2022年 10月12日

早見優インタビュー ② 歌うことをあきらめない!もしかしたら trf に入ってたかも?

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早見優のベストアルバム「Affection ~YU HAYAMI 40th Anniversary Collection~」
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第1回『早見優インタビュー ① 若い世代にも大人気!DJ Night Tempo がお気に入りの曲は?』からのつづき

第2回目は、今回リリースされたデビュー40周年記念の3枚組のアルバム『Affection ~YU HAYAMI 40th Anniversary Collection~』DISC1、DISC2に収録された楽曲を中心に語っていただきました。



― この度、デビュー40周年記念の3枚組のアルバム『Affection ~YU HAYAMI 40th Anniversary Collection~』が発売になりますが、かなり前から企画していた作品だったでしょうか?

優:この2年半はコロナ禍でいろいろなコミュニケーションがとれていなかった中で、サンミュージック時代にお世話になった出版の方が声をかけて下さって、ユニバーサルミュージックの方に繋いでいただき、今回の発売に至りました。

― じゃあ、かなりトントン拍子に決まった話だったんですね。

優:そうですね、しかも「新曲も収録してみない?」というありがたいお話もいただけて、「え! そんなことできるんですか?」という感じでした。今回DISC3に収録されている楽曲は、レアトラックと新曲という構成ですが、レアトラックに関しては、ファンの方がSNSを通じて「こんな曲ありましたよね!」という感じで教えて下さるんです。それをユニバーサルの方に調べていただいたりして(笑)。ファンの方は私より詳しいのでありがたい限りです。

― 今回発売される3枚組のDISC1に収録されている楽曲は、優さんのデビューから3年間の輝かしいアイドル時代の楽曲が満載ですが、「夏色のナンシー」はもちろんブレイク作ですので思い入れがあると思いますが、他に何か印象に残っている曲があれば教えていただけますか?

優:私の転機になった曲というのが(1985年に発売された12枚目のシングル)「Tonight」なんです。この曲はアン・ルイスさんのアルバムの曲をカヴァーさせてもらった曲なんですが、当時私が、リック・スプリングフィールドをとても好きで、こういうリズムの曲を歌いたいと意見を言うようになった時期なんです。そんな時に中原めいこさんに楽曲提供していただいたのが「PASSION」で、とても思い入れの強い曲です。



― 僕自身も中原めいこさんのファンだったので、優さんとの組み合わせはばっちりだと思ってました。

優:当時は忙しかったので、レコーディングはたいてい夜中が多かったんです。なので、レコーディングをしている時はたいてい風邪気味で、歌入れも結構苦労していたんですが、「PASSION」に関しては3回くらい歌ってOKが出たんです。

― ビートの効いたダンスチューンは優さんにとても似合っていましたもん。

優:テレビ局でめいこさんにばったりお会いした時に、めいこさんから「あの曲、息継ぎが出来ないでしょう? どこで息継ぎしているの? 歌ってみて」と言われて、テレビ局のロビーで、アカペラで「PASSION」を歌ったことがあります(笑)。今考えると、なんか笑えるエピソードですよね。

― DISC1に収録されている楽曲を歌われていた時代は、アイドル全盛期で寝る暇もなかった時代だと思うんですが、当時、何か苦悩のようなものや大きな壁にぶち当たるような出来事はありましたか?

優:「PASSION」を歌っている後くらいですかね、大学に行こうと思って大学受験を決意したので、このまま仕事を続けるか結構悩んでいましたね。結局一浪してしまったし、事務所からは、もし受からなかったら精神的にダメージが大きいんじゃないかと心配されていましたから。

― 当時のアイドルで大学に行った人は珍しかったかもしれませんね。

優:私は昔から周りの人がこうだから… というのはあまり気にしたことがなくて、自分がやりたいことに突進してしまうタイプなんです。高校の先生に大学進学したいと相談したら笑われましたからね(笑)。でも、とても良い家庭教師の先生に出会って、見事大学に入学することが出来ました。

