2004年 12月13日

布袋寅泰が全面参加!今井美樹の “ドリーム・ツアー” が証明したボーカリストとしての実力

10
0
 
 この日何の日? 
今井美樹のコンサート「IMAI MIKI DREAM TOUR 2004」武道館公演開催日
この時あなたは
0歳
無料登録/ログインすると、この時あなたが何歳だったかを表示させる機能がお使いいただけます
▶ アーティスト一覧

 
 2004年のコラム 
早見優プロデュースの親子向け教材「Let's Sing Together」楽しく英語に親しもう!

【Y2Kリバイバル】nobodyknows+「ココロオドル」今も鳴り止まない平成パーティチューン

The Good-Bye 曾我泰久インタビュー ③ いつだってジャニーさんに褒められたい!

もっとみる≫




MIKI IMAI DREAM TOUR FINAL AT BUDOKAN 2004

​​今井美樹が2004年に行った夢の全国ツアー


“ドリーム・ツアー” などと大上段に構えたタイトルと思うかもしれないが、実際にこれはまさに “夢のツアー” だった。

今井美樹が2004年に行った全国13本に渡る全国ツアーは、彼女にとっても非常に大きな意味を持つコンサートツアーだった。なぜなら、ツアーメンバーがこの上ない豪華さだからだ。といっても、今井美樹のツアーは常に一流ミュージシャンを集めた豪華メンバーが脇を固めていることで知られる。それでもこの時は、山木秀夫(Drums)、クマ原田(Bass)、今剛(Guitar)、小島良喜(Keyboards)、岸利至(Programmer)、仁科薫理(Chorus)といったお馴染みのミュージシャンたちに加え、布袋寅泰がギターで全面参加したことで大いに話題となった。そしてこのライブ映像は、ツアー最終日である2004年12月13日に行われた日本武道館での公演を収めたものだ。

映像は開演前の楽屋裏から始まる。今井美樹のソロコンサートというだけでなく、ひとつのバンドのライブであることを示唆する演出だ。また、今井と布袋それぞれのモノローグによって、お互いにとってこのステージが “ドリーム” であったことが語られる。ミラーボールが煌めく武道館の光景が映し出され、そこからこの “夢のツアー” が幕を開ける。

布袋寅泰と今剛によるエモーショナルなギタープレイ


この『MIKI IMAI DREAM TOUR FINAL AT BUDOKAN 2004』の大きな特徴は、布袋寅泰の参加によってロック色の強いステージングが打ち出されている点だろう。黒を基調としたシックなスーツ姿の今井美樹が登場すると、布袋のギターカッティングが鳴り響き、やや重心の低いグルーヴに乗って「Another One」を歌い始める。続く「Somethin’ Else」「Travellin’ Woman」と、冒頭の3曲はいずれも当時の新作アルバム『She is』収録曲だが、スタジオバージョンに比べると、ここでの演奏はよりダークでヘヴィ。布袋と今剛によるエモーショナルなギタープレイを随所に絡めながら、ノーブルなヴォーカルを際立たせるアレンジが印象的だ。

しかし、このバンドの魅力はロック色だけにとどまらない。彼女の代表曲のひとつ「DRIVEに連れてって」や「微笑みのひと」といったグルーヴ感のあるポップチューン、「flowers」のようなミディアムバラードでも的確なバッキングを施し、今井の情感豊かなボーカルをじっくりと聴かせてくれる。とりわけ、山木秀夫とクマ原田のリズムセクションの安定感はさすが。本来の今井美樹のサウンドをしっかりと表現しているのはファンも納得だろう。「オードリーのように」の後半で聴ける、インプロヴィゼーションを交えたバンドサウンドも見事だ。



ボーカリストとしての説得力が存分に発揮された「PIECE OF MY WISH」


中盤には、いわゆるバラードの名曲が続くパートが設けられており、このツアーの大きな見どころのひとつとなっている。小島良喜のピアノのみをバックに歌い上げる「PIECE OF MY WISH」では、ボーカリストとしての説得力が存分に発揮される。さらに、浮遊感に満ちたメロウなサウンドの「瞳がほほえむから」、アンビエントな雰囲気で始まる「Miss You」へと続き、今井美樹の真骨頂ともいえる楽曲が並ぶ。このセクションでは布袋はステージを離れ、今剛が味わい深いギタープレイを聴かせる点にも注目したい。

布袋によるギターインストゥルメンタルを挟み、鮮やかなピンクのコートを羽織って再登場した今井は、ブルージーなテイストの「Ruby」、壮大なスケールを伴った「Goodbye Yesterday」、布袋のアコースティックギターをバックに歌い始める「私はあなたの空になりたい」と代表曲を立て続けに披露する。実力派ミュージシャンたちによる主張の強い強力なアンサンブルを背負いながらも、ボーカルが決して埋もれることはなく、あらためて彼女の表現力の強さを実感させられる瞬間だ。

