1982年「潮風の少女」でデビュー。花の82年組と言われたアイドル豊作の年に早くからトップアイドルとして君臨。コンスタントにリリースされたシングルは、正統派の呼び名にふさわしい可憐なものや洗練されたシティポップなど、実に多彩な色合いを持つ。また、80年代にリリースされた10枚のオリジナルアルバムも才能溢れるミュージシャンたちに支えられ、アルバムアーティストと呼んでも過言ではないクオリティの高い作品を残している。
今回、リマインダーでは「40周年アニバーサリー CD/DVD-BOX」のリリースとストリーミング全曲配信を記念して、【歌手・堀ちえみ】の魅力を総力特集。リアルタイム世代はもとより、若い世代も注目するであろう彼女の作品をアルバム中心に深掘りしつつ、その魅力を余すところなく伝えます。
いま、聴くべきオリジナルアルバム
80年代にリリースされた10枚のオリジナルアルバムは、才能溢れるミュージシャンたちに支えられ、堀ちえみ=アルバムアーティストと呼んでも過言ではないクオリティを保っています。
1982年の堀ちえみ
メジャーコードのミディアム調の楽曲を、ひたすら素直に歌っている姿が印象的。歌謡曲スタイルの「とまどいの週末」以外の同年作品は、すべて鈴木茂がアレンジを手がけており、アルバム全体に爽やかな風が吹いている。シングルではまだTOP10入りをしていないものの、アルバムでは2作ともTOP10入りを果たし、LP+カセットでは10万枚を超えているのも納得がいく。
1982/03/21 1st single
「潮風の少女/メルシ・ボク」
1982/05/21 1st Album
「少女」
「少女」2/8(水)掲載予定
1982/06/21 2nd single
「真夏の少女」
1982/08/21 3rd single
「待ちぼうけ」
1982/11/05 4th single
「とまどいの週末」*アルバム未収録
1982/11/21 2nd Album
「夢日記」
「夢日記」2/9(木)掲載予定
1983年の堀ちえみ
シングル「さよならの物語」以降、各種ランキングのTOP10常連となった影響も大きいのだろうか。その歌声が一段と華やかになっている。あるいは、岩里祐穂や森雪之丞が手がけたキャッチーな歌謡曲路線のメロディーや、鷺巣詩郎による派手めのアレンジが、彼女をよりアイドル然として輝かせているのだろうか。コミカルな「誘惑アルファベット」からライブの定番曲「CHIEMI SQUALL」まで、とにかく声が明るく、切ない曲にすら希望が見えるのがこの頃の特徴だ。
1983/01/21 5th single
「さよならの物語」
1983/04/21 6th single
「夏色のダイアリー」
1983/06/21 3rd Album
「風のささやき」
「風のささやき」2/10(金)掲載予定
1983/07/07 7th single
「青い夏のエピローグ」*アルバム未収録
1983/10/05 8th single
「夕暮れ気分」
1983/12/07 5th Album
「雪のコンチェルト」
「雪のコンチェルト」2/11(土)掲載予定
1984年の堀ちえみ
シングルのランキングも駆け上がったように、表現力もぐんぐんと伸びている。前年秋から半年にわたって放送された『スチュワーデス物語』での主演効果だろうか、歌の主人公の感情が浮き彫りになっているのだ。特に『Strawberry Heart』収録の「モノレールのジョニー」は、「クレイジー・ラブ」で体得した狂気と恋愛が表裏一体となった感情をエスカレートさせ、女性コーラスのEVEと対峙するかのように熱唱する様子に度肝を抜かれた。同年、林哲司、Nobody、芹澤廣明など80年代にブレイクした作家陣が加わったことも、ヒット曲らしさが増した要因だ。
1984/01/21 9th single
「白いハンカチーフ」*アルバム未収録
1984/04/21 10th single
「稲妻パラダイス」
1984/06/21 6th Album
「プラムクリーク」
「プラムクリーク」2/12(日)掲載予定
1984/07/18 11th single
「東京Sugar Town」
