2023年 7月19日

【石川ひとみ 最新インタビュー】① デビュー45周年アルバム「笑顔の花」に込めた想い

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1978年5月25日にシングル「右向け右」でデビューした石川ひとみは、明朗快活なキャラクターと抜群の歌唱力で人気を確立。1981年「まちぶせ」の大ヒットで紅白歌合戦に初出場を果たす一方、人形劇『プリンプリン物語』(NHK)の声・主題歌や、『クイズ・ドレミファドン!』(フジテレビ系)『レッツゴーヤング』(NHK)の司会など、多方面で才能を発揮する。近年はライブ活動も精力的に展開。持ち前の美声と歌唱力に磨きをかけた “大人かわいい” ボーカルで新規のファンも獲得している。

その石川のデビュー45周年を記念したオリジナルアルバム『笑顔の花』が7月19日にリリースされた。全11曲のうち4曲の作詞を手がけ、これまでにないタイプの楽曲にも挑戦した意欲作。同時発売の限定BOXも好調なセールスを記録している。10月1日のアニバーサリーコンサート(新橋ニッショーホール)を前に、リリースイベント等で多忙な日々を送る “ひっちゃん” へのロングインタビュー。前篇は節目を迎えた現在の心境と、ニューアルバムに関する話を訊いた。

石川ひとみデビュー45周年、オリジナルアルバム「笑顔の花」が完成!


―― 45周年、おめでとうございます!

石川ひとみ(以下、石川):ありがとうございます! 振り返ってみると、いろんなことがありましたので、喜びと同時に「よくここまでやってこられたな」という感慨がありますね。今あるのはその間、私を支えてくださったすべての皆様のおかげですから、感謝の気持ちでいっぱいです。

―― その節目の年に『笑顔の花』というオリジナルアルバムが完成しました。サウンドプロデューサーは私生活のパートナーでもある山田直毅さん。ひとみさんは表題曲「笑顔の花」の作詞(真名杏樹との共作)もされていますが、まずはタイトルに込めた想いからお聞かせいただけますか。

石川:生きているとつまずいたり、転んだりして、「あ~、こうすればよかった」って後悔することがありますよね? 私自身、そんなときはすごく落ち込んで、悩んだりもするわけですけど、長い目で見ればそういうことがすべて自分の力になったりする。その時点では「失敗しちゃったな」と落ち込んでも、少し経てば「あんなこともあったよね。でもさ」って気持ちを切り替えて、前向きにとらえることが大事だと思うんです。この先もきっと失敗して悔やむ場面があるでしょうけれど、振り返ったときに笑えるような生き方をしていきたい。そんな想いを託しています。

―― ご病気で一時、活動休止を余儀なくされたことなど、45年間のさまざまな経験がそのポジティブな考え方に繋がっているように思えます。キャリアを重ねてきたからこそ到達した境地といいますか。

石川:私はむしろ気づくのが遅かったような気がするのですが、最近はやさしい人間でありたいとも思っています。人から親切にされると嬉しいですから、自分も思いやりを持って人に接したい。そうやって笑顔の花を胸に抱いて生きていけたらいいですよね。

最新アルバムで4曲の作詞を担当


―― みんなが笑顔の花を咲かせれば、世の中はもっと平和になりそうです。さて、ひとみさんは今回のアルバムで共作も含めて4曲の作詞を担当されています。これまでも多くの詞を書かれていますが、ひとみ流の作詞法やポリシーがあれば伺えますか。

石川:私の場合、いただいたメロディに詞を乗せる “曲先” のパターンが多いので、曲調からイメージを広げていきます。どの作品にも共通するテーマとしては「青春」かなぁ。それは年齢的なことではなく、気持ちのうえでの青春。素直な心とか、清らかで純粋な気持ちって、いくつになっても大事なことだと思うので、恋の歌であっても、青空の下の2人とか、爽やかさとか、そういう世界を描くようにしています。

―― 確かに、ひとみさんの詞からは情念ではなく、清々しさを感じます。

石川:今回のアルバムに関しては45周年の節目ではありますけど、あくまで通過点ですので、この先も歌っていけるような世界観の歌を書きたいという想いもありました。

―― 詞は手書きですか?

石川:はい。普段からペリカンの万年筆を愛用していて、詞を書くときもその万年筆です。余談になりますけど、私が万年筆を使うようになったのは『レッツゴーヤング』の司会をしていたときなんですよ。中学生の頃から憧れていたのですが、収録の空き時間にNHK内を探索したら、文具を扱っているお店があって。そこで買ったモンブランの万年筆が初代です。万年筆って、字体が太いところと細いところがあるでしょう? それが何とも言えない味があって魅力的なんですよね。

―― なくてはならない相棒ですね(笑)。作詞はかなり早い段階から始められていたそうですが。

石川:そうなんです。レコードにはなっていませんけど、ファーストコンサートのときから自分で作詞をした歌を歌っていました。

―― デビュー前から詞を書きためていたのでしょうか。

石川:いえいえ、学生時代はもっぱら歌ってばかりでした(笑)。どうして詞を書くことになったのか、詳しい経緯は憶えていませんが、ファーストコンサートの音楽監督がチャッピーさんこと渡辺茂樹さんだったので、茂樹さんに「書いてみたら」と勧められたのかも。

―― ということは、チャッピーさんが作曲を?