― 優さんはデビューした時から知的なイメージだったし、元から勉強は得意だったんだと思いますよ。

優:大学生になって一番うれしかったのは、それまで発信する側に立っていた自分が、学生として普通に生活できることでした。そういう感覚を忘れかけていましたから。自分の中で心のバランスがとることが出来て、大学に行ってとても良かったと思います。普通に就職活動も考えましたからね(笑)。

― 優さんが結婚して、お子さんを持つ頃には “ママタレ” なんていう言葉も流行して、いつも時代を味方につけてきた印象です。

優:『はなまるマーケット』でレギュラーを持たせていただいた時は、「ちゃんと自分にも戻る場所があったんだ!」と感激しました。そういう意味では、私がデビューしたころに比べて世の中は変わったんだと思います。以前は子供が出来たら引退が普通でしたから。

― 個人的にDISC2に収録されている1986年以降の楽曲が好きなんですが、先ほどお話に出た「Beat Lover」もこの時代の曲ですね。

優:はい。他には「Caribbean Night」は、再び中原めいこさんに書いていただいた曲で、個人的にはとても気に入っています。その次のシングル「Tokio Express」がタイアップの関係で、2か月後に発売になっているので、「Caribbean Night」歌う期間がちょっと短かったのが心残りです。



― 1986年からは晴れて大学生になるわけですが、はやり仕事との両立は大変でしたか?

優:この時期は事務所の方針もあって歌手の活動からお芝居の方にシフトしていくんですね。当時大原麗子さんと一緒にドラマ(『みんなマドンナ』日本テレビ系)に出演させていただいたりしたんですが、私的にはもう少し歌の活動をしたかったんです。それをジャズシンガーの父親に相談したら、「歌を続けたいんだったらジャズを歌った方がいいよ」とアドバイスをもらい、のちにジョイントライブもするようになりました。

― 80年代後半になると、82年組のみなさんも活動のシフトチェンジを余儀なくされていたと思いますよ。

優:そんな時に『グリース』や『オズの魔法使い』といったミュージカルのお仕事をやらせていただくようになって、歌うことをあきらめないでよかったと思っています。

― 1991年には、レコード会社をトーラスレコードから東芝EMIに移籍していますね。

優:移籍第一弾シングルの「ヘップバーンによろしく」を書いてくださったのが上田知華さんでした。「ほほ笑みあえる」のカップリングに収録されている「眠れる森の美女」という曲も上田知華さんの曲で、ライブをやる機会があれば歌いたいくらい気に入っている曲です(今回のアルバムには未収録)。

― 1995年のシングル「CHANCE〜めぐりあいを、宝石にかえて〜」を最後に、CDのリリースがしばらく途絶えますが、この時期の優さんはどのような活動をされていたんですか?

優:この時期は結婚が決まり、それと同時にミュージカル『レ・ミゼラブル』コゼット役が決まるので、そちらで精一杯でした。当時は、小室さん系が流行していたじゃないですか、テンポが早いし、歌い方に関しても難しくてついて行けなかったと思いますよ(笑)。

― 優さんはダンス系のアレンジの楽曲をたくさん歌っていたし、きっと似合っていたと思いますよ。

優:この間、私のYouTubeチャンネルに、DJ KOOさんがゲストで来てくれたんですね。かつてKOOさんが所属していた “The JG's” が、私の「ハートは戻らない」をREMIXしてくれていたことがあったんですが、「あの時ずっと一緒にいたら、優ちゃんがボーカルに加わり、trfになっていたかもしれないね(笑)」なんて冗談で話していたところでした。



(取材・構成 / 長井英治)


■ 次回予告
次回はいよいよ最終回!今回リリースされるベストアルバムに収録される新曲についてのエピソードや、松本伊代さん、森口博子さんとジョイントしてレコーディング話など盛りだくさんな内容です。お楽しみに!


第3回『早見優インタビュー ③ 感動の新曲「Your Last Woman」デビュー40年目の新境地!』につづく

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1967年生まれ
長井英治
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