野田幹子、シングル6タイトルのミュージックビデオが公開 野田幹子は、1986年に第3回『ヤマハボーカルオーディション』でグランプリに輝き、1987年3月、シングル「太陽・神様・少年」でCBS・ソニー(現:ソニーミュージック)からデビュー。まだ “ガールポップ” という明確なカテゴリーがない時代から、新たなジャンルを開拓してきたアーティストとしても知られている。アイドル並みのルックスを持ち、時に作詞作曲も手がける彼女の歌声は “ベルベットボイス”と称され、これまでにシングル12枚、アルバム16枚をリリース。今年(2025年)の11月2日には、20年ぶりとなるオリジナルアルバム『Mikkonos-ミコノス』をリリースしている。
そして今回、1980年代後半から1990年代に発表した、シングルのミュージックビデオ が一挙公開されるという嬉しいニュースが届いた。公開された楽曲は以下の6タイトル。
▶ 太陽・神様・少年(1987年)
▶ ほほにかかる涙-Fairy-(1988年)
▶ 揺れる -I Miss You-」1989年)
▶ Singin' In The Snow(1989年)
▶ Serious(1995年)
▶ Hope(1996年)
野田幹子の映像作品はこれまでリリースされていないので、今回公開されたミュージックビデオはとても貴重なものとなる。この貴重映像をこの機会に是非じっくりとご堪能いただきたい。
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シティポップのブームで人気が高まったアルバム「Rose C'est La Vie」 野田幹子がデビューから在籍した、CBS・ソニーからは、8枚のオリジナルアルバムをリリースしているが、デビュー曲「太陽・神様・少年」では、作曲を鈴木慶一が手がけ、その後も「ほほにかかる涙」(岡田徹)、「哀しみのダンス」(かしぶち哲郎)、「8月の砂時計」(杉真理)、「Travelin' Heart」(鈴木智文)、「With You!」(尾崎亜美)といった豪華作家陣が提供している。
ソニー時代の楽曲はすでにデジタル配信されているが、特に1991年のアルバム『Rose C'est La Vie』に収録の「淡い季節のサングラス」「花を買う」、1992年のアルバム『CUTE』に収録された「駆けてみよう」などは、近年のシティポップのブームで人気が高まった楽曲だ。まったく古さを感じさせない上質のポップスなので、こちらも是非チェックしてみていただきたい。
1996年にリリースされたアルバム「New Look」が初配信 そして、今回公開された6曲のミュージックビデオの公開と共に、嬉しいニュースが飛び込んできた。それは、1996年にBMGからリリースされたアルバム『New Look』の初配信というニュースだ。アルバム『New Look』は1996年4月24日に発売された通算9枚目のオリジナルアルバムで、サウンドプロデュースは、1980年代ニューウェーブの先駆者的バンド “ポータブル・ロック” でギターをつとめた鈴木智文。作詞は全曲、野田幹子が手がけている。前作の『Cute』から約3年半ぶりとなった本作は、4月の発売だったこともあり初夏の風が似合う爽やかなサウンド作りがされている。
1曲目のインストナンバー「New Look」は、野田幹子自身のフランス語のセリフから始まる。現在もワインソムリエとして、そしてワインバー『Canon』のオーナーとしても活躍中の彼女には、やはりフランスの雰囲気がとても似合っている。当時ちょうど30代に突入した彼女だったが、2曲目の「30's」は20代から30代に差し掛かる微妙な女性心理をリアルな言葉で綴ったポップス。歌詞に出てくる「♪彼にさえ飲ませなかったワイン」を女友だちとのパジャマパーティーで開けてしまうという、いかにもガールポップ的な内容の楽しいナンバーだ。
渋谷系のエッセンスがあふれたオシャレな雰囲気 1996年はJ-POPの全盛期であり、同時に渋谷系の全盛期でもあったため、アルバムのサウンドが全体的に、渋谷系のエッセンスがあふれたオシャレな雰囲気が漂っている。A&M風アレンジの「雨の日が好きになる」、ボッサ風の打ち込みによる「ストライプの夏・チェックの冬」、ラテンフレーバーな「あなたの靴がない」、軽快なアレンジの「Refresh Love」、ガットギター1本で歌われる「Morning Glory」など、バラエティに富んだサウンドが並び、鈴木智文のアレンジにより統一感のあるアルバムになっている。
シングルとして発売された「Serious」「Hope」といった曲はキャッチーなメロディーが特徴だが、今回ミュージックビデオも公開されているので是非映像を見ながら聴いていただきたい。
VIDEO VIDEO そして、特筆したいのが、上田知華と柿原朱美が楽曲提供をしている点だ。この2人は1980年代後半から1990年代半ばにかけて主に今井美樹のコンポーザーとして活躍していたが、ガールポップのシーンにおいても非常に重要な存在であった。アルバムの6曲目「ソ・ワ・レ」は上田知華、ラストを飾る「生まれたての朝」は柿原朱美による楽曲だ。
近年のシティポップ・ブームは1980年代だけではなく、1990年代の楽曲の再評価にも及んでいる。今回紹介させていただいたアルバム『New Look』は、アルバムの制作費が潤沢にあった1990年代のゴージャスな雰囲気が漂う名盤だ。今回、デジタル配信で気軽に聴けるようになったので、この機会にお楽しみいただきたい。
2025.12.02