石川:「ひとつぶの涙」とか「愛を信じて」など、ステージ用に書いた曲がいくつかあるのですが、作曲はほとんど茂樹さんか山田(直毅)さんでしたね。

―― 機会があればぜひ音盤化していただきたいところですが、チャッピーさんも山田さんもキャンディーズのバックバンドだったMMP(ミュージック・メイツ・プレイヤーズ)のメンバー。ひとみさんはキャンディーズの解散直後にデビューされたので、MMPを引き継ぐ形で、メンバーの一部がひとみさんのステージの演奏をしていたとか。

石川:初代マネージャーさんもキャンディーズさんの担当をされていた方でしたし、当時から畏れ多いと感じていました。

―― チャッピーさんも、山田さんも、キャンディーズのお三方と一緒に曲づくりをされていたので、石川ひとみプロジェクトにはキャンディーズのDNAを感じます。

石川:キャンディーズさんのラストアルバム『早春譜』は全曲、お三方とMMPの共作でしたよね。言われてみると、そういう流れはあったかもしれません。

―― やがてシングルB面やアルバムに「作詞:石川ひとみ」とクレジットされた作品が収録されるようになっていきます。

石川:少しずつですけど、増えていきましたね。いちばん多く書いたのはファミリー向けに作った『HOME・MADE-ただいま-』(1999年)というアルバム。ちょうどNHKで『母と子のテレビタイム(日曜版)』という、ニャンちゅうと共演する番組に出演させていただいていた時期で、全作詞を担当しました。

―― 作曲・編曲は山田さん。

石川:そうです。最初は「全部書けるかしら」「誰かの助けが必要かな」と思っていたんですけど、自分の子供時代のこととかを思い返したりしているうちに、なんとか書くことができて。一部ですが、詞先で作った作品もあります。

―― 制作に対する関与度が高まると、さらにモチベーションが上がるのではないでしょうか。

石川:それはありますね。もちろんどのアルバムも大切なのですが、今回は4曲の詞を書いたことで、自分の作品という想いがより深くなっているように思います。

BEGINの島袋優が作曲、表題曲の「笑顔の花」


―― ここからは収録曲に関するお話を伺います。まず表題曲の「笑顔の花」は作曲がBEGINの島袋優さん。たおやかなメロディが心地よい楽曲ですが、ひとみさんとBEGINはレーベルメイトで、2004年から展開された『一五一会』シリーズでもコラボしています。

石川:主人が以前から曲を提供したり、プロデュースをしたりしていることもあって、BEGINのお三方とは長いお付き合いです。もうだいぶ前の話になりますが、家に電話をくださったとき、たまたま私が出ましたら「あ、プリンプリンだ!」って言われたことがありました(笑)。『プリンプリン物語』はNHKですから石垣島でも放映されていたみたいで、皆さん、ご覧になっていたらしいです。



―― そういったご縁が『一五一会』シリーズに繋がったと。

石川:あるとき「一五一会という楽器を開発したんだけれども、それを使ったアルバムを作れないかな」というお話をいただいて。「ぜひ」とお応えして、年1枚のペースで、第1弾は唱歌・童謡、第2弾はフォークソング、第3弾は60~70年代にラジオから流れてきた曲、第4弾は自分のオリジナル曲をセルフカバーして歌いました。

―― 「アシタノ風」はマイナーアップテンポのナンバー。作詞はひとみさんで、作曲・編曲が山田さんです。

石川:この曲と「zankyouhanabi」は今までのレパートリーになかったタイプの曲調かもしれません。お腹に力を入れて、いつもより強めに歌っています。

―― ファンの方たちの間でも「新鮮だ」という声が上がっているようです。「zankyouhanabi」はBLACK BOTTOM BRASS BANDのIGGYこと、梅口敦史さんとの共作。過ぎし夏の日の恋を描いた切ない楽曲です。

石川:デモテープを聴かせていただいたとき、とても素敵なメロディで「絶対に歌わせていただきたい!」と思いました。でも諸事情ですぐには決まらず、2ヶ月ほど待つことになって……。その間「もしダメだったらどうしよう」と思っていたのですが、幸い歌えることになりましたので、作曲された梅口さんと一緒に詞を書かせていただいたんです。イントロがなくて、いきなりサビから始まりますが、サウンドも、詞も、胸がキュンとするようなナイーブさが感じられて、すごく気に入っています。

―― 一目惚れならぬ、ひと聴き惚れだったんですね(笑)。今回、ベテランから若手まで、多くの作家さんから作品を提供されていますが、「風薫花~kazekaoruhana~」の作詞・作曲を手がけたCHIHIROさんは提供曲のSNS総再生回数が10億回を突破。「恋愛ソングのカリスマ」として人気を集める気鋭のシンガーソングライターです。

