11月11日

1987年の船山基紀 — 1986オメガトライブと少年隊

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Re:minder で書かせていただくのは二回目だが、今回は編曲家・船山基紀さんについて書こうと思う。

初回の原稿では、カルロス・トシキ&オメガトライブのアルバム『BAD GIRL』およびそのプロデューサーだった編曲家・新川博さんについて書いた。子供の頃、カルロス期のオメガトライブが大好きだった私にとって、二人は特別な存在の音楽家だ。

実のところ、船山さんはオメガトライブでは8曲しか編曲されていない――。

しかしながら、1986オメガトライブの1stアルバム『Navigator』の表題曲はとても印象に残っている。2ndアルバム『Crystal Night』収録の「Phoenix」のアレンジもまた素晴らしい。「白く霧に煙る都会(まち)滲む Signal 時を止める」という出だしの歌詞とイントロが相まって、目の前に都会の情景が鮮やかに浮かぶ。抑えめだけど、跳ねたリズムがとてもクールで、今でもとても好きな曲だ。

そして、カルロス・トシキ&オメガトライブに改名してからの1stアルバム『DOWN TOWN MYSTERY』に収録された「Emmy Angel」などもそうだ。記憶に残る曲が実に多い。だからだろうか、「船山基紀」という名前は子供の頃からずっと覚えている。

船山さんは1981年から2年間、アメリカ・ロサンゼルスに音楽活動の拠点を置き、そこで当時最新鋭のデジタルシンセサイザー・フェアライト CMI と出会い、これを日本に持ち帰った。そして、80年代後半、Wink や森川由加里などに代表されるジャパニーズ・ユーロビートムーブメントを牽引した立役者としても知られている。そんな船山さんがライブストリーミングサイト『DOMMUNE』に出演された際「時代が変わっても音楽の本質的な部分は変わらない。みんなが聴きたいと思う曲は、ワクワクしたり、キラキラしたりっていうのは戦前から何も変わっていない」と話されていたのがとても印象的だった。

平成最後の紅白歌合戦では King&Prince「シンデレラガール」や、Sexy Zone「カラクリだらけのテンダネス」が歌われたりと、船山さんが手掛けた楽曲はいつの時代も話題を集めている。

そう、私にとって船山さんと言えば、少年隊も忘れるわけにはいかない。「仮面舞踏会」や「ABC」、山下達郎のカバー曲「FUNKY FLUSHIN'」など、子供の頃からずっと大好きで聴き続けてきた曲ばかりだ。イベント企画・運営グループ「ケモノディスク」で何度かお招きしているノーナ・リーヴスの西寺郷太さんも、邦楽の中で一番好きな曲は「ABC」、最も敬愛する編曲家として船山さんの名前を挙げている。

ちなみに「ABC」の発売日は87年11月11日。ちょうど一週間後には1986オメガトライブ5枚目のシングル「Stay girl Stay pure」がリリースされるが、そのカップリング曲である「Sand On The Seat」は船山さんの編曲だ。両曲とも多幸感溢れるダンサブルなアレンジ、いつ聴いてもイントロからテンションが上がってしまう。

2017年4月から3ヶ月間、早稲田大学エクステンションセンターで西寺さんの80年代ポップスに関する講義『ポップ先生の 80’s 音楽戦国史』を受けた。5回目の講義は「1987年の少年隊」。

1987年と言えば3月に「stripe blue」、6月に「君だけに」、11月には「ABC」をリリースし、少年隊が最も華々しく活動していた時期だ。あの当時、彼らが見せる煌びやかな世界にすっかり魅せられていた私… 文化祭のステージで少年隊の歌を熱唱したのもいい思い出だ。

少年隊について、西寺さん曰く――

「楽曲・編曲・演奏・歌唱・ダンスともに日本音楽史上最高峰の領域に突入。全てがハイクオリティに揃った究極のエンターテインメントグループ」

さらに西寺さんは持論を展開、それは「アメリカ・イギリス・オーストラリアなど様々な国のミュージシャンが互いに刺激や影響を受け合い、80’s ポップスは進化していった」というものだった。

その話を聞き、80年代の邦楽と洋楽の関係について掘り下げてみたいと思い立ち、2019年1月27日(日)にトークイベント『編曲家という仕事~男性アイドルを中心に辿る船山基紀の世界~』(場所:三軒茶屋グレープフルーツムーン)を開催することにした。

音楽シーンの最前線にいた船山さんと80年代ポップスに精通している西寺さんとで、その当時の日本のポップスシーンを洋楽との関係から考察していければと思う。

2019.01.13
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