平成ぎゃるそん(平成ギャルSONG)vol.3 problem / hitomi 作詞:小室哲哉 作曲:小室哲哉 編曲:小室哲哉 発売:1997年6月11日
チビッ子やギャルはたまごっちを育てた1997年
1997年――。フジテレビが河田町からお台場に引っ越し、“♪チャッ・チャッ チャッ チャ チャッ” という「Rhythm And Police」のサウンドに乗って『踊る大捜査線』が放送スタート。ナオミ・キャンベルがエステティックTBCのCMで「ナオミよ…」と呟いて話題になり、チビッ子やギャルはたまごっちを育てていた。
この年のオリコンシングルランキングTOP100を見てみると、圧倒的1位が安室奈美恵の「CAN YOU CELEBRATE?」。なんとダブルミリオンという快挙を遂げていた。ほかには沖縄アクターズからの幼き刺客、SPEEDが「White Love」を大ヒットさせ、広末涼子が「MajiでKoiする5秒前」で華やかに歌手デビューし、篠原ともえが「ウルトラリラックス」で目が回るような明るさを見せていたのもこの頃だ。
明るさだけではなく、CHARAの「タイムマシーン」、Coccoの「強く儚い者たち」、中谷美紀 with 坂本龍一の「砂の果実」といった、世紀末らしい、なにかが終わっていく諦めや絶望を感じる少女たちの歌も印象的だった年だ。
当時は、ギャル文化の天井越え期。1995年から凄まじい勢いで噴き出したギャルパワーは世の中を圧倒し、度を超え、もはや “やりたい放題" だった。大人を信用しないどころか、見下すコギャルたち。この年『バウンス ko GALS』(監督:原田眞人)という映画が公開されたが、私は観たとき、本当に仰天した。援助交際やブルセラ、渋谷の喧騒、女子高生たちのあけすけなコミュニケーションを生々しく描いていたが、あまりにも、あまりにも怖いもの知らずに見えたのだ。