2023年 3月18日

賛否両論「シン・仮面ライダー」古参のライダーファンが胸アツになった10のトリビア

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話題の映画『シン・仮面ライダー』(監督:庵野秀明)について、そのスジの方はきっと語りたくてムズムズしていることが山ほどある筈。

実はワタシもその一人でして、今回はワタシのよーな古手のライダーファンだからこそ注目した本作のポイント10選について綴ってみようと思います。どうか特撮ヲタクじゃない方もご一読くださいませ〜!

なお今回もネタバレだらけですので、これからご覧になる予定の方はご注意ください。

仮面ライダー第1話の強烈なオマージュ


その1:原典へのオマージュ
最初の対戦相手・クモオーグとの戦いは、そのロケ場所やカット割りにおいて、『仮面ライダー』(1971年)の記念すべき第1話における蜘蛛男との戦いに、強烈なオマージュが込められている。

特に冒頭の戦闘員とのバトルは、半世紀の時を経てあの第1話「怪奇蜘蛛男」が令和の世に鮮烈に蘇った感があった。しかしちょっと今回のクモオーグは、戦いの最中に喋り過ぎではなかったか…?

そう言えば今どきのアニメの登場人物も、命がけの戦いの最中でもやたらと喋るので、ある意味で今ふうだったのかも。

さらに第1話つながりで言うと、今回の映画で本郷猛(演:池松壮亮)を仮面ライダーに改造した博士・緑川弘役を演じられた映画監督の塚本晋也氏。『仮面ライダー』で同じく緑川博士役を演じられた野々村潔さん(岩下志麻さんのお父上!)に、ところどころ雰囲気が似ていた。

とはいえ野々村さんの方が、本郷を改造してしまったことに対し、より申し訳なさげではあった。

ときおり声を裏返しながら、「本郷くん、本郷くぅぅぅ〜ん!」と叫ぶ野々村さんの哀れな声は今も耳にこびりついている…。



その2:幻の登場シーン
今回の映画では、『仮面ライダー』の旧1号編における第1話から第8話までの登場怪人のうち、第4話の植物怪人サラセニアンだけが登場しなかったことになる。しかしYouTubeに上がっている未公開映像によると、セリフだけではあるがサラセニアンについて触れたシーンも撮影されていたようだ。個人的に『仮面ライダー』におけるサラセニアン登場回は出色の一編と思っているので、せめてセリフだけでも登場させてほしかった!

同じく惜しくも使用されなかった場面で言うと、ショッカーライダー(今回の呼び名は “大量発生型相変異バッタオーグ”)の登場シーンもしかり。

豪雨の中、ショッカーライダーたちが本郷を取り囲むという、石森章太郎先生の原作漫画を彷彿とさせるシーンがしっかり撮影されていたのに、こちらも全てカット。お願いですからブルーレイにはそれらの映像を全て特典として収録してくださいますように!

さらに、これは既に庵野監督によって明言されているが、メインポスターでアップになっている真っ赤な目が印象的なライダーは、ショッカーライダーのスーツである。



「仮面ライダー」で島田陽子が演じたのは野原ひろみ


その3:原作漫画へのオマージュ
ハチオーグ(演:西野七瀬)の洗脳システムから人々を解放するため、サーバを破壊すべくライダーが上空から急降下するシーンは、原作漫画でのこうもり男との戦いで、飛翔能力のないライダーが空中から地上に落とされ急降下する(しかしベルトに風を受け無事着陸する)シーンへのオマージュだ。

その4:ヒロミとひろみ
ハチオーグに改造されたのは緑川ルリ子(演:浜辺美波)の旧友・ヒロミだったが、『仮面ライダー』においても緑川ルリ子(演:真樹千恵子)の友人の名は野原ひろみ(演:島田陽子)だった(こちらのひろみは改造されていない)。

