2022年 5月17日

ももいろクローバーZのライブで季節を実感!ドラマチックで圧倒的なその魅力とは?

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ももいろクローバーZ、活動の軸はライブ!


ももいろクローバーZ(以下ももクロ)の活動はバラエティ豊かで、バラエティ、ドラマなどさまざまなテレビ番組出演、CM、タイアップ、イベント、キャンペーン、番組配信、さらには映画など、さまざまな形で彼女たちに会うことができる。しかし、メンバーもことあるごとに語っているように、その軸にあるのはライブだ。

ももクロのライブはけっしてワンパターンではない。楽しさあふれる定番のショーから、かなり尖った実験的ステージまで、さまざまなスタイルのライブを組み合わせ、ドラマチックな展開の中にクオリティの高いパフォーマンス空間をつくり出している。

けれど、そうした演出面もさることながら、ももクロライブのなによりの魅力は、ライブでの彼女達の歌に、CDなどの音源とは別のインパクトが感じられることだ。ももクロは、ライブで曲を成長させていくアーティストなのだ。

だから、“モノノフ(ももクロの熱心なファンのこと)” の間では「干して良い(行かなくても後悔しない)ももクロのライブは無い」「常に最新のライブが最高だ」という暗黙の了解になっている。

筋金入りのモノノフとしても知られるドランクドラゴンの塚地武雅が、「僕はももクロのライブで季節を感じるんです」と言っていたのを聴いたことがある。それはけっして大袈裟ではなく、ももクロのファンには共感する人が多いだろうと思う。

というのも、ももクロは、春、夏、冬に設定されている大型ライブを軸にして、その周囲にさまざまなタイプのライブが配置されていくというスタイルを、もう何年も続けている。だからモノノフは大型コンサートの時期がくることで季節を実感することになるのだ。

こうしたライブスケジュールの設定は、季節ごとに開催される大きな大会にツアーを絡めてストーリーをつないでいくプロレス興業の手法を参考にしたというが、このやり方こそが、きわめて多彩なスタイルのライブを行いながらも、そこに一本の筋を通していく “ももクロらしさ” を生みだしているのだろうと思う。

“ももクリ”から始まる季節に特化されたももクロのライブ




ももクロの、季節に特化されたライブが誕生したのは、2010年のももいろクローバー時代だ。この年「行くぜっ! 怪盗少女」でメジャーデビューした彼女達の初のホールコンサートが『ももいろクリスマス in 日本青年館〜脱皮:DAPPI〜』だった。そしてこれ以降、『ももいろクリスマス』(通称“ももクリ”)と題されたクリスマスコンサートが、コロナ禍で中止になった2020年以外、毎年開催され、冬の恒例ライブとなった。

そして翌2011年、脱退するメンバー早見あかりのラストライブ『4.10中野サンプラザ大会 ももクロ春の一大事〜眩しさの中に君がいた〜』が開催された。終演直後に突然、“ももいろクローバー”から“ももいろクローバーZ”へと改名が発表されたことでも話題となったこのライブを手始めに“春の一大事”も春の恒例ライブとなっていく。

この年の夏、東京。よみうりランドで、彼女達にとって初の野外ライブ『サマーダイブ2011 極楽門からこんにちは』が開催される。そして、圧倒的な盛り上がりを見せたこのライブ以降、夏の大型野外ライブも定番となり、この時に初めて行われた、メンバーによる客席への放水も夏ライブの定番となった。

成長を見届ける一年の総決算ライブ


2回目の“ももクリ”は、さいたまスーパーアリーナで『ももいろクリスマス2011 さいたまスーパーアリーナ大会』として開催された。冒頭に総合格闘技団体PRIDEのテーマ曲が流れ、やはりPRIDEと同じレニー・ハート、ケイ・グラントによる熱いナレーションが響いたり、ももクロ初のクリスマスソング「サンタさん」の曲間に高城れにが本格的マジックを披露する、などの“ももクリ”のお約束もこの時に生まれたものだ。

そして、このステージによって、クリスマスパーティのようなショーアップされたライブという“ももクリ”のカラーが定着していく。

2013年には『White Hot Blizzard ももいろクリスマス2013 美しき極寒の世界』が西武ドームで真冬の半野外ライブとして開催された他、2015年にはスキー場(軽井沢スノーパーク)での雪中の野外コンサート『ももいろクリスマス2015 〜Beautiful Survivors〜』が、2016年には『ももいろクリスマス2016 〜真冬のサンサンサマータイム〜』で幕張メッセが会場になるという例外もあったが、それ以外は毎年さいたまスーパーアリーナがホームグラウンドとなっている(2020年はコロナ禍のため開催されなかった)。

