語りで熱唱する根本をKと馬場がコーラスで支える編成で、聴衆の胸を打った。このあと、ステージには5人が勢ぞろい。メンバー最年長の根本から「これからも事あるごとにKANちゃんの歌を歌い続けていきたい」という決意表明がなされたあと、代表曲の1つである「まゆみ」(1993年 / アルバム『TOKYOMAN』)を全員で聴かせてくれた。

終盤に入ると、トータスが “読めば読むほどいろんな解釈ができる歌詞” と語る「いつもまじめに君のこと」(1993年 / シングル表題曲)をソロで歌唱。続けて、馬場がKANと共作した半自伝的な楽曲「ロックンロールに絆されて」(2016年 / アルバム『6×9=53』)を馬場と根本のツインギターとともに披露し、満場を総立ちにさせた。

場内の熱気が冷めやらぬまま、本編最後はサブスクでも人気を集める「よければ一緒に」(2010年 / シングル表題曲)を全員でパフォーマンス。16小節のキャッチーなメロディが続く、軽快な8ビートポップスで、原曲は8分を超える大作だが、この日は後半で客席も一体となったシングアロングが続き、約10分に及ぶ、締めくくりにふさわしい上演となった。

観客を交えた大合唱でKANを偲んだ「愛は勝つ」


鳴り止まぬ拍手のなか、アンコールではKANのステージの定番アイテムの1つである “天使の羽” をつけた5人が登場。クリスマスを控えたタイミングでのコンサートだったため、「KANのChristmas Song」(1993年 / アルバム『TOKYOMAN』)がセレクトされた。“せっかくなので、最後はKANちゃんにも歌ってもらいたい”ということで、KANのコーラスパートを加えた6人編成のア・カペラで歌われたことも胸アツの演出と言えよう。

そして大団円はやはりこの曲「愛は勝つ」(1990年 / アルバム『野球選手が夢だった』)。一世を風靡したメガヒットを再び観客を交えた大合唱でKANを偲び、ハートウォーミングなステージは幕を閉じた。おそらくこのとき、オリックス劇場の舞台上には天使の羽をつけたKANが舞い降り、ときに微笑み、ときにツッコミを入れながら、仲間たちの熱演を見守っていたに違いない。

ミュージシャンからも尊敬される才能とセンスを持ち合わせたKANの音楽性と人間性を心ゆくまで堪能できるひととき。放送を観れば、全曲配信されているKANの楽曲を深掘りしたくなる、音楽ファン必見のプログラムだ。


【番組概要】
Wabi-Sabiライブショー 伝えたい歌が、たくさんたくさんアンデス山脈



▶︎ 出演:根本要(スターダスト☆レビュー)、馬場俊英
▶︎ ゲストアーティスト:K、トータス松本、槇原敬之
▶︎ BAND:神佐澄人(Key)/ 馬場一嘉(Gt)/ 柳原旭(B) / 菊嶋亮一(Ds)/ 山本健太(Key)
▶︎ 放送日:3月28日(土)よる8時
▶︎ 放送局:歌謡ポップスチャンネル
▶︎ 番組ページ:https://www.kayopops.jp/feature/wabi_sabi/

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2026.03.24
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