石川:アルバム制作にあたり、最初に聴かせていただいたのがCHIHIROさんのデモテープだったんです。純白を思わせるピュアな世界観に感動したのと、和テイストなところが新鮮で、やはり「早くこの歌を歌いたい!」と思いました、

―― べテランでは「Everything」(MISIA)などのヒットを持つ松本俊明さんが「やさしくなりたいだけ」の作曲を担当。作詞は「木蘭の涙」(スターダストレビュー)や「トイレの神様」(植村花菜)などで知られる山田ひろしさんです。

石川:明るく爽やかな風を感じる曲です。タイトルは私の発言がきっかけでした。制作スタッフとリモートミーティングをしたとき、山田さんがいろいろ質問してくださったんですね。先ほど申し上げた通り、私は最近「人にやさしくなりたい」と思っているので、何かの質問にそうお答えしたら「あ、それ、いいですね」とおっしゃって。後日、出来上がった詞を拝見したら、タイトルが「やさしくなりたいだけ」だったんです(笑)。私の想いを汲み取って、そういう詞を書いてくださったことが嬉しかったですね。

カバーの名手石川ひとみ、「道化師のソネット」をセレクトした理由とは?


―― 大ヒットした「まちぶせ」をはじめ、カバーはお手の物という印象があるひとみさんですが、『笑顔の花』にはさだまさしさんが1980年に発表した「道化師のソネット」が収録されています。この曲をセレクトされた理由は?

石川:実は20代の頃にテレビの番組で歌わせていただいたことがあるんです。当時も「なんて素敵な曲なのかしら」と思っていたのですが、そのことをふと思い出して、昨年10月のコンサートで久しぶりに歌ったら、やっぱり素晴らしくて。「笑ってよ 君のために 笑ってよ 僕のために」と歌う詞の内容が『笑顔の花』のコンセプトに通じるところがあるので、カバーさせていただきました。

―― 『一五一会』シリーズでも多くの楽曲をカバーされていますが、カバーを歌うときに心がけていることはありますか?

石川:自分らしさを出そうと必死になることはなくて、原曲を崩さないよう、素直に歌うようにしています。今回もさださんの曲を何度も聴いて、譜割りや発音をどう歌われているかを確認したうえで歌わせていただきました。私は自分の持ち歌でも、かつての歌い方を変えないようにしていますね。

―― 聴く側は最初に耳にしたバージョンが刷り込まれますから、崩した歌い方をされると違和感を覚えるんですよね。ひとみさんの歌がスッと耳に入ってくる理由の一端が分かったような気がします。

石川:だとしたら嬉しいです!

10月1日には45周年記念コンサートを開催


―― 今回のアルバムには「さよならの理由」(1983年のアルバム『プライベート』に初収録 / 作詞:竜真知子、作曲:林哲司)と「ひとりじめ」(1982年の13thシングル / 作詞・作曲:天野滋)のライブバージョンも収録。いずれも2021年4月、羽田ティアットホールで開催された無観客の配信ライブで披露された音源ですが、ひとみさんのライブパフォーマンスがいかに素晴らしいかがよく分かります。

石川:ほんとですか? ありがとうございます。「さよならの理由」は昔から好きな曲なのですが、最近、私のライブに来てくれた友人が初めて聴いたにも関わらず、「こういう歌だったよね」って言ってくれるほど気に入ってくれたんです。ファンの方たちの間でも人気がありますから、多くの方にお届けしたいなと思って入れました。

―― 作曲は今、世界的に注目されている林哲司さんです。

石川:先日、あるところでばったり林さんとお会いしたとき、45周年のアルバムに「さよならの理由」を入れさせていただきますというお話をしたら、すごく喜んでくださって。「応援します」というお言葉をいただけたことも心強かったですね。

―― 「ひとりじめ」も天野さんらしい切ないメロディラインがたまらない名曲ですよね。ひとみさんが初めて『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系)で披露されたとき、確か鮮やかなオレンジ色の衣装だったと思うのですが、素晴らしい歌唱に感動したことが今でも焼き付いています。

石川:そう! 確かにオレンジ色のドレスでした。私も大好きな曲ですから、そう言っていただけると嬉しいなぁ。天野さんは「君は輝いて天使にみえた」(1982年)も書いてくださいましたが、どちらも素敵な曲ですよね。「ひとりじめ」は曲をいただいたときから自分にぴったり合っている気がしていました。

―― 10月1日(日)の45周年記念コンサートではどんな曲が聴けるのか楽しみです。

石川:『笑顔の花』の収録曲はもちろん、40周年アルバム『わたしの毎日』の曲や、かつての歌もできるだけたくさん歌いたいと思っています。声も出せるようになりましたし、皆さんと一緒に幸せな時間を過ごせることを楽しみにしています!


第2回につづく

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2023.08.09
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