楽しいライブとしてスタートした “ももクリ” だが、次第にももクロの成長を見届ける一年の総決算ライブというニュアンスが強くなっていった。

たとえば、ミュージカル風演出の『ももいろクリスマス2017 〜完全無欠のElectric Wonderland〜』、24名のストリングスを含む35名の生演奏で“聴かせるライブ”となった『ももいろクリスマス2018 DIAMOND PHILHARMONY -The Real Deal-』、昭和エンターテイメントと融合した新しいショーをつくりあげた『ももいろクリスマス2019 〜冬空のミラーボール〜』など、音楽ショーとしての洗練された演出と、それを華麗に表現していく彼女達のパフォーマンスを鑑賞するライブショーという色合いを強めているという気がするのだ。

地域活性化活動と重ねて生まれ変わった“春の一大事”




一方 “春の一大事”は、ももクロが新たなステップに踏み出すために乗り越えなければならない “ハードル” という色合いが強くなっていく。

ワイルドワンズ、デュークエイセスなど昭和のスターを迎えたバラエティショーと、客席に囲まれた円形ステージで自分たちだけのパフォーマンスという、ある意味正反対のライブを連続して行った『ももクロ春の一大事2012 〜横浜アリーナ まさかの2DAYS〜』、初のドーム会場での2日間ライブであり、DMB(ダウンタウン・ももクロ・バンド)による初の生演ライブでもあった『ももクロ春の一大事2013 西武ドーム大会 〜星を継ぐもも Peach for the Stars〜』、そして女性アーティストとして初の国立競技場ライブとなった『ももクロ春の一大事2014 国立競技場大会 〜NEVER ENDING ADVENTURE 夢の向こうへ〜』など、“春の一大事”は、まさにももクロにとって成長のステップを問うライブだった。

“春の一大事”は、2014年の国立競技場ライブ以降開催されなくなった。しかし、2017年にまったく違う形で復活した。それが『ももクロ春の一大事2017 in 富士見市 〜笑顔のチカラ つなげるオモイ〜』だった。

市制45周年を迎えた埼玉県富士見市からの地域活性事業として開催されたこのライブは、市内の運動公園に特設ステージを設営し、2日間で約4万5000人余りを動員するだけでなく、事前にメンバーが複数回富士見市を訪れて市民との交流するなど、本格的な地域活性化活動として展開された。

目標は、笑顔の天下を取ること!


新しい “春の一大事” はモモクロにとっても大きな意味をもつ活動だった。2014年の国立競技場ライブのエンディングに百田夏菜子は、自分たちの目標は「笑顔の天下を取ること」だと宣言した。ライブ会場の大きさや売り上げの多さだけを追い求めるのではなく、一人でも多くの人に“笑顔を届ける”ことを最大の目標に活動していく。新しい“春の一大事”は、この宣言の実践でもあった。

富士見市の “春の一大事” 会場では、翌年の “春の一大事” を開催したい自治体を募集することが発表された。そして実際に応募した自治体の中から、2018年に滋賀県東近江市、2019年に富山県黒部市、さらにコロナ禍で2年の延期を経て、2022年には福島県のJヴィレッジで、楢葉・広野・浪江三町合同公演が開催された。

“春の一大事”の開催地募集に当たってももクロサイドが自治体に求めたのは、ライブ会場となる場所の無償提供と住民の理解、および当日の安全な開催への協力だった。ももクロの出演料や経費は要求せず、イベントに係る肖像権も開放するなど、大型ライブ経験の無い自治体でも手を上げやすい条件を提示していた。その背景にも、自治体を単にビジネスの相手と見るのではなく、お互いに協力し合うことで、地域もライブに参加するファンも “笑顔になる” 催しにしたいという想いがあった。

実際、“春の一大事”は、ももクロのライブと同時に知らない土地を旅する楽しみを味わえるイベントとして定着していった。また “春の一大事” を主催した自治体も、それぞれ数億円の経済効果を上げただけでなく、その後もももクロやファンとの交流が続いていった。さらに “春の一大事” を主催した自治体間でさまざまな協力体制が生まれたりと、まさに“笑顔のチカラ つなげるオモイ”というサブタイトルが現実となる効果を上げているなど、かつてはももクロにとっての一大事だった “春の一大事” が、ももクロが訪れることで一大事が起きるライブイベントへと成長しているのだ。