そのことをあらためて決定づけるのが、続く「PRIDE」だろう。今井美樹の代名詞といえるこの名曲が、作者である布袋寅泰のギター・オブリガートを効果的に配しながら、存在感のある歌声によって鮮烈に再構築される。ヴォーカリストとしての確固たる意志を感じさせる名演だ。続く「Shine」では、ゴスペルにも通じる荘厳さをまとって本編を締めくくった。



バンドメンバーと一体となったラストナンバー「The Days I Spent With You」


アンコールではTシャツとローライズ・ジーンズというカジュアルな装いで登場し、「夕陽が見える場所」を熱唱。アコースティックなバラード「おもいでに捧ぐ」でノスタルジックに締めくくるが、観客の熱はなかなか冷めることはなく拍手が続く。その熱に応えたダブルアンコールでは、今井はファンキーなバンド演奏に乗せてステージを縦横無尽に駆け回り、ブルースロック調の「JOHNNY CAN’T PLAY GUITAR」をクールに決める。1970年代のロックバンドを思わせる熱量の高いプレイとアンサンブルも強烈だ。

本当のラストナンバーは、「The Days I Spent With You」。 “この曲との出会いが、今日私たちをここに連れてきてくれました。大好きな曲です!” という今井の言葉どおり、布袋と今井の記念すべき初コラボレーション楽曲である。今井と向かい合ってギターソロを取る布袋と、曲が終わるのを惜しむかのように会場中を走り回って観客に手を振り続ける今井の姿が印象的だ。そして、バンドメンバーが一体となったエンディングで幕を閉じる。

この『Dream Tour』は、布袋寅泰の全面参加によるロック色の強さから、当時ファンの間で賛否を呼んだことも事実だ。しかし同時に、これだけの音圧を誇るバンドを前にしても一切引けを取らない、今井美樹のボーカリストとしての実力を鮮明に示した記録でもある。大掛かりなセットも派手な演出もない、歌と演奏にクローズアップされたパフォーマンスの記録を、ぜひじっくりと味わっていただきたい。


Information
MIKI IMAI DREAM TOUR FINAL AT BUDOKAN 2004


2004年に行われた「IMAI MIKI DREAM TOUR 2004」の、日本武道館での最終公演を収めた作品。布袋寅泰、今剛、KUMA原田、山木秀夫ら、豪華ミュージシャンが参加。

▶ 放送局:歌謡ポップスチャンネル
▶ 放送日時:5月30日(土)よる9時
▶ 放送曲:
♪ PARTY TIME
♪ Another One
♪ Somethin’ Else
♪ Travellin’ Woman
♪ DRIVEに連れてって
♪ 微笑みのひと
♪ flowers
♪ オードリーのように
♪ PIECE OF MY WISH
♪ 瞳がほほえむから
♪ Miss You
♪ Instrumental
♪ Ruby
♪ Goodbye Yesterday
♪ 私はあなたの空になりたい
♪ PRIDE
♪ Shine
♪ 夕陽が見える場所
♪ おもいでに捧ぐ
♪ JOHNNY CAN’T PLAY GUITAR
♪ The Days I Spent With You

▶ 今井美樹のコラム一覧はこちら!



2026.05.17
10
 

Information
あなた
Re:mindボタンをクリックするとあなたのボイス(コメント)がサイト内でシェアされマイ年表に保存されます。
カタリベ
1970年生まれ
栗本斉
コラムリスト≫
35
1
9
9
1
異彩を放つ内館牧子ドラマ「あしたがあるから」主題歌は今井美樹「PIECE OF MY WISH」
カタリベ / 平マリアンヌ
22
1
9
8
8
南野陽子「吐息でネット。」昭和最後の春に咲いた桜のようなアイドルポップ
カタリベ / 広瀬いくと
74
1
9
8
6
岡村孝子とホンダ・トゥデイ ― 僕が愛した2人の「T」の物語。
カタリベ / 指南役
40
1
9
9
1
今井美樹「PIECE OF MY WISH」吉高由里子のニュービーズCMでも起用された90年代名曲
カタリベ / 長井 英治
38
1
9
8
6
男心をズキュンと撃った、デビュー間もない今井美樹の “本気だったの”
カタリベ / 藤本 真
61
1
9
8
8
アッパーミドル今井美樹とヤンキー工藤静香の対決!資生堂 vs カネボウ CMソング戦争
カタリベ / @0onos