しかしながら、1986オメガトライブの1stアルバム『Navigator』の表題曲はとても印象に残っている。2ndアルバム『Crystal Night』収録の「Phoenix」のアレンジもまた素晴らしい。「白く霧に煙る都会(まち)滲む Signal 時を止める」という出だしの歌詞とイントロが相まって、目の前に都会の情景が鮮やかに浮かぶ。抑えめだけど、跳ねたリズムがとてもクールで、今でもとても好きな曲だ。
そして、カルロス・トシキ&オメガトライブに改名してからの1stアルバム『DOWN TOWN MYSTERY』に収録された「Emmy Angel」などもそうだ。記憶に残る曲が実に多い。だからだろうか、「船山基紀」という名前は子供の頃からずっと覚えている。
ちなみに「ABC」の発売日は87年11月11日。ちょうど一週間後には1986オメガトライブ5枚目のシングル「Stay girl Stay pure」がリリースされるが、そのカップリング曲である「Sand On The Seat」は船山さんの編曲だ。両曲とも多幸感溢れるダンサブルなアレンジ、いつ聴いてもイントロからテンションが上がってしまう。