お祭りをイメージした“夏のバカ騒ぎ”は“桃神祭(とうじんさい)”に




夏のライブは、“頭のネジを外して楽しむバカ騒ぎ”というお祭り的イメージの野外イベントとなっていく。

2012年には、ももクロの初のドーム会場ライブ『ももクロ夏のバカ騒ぎ SUMMER DIVE 2012 西武ドーム大会』が行われ、前年の『サマーダイブ2011 極楽門からこんにちは』の盛り上がりをさらにスケールアップさせる楽しさあふれるステージを展開。初の日産スタジアムライブとなった翌2013年の『ももクロ夏のバカ騒ぎ WORLD SUMMER DIVE 2013.8.4 日産スタジアム大会』では芝生の養生のためにグラウンドが使えないことを逆手にとり、ライブ中に北澤豪らとメンバーがサッカーの試合や、トラックで武井荘と百田夏菜子の100メートル競走があったりと、まさに “バカ騒ぎ” が繰り広げられた。

しかし、2014年からは “夏のバカ騒ぎ” は“桃神祭(とうじんさい)”として全国のお祭りとのコラボレーションを内包したイベントとなり、2017年からは、2020年に予定されていた東京オリンピックを “勝手の応援する” イベントとして、ライブの最中に実際にハーフマラソンが行われたり、さまざまなオリンピック種目のデモンストレーションが組み込まれたりと、単なる音楽コンサートには収まらない複合イベントとなっていった。コロナ禍の2020年は無観客の配信ライブとなり、2021年は中止となったが、2022年には “夏のバカ騒ぎ” として7月30・31日にベルーナ・ドームで開催される。果たして、次の“バカ騒ぎ”がどうなるのか、ファンの期待も膨らんでいる。

季節行事だけではない! ももクロのライブは多種多彩


“春の一大事”“夏のバカ騒ぎ”“ももいろクリスマス”の他にも、モモクロにはさまざまなスタイルのライブがあり、それぞれが大きな魅力をもっているのだが、スペースの関係もあり、残念ながら詳しく解説する余裕はない。代表的なものだけ簡単に紹介しておこう。

■ アルバムライブ
セカンドアルバム『5TH DIMENTION』以降、アルバムのリリースと連動して行われるライブで、本編ではアルバム収録曲がMC無しで曲順通りに演奏される。その後アンコールという形で、MCありのステージが行われるツアーとなることも多いが、実際のアルバムリリース前からスタートするために曲を知らずにライブに臨むこともある。実際に、2022年5月17日発売の6thアルバム『祝典』をテーマにしたアルバムツアー『祝典』(2022年5月1日~6月25日)も、前半はアルバムリリース前に行われている。

■ バレンタインイベント(通称:バレイベ)
2012年4月からスタートしたラジオ番組『ももいろクローバーZ ももクロくらぶxoxo』(ニッポン放送)の公開録音イベントとして2013年にスタート以来、毎年2月に開催される人気イベントだ。

名目は公開録音ではあるが、実態は、歌、寸劇、トーク、ゲームなど盛りだくさんの有料イベントで、実際にラジオでオンエアされるのはほんの一部だけ。2018年の“バレイベ”では本番中に突然、映画『最高の人生の見つけ方』の撮影が行われ、吉永小百合、天海祐希らがステージに登場した。しかし“この件は解禁日まで内緒にして”というメンバーの呼びかけに応え、SNSでも情報漏れがなく、映画関係者を驚かせた。

■ 限定ライブ
客層を絞った限定ライブが多いこともももクロの特徴だ。男性しか入れない「男祭り」と女性しか入れない「女祭り」は2011年以降、不定期ながら交互に開催されている。また、2012年以降、子どもと保護者しか入れない「子供祭り」も開催されている。

この他にも、親子連れを対象とした「親子祭り」、40歳以上しか入れない「over.40祭り」、逆に学生しか入れない「学生祭り」など、単発ながら特化した観客層に向けたライブも積極的に行なわれた。

さらに、コロナ禍によって他の都道府県への移動が制限されていた2021年には、その対応として近隣住民限定ライブ「origin」もスタート。これからも続けられるという。

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2022.05.20
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カタリベ
1948年生まれ
前田祥丈
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