2月26日

プリンセス プリンセス「19 GROWING UP」ドラマー富田京子のリアルな歌詞

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プリンセス プリンセスのアルバム「HERE WE ARE」がリリースされた日(19 GROWING UP 収録)
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photo:SonyMusic  

ソニーイチオシの大型新人バンド、プリンセス プリンセス


自分とプリンセス プリンセス(以下プリプリ)との出会いは、中学2年生のころ、深夜に放送されていたソニー所属のアーティストの広報番組『VIDEO JAM』で、デーモン小暮閣下と一緒にMCをする奥居香を知ったことがきっかけだ。

ソニーイチオシの大型新人バンド扱いされていたプリプリは、番組中でもガンガンにプッシュされており、特にセカンドシングル「世界でいちばん熱い夏」の彼女たちが砂丘で演奏しているMVは何度もオンエアされて、自分も気になる存在になっていった。

それから一年も経たないうちに、「MY WILL」がヴィクトリア、「GO AWAY BOY」が資生堂と、次々にCMのタイアップもついて、瞬く間に人気バンドへの階段を駆け登っていったのだった。

当然、自分が通う中学でもプリプリを知ってるクラスメートが増えていったが、そうなると、音楽もさることながら「メンバーで誰が一番かわいいか?」というルックスの話題になってのも、思春期の男子中学生にとっては必然であった。

メンバーでも絶妙な魅力を感じた、ドラマー・富田京子


キュートなかおりちゃん派、ワイルドなかなちゃん派、クールなあっこちゃん派、正統派のともちゃん派… とそれぞれ個性的なメンバーに合わせて、今でいう “推し” も様々だったが、自分は断然、きょんちゃんことドラマーの富田京子が推しだった。

自分が彼女を好きだった理由… それは、こんなことを本人や他のファンが聞くと怒るかもしれないが、何となく彼女が “クラスで3~4番目にかわいい子” のようなイメージがあって、そこに親近感や親しみやすさを感じていたから。もちろんかわいいいけど、高嶺の花という感じではない、そんな絶妙な魅力を自分は感じていた。

そんな彼女は、プリプリの楽曲の中で多くの作詞を手掛けている。前述の「世界でいちばん熱い夏」も彼女が作詞した曲だ。他にも「パレードしようよ」や「M」などの代表曲も彼女の作品だ。

それらの彼女が作詞した作品の中で、自分が一番好きな曲は「19 GROWING UP ~ode to my buddy~」である。ブレイクのきっかけになった「MY WILL」や「GO AWAY BOY」が収録されているアルバム『HERE WE ARE』の1曲目を飾る曲であり、シングルカットもされたプリプリらしい元気な曲だ。その詞に注目してみると、10代の女の子らしい友情物語が垣間見れる。

10代の女の子の友人関係をリアルに描いた「19 GROWING UP」


 きみがくれた 靴をはいていた
 かかと鳴らす 雨上がりの駐車場
 チケットも約束もなくて
 汚れるのも 気にせず歩いたね
 ライヴァル
 涙は見せない 強がり自慢だった
 失くした恋よりも 胸に焼きついてる
 いじけ顔のフォトグラフが 手を振る

靴をプレゼントしてくれるような仲の相手を「ライヴァル」と呼び、完全に心を開くわけではなく「涙は見せ」ずに、強がって「いじけ顔」で一緒に写真に収まる。男の友情よりもどこかドライで、なおかつ脆くて儚げな10代の女の子の友人関係をすごくリアルに表していると思う。

 盗み出した彼にも秘密の
 女同志 少しヤバイ計画
 合言葉は「冴えたやり方」
 いつだってパイレーツ気取りだったよね

この歌詞も正直意味がわからないところもあるが、それが逆に、授業中にこっそり手紙を回したり、仲間内でしかわからない「ギャル文字」のような、10代の女の子らしい感覚が伝わってくる。

 19 GROWING UP
 それぞれの Treasure Islands
 ひとつずつ現実に変ってく
 19 GROWING UP
 今でも巧くやってるなら 忘れるなよ
 いつまでも GROWING UP

男同士の友情を描いた作品なら「気持ちはあの頃と同じ いつまでもかわらない」と描きそうなところを、あっさりと「それぞれの Treasure Islands」=夢は「現実に変わってく」と言い、現在の相手の状況についても「今でも巧くやってるなら」とさほど思いを馳せていない。

でも、けっしてこの曲の主人公たちの友情が浅いわけでも、薄っぺらいものでもなくて、この世代の女子の感情を素直に表現しているだけだと思う。

リアルに感じられるぶん感情移入しやすい富田京子の詞の世界


富田京子が書く詞は、若い女性にすごく共感を得るものだと思う。思えば自分の高校~大学時代、同世代の女の子たちはこぞって「M」や「友達のまま」をカラオケで歌っていたものだ。

それはきっと、富田京子が “クラスで3~4番目にかわいい子” だからじゃないかなと自分は思う。彼女が、親しげでどこにでもいそうな存在感だからこそ、よりリアルに感じられるし、まるで自分の実体験のように感情移入しやくすなるのではないだろうか。

彼女の描く世界は、教室の片隅でのおしゃべりや、深夜の長電話での会話のような、“普通の女の子の日常” を切り取っているように感じる。だからこそ同世代には共感を与えるし、そして今、年齢を重ねてから聴くと、若かった頃を思い出し、郷愁を感じさせてくれる。

プリプリの楽曲が今でも色褪せない理由はそこにあるのかもしれない。



2021.06.02
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カタリベ
1973年生まれ
タナカマサノリ
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