1984/10/17 12th single
「クレイジーラブ/愛のランナー」
1984/12/05 7th Album
「Strawberry Heart」
「Strawberry Heart」2/15(水)掲載予定
1985年の堀ちえみ
ドラマや映画の多忙スケジュールからか、声質がハスキーに変化しているが、この頃には、GS歌謡風の「リ・ボ・ン」でも、テクノと音頭を融合させた「Wa・ショイ!」でも、切なさや明るさの微調整がお手のものに。表現の幅は大きく広がりつつも、全編曲を鈴木茂(Lonely Universe)と後藤次利(夢の続き)がアルバム単位でまとめているので、とても聴きやすい。特に『夢の続き』は、モータウン系の「浮気なリップス」や、マイナー調のポップス「暗くなるまで待って」など明暗のコントラストも上手く、オリコン最高29位とは思えないほどの傑作だ。
1985/01/23 13th single
「リ・ボ・ン」*アルバム未収録
1985/04/24 14th single
「Deadend Street GIRL」
1985/06/05 8th Album
「Lonely Universe」
「Lonely Universe」2/16(木)掲載予定
1985/07/03 15th single
「Wa・ショイ!/風のサザン・カリフォルニア」*アルバム未収録
1985/09/25 16th single
「青春の忘れ物」
1985/12/28 9th Album
「夢の続き」
「夢の続き」2/17(金)掲載予定
1986年 / 1987年の堀ちえみ
打ち込みサウンドが多くなり、今のJ-POPにも共通した印象を受ける。その中で、タケカワユキヒデの楽曲はハナウタ風で歌ったり、小室哲哉の楽曲は、サビでより吹っ切れたように強く歌ったり、臨機応変な歌声が心地よい。『スチュワーデス物語』で、風間杜夫扮する指導教官に、ワインを注ごうとしてとんでもないこぼし方をやらかす(笑)ドジでノロマで健気な役ばかりが再現VTRで放送されがちだが、歌手としては格段とスキルアップしており、それは少なからず何本ものドラマでの主演経験が活きているのを確信。
1986/01/21 17th single
「夢千秒」*アルバム未収録
1986/04/21 18th single
「ジャックナイフの夏」
1986/06/21 10th Album
「glory days」
「glory days」2/18(日)掲載予定
1986/07/14 19th single
「夏咲き娘」*アルバム未収録
1986/10/21 20th single
「素敵な休日」*アルバム未収録
1987/03/21 21th single
「愛を今信じていたい」
1987/03/21 11th Album
「スカーレット白書」
「スカーレット白書」2/19(日)掲載予定
80年代の堀ちえみ
2023年2月8日、堀ちえみの音楽ソフト『40周年アニバーサリーCD / DVD BOX』が発売となり、オリコン週間アルバムランキングで68位に登場、およそ36年ぶりのTOP100入りを果たした。また、2月15日には、東京・かつしかシンフォニーヒルズにて、記念公演『Chiemi Hori 40thプラス1 Anniversary Live 〜ちえみちゃん祭り 2023〜』が開催され、奇跡的な歌声を披露した。こうした一連の復活により、2月7日から20日までの2週間だけで、“堀ちえみ” 関連のツイートは約5,000件にのぼるほどの盛り上がりを見せた。……
2023年の堀ちえみ
堀ちえみの「いま」最新ライブレポート 近日掲載予定
Information
堀ちえみ Profile
第6回ホリプロタレントスカウトキャラバンで芸能界入りし、82年3月「潮風の少女」でデビュー。1983年に出演したドラマ「スチュワーデス物語」が日本中で大ヒットし、アイドルとして歌にドラマに活躍。現在では7児の母となり、テレビ出演の他、教育や食育にまつわるトー クショー、音楽活動と幅広く活動中。2017年、デビュー35周年を迎え、品川ステラボールで35周年アニバーサリーライブを開催。家庭と仕事を両立しながら多忙な日々を送る。