11月30日

小林明子は「恋におちて」だけじゃない!ファンハウス時代の極上ポップスが配信スタート

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小林明子のアルバム「FALL IN LOVE」発売日
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ミリオンヒットになった「恋におちて -Fall in love-」


1980年代前半の女性シンガーソングライター事情を振り返ると、1970年代から活躍していた松任谷由実、中島みゆき、竹内まりや、杏里などがチャートの上位を席巻していた。個人的に好んで聴いていた、佐々木好、稲葉喜美子、野本直美あたりのフォークソングはいつしか時代の波に飲み込まれてしまい、1980年代中盤あたりからは音楽シーンは大きく変わっていった。

特に1985年あたりは、おニャン子クラブの出現や、アイドル四天王(浅香唯、工藤静香、中山美穂、南野陽子)などがデビューした年でもあり、自作自演の女性アーティストにとっては若干居心地の悪い時代だったかもしれない。そんな時にまさに彗星のごとく現れたのが、正統派シンガーソングライター・小林明子だった。

小林明子は、学習院大学哲学科を卒業した才女で、卒業後は曲作りにいそしみ、1984年にブレッド&バターの「Moon Eyes」で作家デビュー。そんな時に担当ディレクターから楽曲の依頼を受けるが、その時のデモテープの声の評価が非常に高く、自身のボーカルでデビューすることになる。それが、のちにミリオンヒットになる「恋におちて -Fall in love-」だ。この曲はドラマ『金曜日の妻たちへⅢ・恋におちて』の主題歌に起用され、ドラマと共に大ヒット。“金妻ブーム” や “不倫ブーム” といった社会現象を巻き起こした。

小林明子デビュー40周年、ついにサブスク解禁


1985年8月31日に発売されたこの曲は、瞬く間に首位を獲得する大ヒットになり、1985年の年間チャート3位、1986年の年間チャート6位と、2年間に渡りロングセラーを記録している。これまでに多くのアーティストにカバーされてきたが、2007年には徳永英明がシングルで発売しており、同年の『第58回NHK紅白歌合戦』でも歌唱されている。

そんな小林明子のデビュー40周年を記念して、ファンハウスからリリースされたアルバムがついにサブスク解禁になった。オリジナルアルバム『FALL IN LOVE』(1985年)、『心のままに』(1986年)、『Naturally』(1987年)、『BON VOYAGE』(1989年)、『LA SIESTA』(1990年)の5作品。さらにバラードベストアルバム『True Love~Love Ballad Selection~』、ライブアルバム『IN CONCERT -A changing-』の一挙配信である。

小林明子は「恋におちて -Fall in love-」しか知らないという方が多いかもしれないが、この機会に彼女が素晴らしいソングライターでありボーカリストであることを改めて知っていただきたい。



アルバム「FALL IN LOVE」も大ヒット


シングルデビューの3か月後には早くもファーストアルバム『FALL IN LOVE』がリリース。このアルバムはLPだけで30万枚以上を売り上げた大ヒットアルバムなので、ご存じの方も多いのでは。アメリカンポップスをベースにした上質のメロディーが特徴の本作はまったく捨て曲のないアルバム。特に、収録曲「Misunderstandings」はまるでカーペンターズの生き写しのような美しいバラードだ。

小林明子の声がどこかカレン・カーペンターに似ていることから、1988年にはリチャード・カーペンターのプロデュースによるアルバム『City of Angels』がリリースされている(今回残念ながらサブスクは未解禁)。当時、リチャードと2人で音楽番組『夜のヒットスタジオ』に出演していた。

そんなカーペンターズに代表されるような、アメリカンポップスのイメージが強い彼女だが、実はイエスのようなプログレッシブ・ロックを愛している一面も持ち合わせている。1986年にリリースされた『心のままに』に収録されている「天使の剣」「Thief in the Night」はそんなプログレ好きの影響を大きく感じることのできる2曲だ。

また、1986年12月にはシングル「心みだれて〜Say it with flowers〜」をリリース。この曲はTBS系ドラマ『金曜日には花を買って』の主題歌として起用されているムーディなボサノバサウンドの1曲。当時のオリジナルアルバムには未収録であったが、今回バラードベストアルバム『True Love』の中で聴くことができる。



年代や国境を超えて発見される素晴らしい音楽


ファンハウスからはその後も、岡村孝子、永井真理子、麗美、辛島美登里、遠藤京子らが多くのアルバムをヒットさせているが、そのきっかけになったのは、やはり「恋におちて -Fall in love-」のヒットだと言っても過言ではないだろう。そんな小林明子は、6枚目のオリジナルアルバム『LA SIESTA』を最後に、ファンハウスを離れているが、1992年にはイギリスに移住し “holi” 名義でアルバムをリリースしている。

レコードやCDは所有していても、サブスクが解禁になるとどこかワクワクするような気持ちになるのはなぜだろう。もちろん、どんなシチュエーションにあっても聴きたいときに楽しめるという側面もあるが、年代や国境を超えて素晴らしい音楽が誰かに発見されたらいいな、という気持ちがどこかにあるからかもしれない。今回の小林明子のサブスク解禁でも「恋におちて -Fall in love-」以外のお気に入りの1曲を発見していただけたら嬉しい。



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2025.09.16
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カタリベ
1967年生まれ
長井英治
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