▶︎「It's My Love」(1988年) ▶︎「Loosen Love Sick」(1988年) ▶︎「My Yesterday」(1988年) ▶︎「Always I Love You」(1989年) ▶︎「冬の天使達 -Single Mix-」(1989年) ▶︎「恋のマリオネット」(1990年) ▶︎「Welcome Home Again」(1990年) ▶︎「La Pa Pa -Single Mix-」(1990年) ▶︎「five -僕がいた夏-」(1991年) *サードシングル「My Yesterday」はミュージックビデオ未制作
なお、「冬の天使達」「La Pa Pa」「Merry Little Christmas」(La Pa Pa カップリング曲)の3曲は、アルバム収録ヴァージョンとは異なるシングルミックスとなっている。
誰もが感じていた青春の焦燥をダイレクトに体現した「It's My Love」
ザ・シャムロックのデビューシングルとなった「It's My Love」は、いきなりボーカルから入るという強烈なフックとキャッチーなメロディーラインで、インパクトが絶大な名曲だ。そして、山森正之と高橋一路のツインボーカルが織りなすコーラスワークは、誰もが経験する青春の焦燥を心の奥に響かせてくれる。山森のベースラインがグルーヴを率先し、骨太なサウンドにコーラスと溶け合うという、ザ・シャムロックならではの独自性を打ち出している。
そう、1980年代初頭から東京モッズシーンで活躍していた彼らの世界観がクリアに体現された1曲といえよう。ザ・シャムロックは、この「It's My Love」から1991年にリリースされた「five -僕がいた夏-」までのSEE・SAWレーベル時代に9枚のシングルをリリースしていく。その間に、彼らはバンドマンとしての矜持を忘れず、果敢に自分たちの音楽性を深化させていく。
バンドサウンドを希求した「Always I Love You」
セカンドシングル「Loosen Love Sick」は前作以上にメロディアスで、1960年代のマージービートに大きく敬意を払いながら、時代にマッチしたパワーポップに仕上げている。サードシングル「My Yesterday」は、彼らがアマチュア時代に書いた曲だ。レコーディングでは、ホーンやパーカッションを効果的に活かし、ブルー・アイド・ソウル的な新たな側面も披露。このように、1曲1曲のバンドの深化も目を見張るものがあり、この配信がどれだけ意義深いものかが明白だ。
そして「Always I Love You」では、ギター、ベース、ドラムを基盤としたバンドサウンドをこれまで以上に希求。山森は以前のRe:minderインタビューでこんなことを語っていた。
これが、この同時期にリリースされた「Always I Love You」にも如実に現れている。この曲に続く「冬の天使達」は、切なさを募らせた普遍的なバラードだ。そして、全てを振り切るような疾走感を全面に打ち出した「恋のマリオネット」をリリースする。ここではメンバーが恋焦がれた1960年代のビートグループや1970年代末のネオ・モッズ・ムーブメントのビートを全面的に打ち出している。曲ごとのスタイルは違えど、根本的な部分が1ミリもブレていないのがザ・シャムロックの一番の魅力だ。
さらに1990年代に入りリリースした「Welcome Home Again」はイギリスのネオアコバンド、アズテック・カメラからインスパイア。高橋のギターはラテン系のフレーバーを醸し出している。この時のグルーヴを「La Pa Pa -Single Mix-」で継承。そして、SEE・SAWレーベル時代のラストシングルとなる「five -僕がいた夏-」では、ソフィスティケートされた側面を打ち出しながらも、そこに内包されたバンド魂、モッズ魂が、全く失われていないことが、熱量溢れるボーカルから感じ取れる。