島田陽子さんは元々ルリ子役の予定だったが、ヒロインから一歩下がった印象で、やや儚げな雰囲気のひろみ役を演じている。そんな島田さんがワタシは好きだった。

その5:イイ音だった
ライダーの仮面を床に転がした時の “カンコロコーン” という軽い音がすごくイイ。

菊池俊輔先生作曲による “菊池節” のメドレーで飾られたエンディング


その6:余韻嫋々たるエンディング曲
本編の後半で、第2号ライダー・一文字隼人(演:柄本佑)が「なんだよ、またひとりかよ」というセリフを発するや、「よっしゃ、エンドロールに流れる曲はワタシの大好きな『ロンリー仮面ライダー』に決まりや!」と思ったのだが、物語のラストが必ずしも “ロンリー” ではない終わり方だったからか、実際は「レッツゴー‼ライダーキック」(作詞:石森章太郎)、「ロンリー仮面ライダー」(作詞:田中守)、「かえってくるライダー」(作詞:滝沢真里)と、菊池俊輔先生作曲による “菊池節” のメドレーでエンディングが飾られ、これはこれで胸アツだった。

中でも、ごく初期の第4話「怪人かまきり男」から『仮面ライダー』に参画されている脚本家・滝沢真里女史の作詞による「かえってくるライダー」は、余韻嫋々たるエンディング曲として大ラスを締めくくる。

普通、戦いを終えたヒーローはいずこともなく「かえっていく」というイメージがあるが、「かえってくる」としたところに『ロボット刑事』のマザーを思わせるような “母性” を感じるのだ。

「ロボット刑事」の主人公・Kのゲスト出演も!


その7:かえってきたロボット刑事
石森章太郎先生原作である『ロボット刑事』の主人公・Kのゲスト出演は、そりゃもう手放しで嬉しかった(今回は刑事ではなかったが)。英単語を流暢に発音するあたりなど、相棒の芝刑事がいたら「この鉄クズ野郎、イヤミなことをするんじゃねえ!」と、ドヤしつけられたかもしれない。

さらに『ロボット刑事』関連でいうと、本作におけるイチロー(演:森山未來)とルリ子との兄妹の対立は、『ロボット刑事』におけるKを作った霧島サオリと、犯罪組織・バドーを創設した霧島ジョージとの、姉弟の愛憎を彷彿とさせる。



その8:技の1号・力の2号
―― ダブルライダー、人呼んで「技の1号・力の2号」。

本作では特に第2号の力強さが印象に残った。初めて本郷ライダーと対峙した時の第2号のポーズは、初代一文字隼人役・佐々木剛さんのそれを思わせるものだったし、チョウオーグとの戦いにおいてその仮面を頭突きで破壊するところは、正に「力の2号」の面目躍如だった!

その9:チョウオーグの謎
石森先生原作のヒーロー作品において、蝶といえば『イナズマン』、イチローといえば『キカイダー01』だが、それらの作品と今回登場したイチローことチョウオーグとの関連性は特に感じられなかった。このあたりは庵野監督、エサをバラまいておき、それに食いついたヲタクが勝手に色々憶測するのを半笑いで見ておられるのではないか?

また余談ながら、庵野監督はかつて永井豪先生原作の『キューティーハニー』を実写映画化されているが、今回のK.Kオーグの最期のセリフ、「クモ先輩、ごめんなさい」は、同じく豪先生作品「けっこう仮面」のパロディだったのだろうか? 謎が謎を呼ぶ…!



その10:そして次回作は?
本作公開後、庵野監督の口から続編の構想が語られたが、それは石森先生による漫画版『仮面ライダー』の最終エピソード、「仮面の世界(マスカー・ワールド)」をモチーフとしているとのこと。

今にして思えば、「仮面の世界」とは正に石森先生原作によるヒーローたちの世界を象徴しているようなタイトルでもある。ということは今回以上に大挙ゲスト出演もあり得るのか? ヒーローたちを引き連れて私たちの前に再び “かえってくるライダー” に期待極大だ!

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2023.06.02
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カタリベ
1967年生まれ
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