そんな小林明子のデビュー40周年を記念して、ファンハウスからリリースされたアルバムがついにサブスク解禁になった。オリジナルアルバム『FALL IN LOVE』(1985年)、『心のままに』(1986年)、『Naturally』(1987年)、『BON VOYAGE』(1989年)、『LA SIESTA』(1990年)の5作品。さらにバラードベストアルバム『True Love~Love Ballad Selection~』、ライブアルバム『IN CONCERT -A changing-』の一挙配信である。
小林明子は「恋におちて -Fall in love-」しか知らないという方が多いかもしれないが、この機会に彼女が素晴らしいソングライターでありボーカリストであることを改めて知っていただきたい。
アルバム「FALL IN LOVE」も大ヒット
シングルデビューの3か月後には早くもファーストアルバム『FALL IN LOVE』がリリース。このアルバムはLPだけで30万枚以上を売り上げた大ヒットアルバムなので、ご存じの方も多いのでは。アメリカンポップスをベースにした上質のメロディーが特徴の本作はまったく捨て曲のないアルバム。特に、収録曲「Misunderstandings」はまるでカーペンターズの生き写しのような美しいバラードだ。
小林明子の声がどこかカレン・カーペンターに似ていることから、1988年にはリチャード・カーペンターのプロデュースによるアルバム『City of Angels』がリリースされている(今回残念ながらサブスクは未解禁)。当時、リチャードと2人で音楽番組『夜のヒットスタジオ』に出演していた。
そんなカーペンターズに代表されるような、アメリカンポップスのイメージが強い彼女だが、実はイエスのようなプログレッシブ・ロックを愛している一面も持ち合わせている。1986年にリリースされた『心のままに』に収録されている「天使の剣」「Thief in the Night」はそんなプログレ好きの影響を大きく感じることのできる2曲だ。
また、1986年12月にはシングル「心みだれて〜Say it with flowers〜」をリリース。この曲はTBS系ドラマ『金曜日には花を買って』の主題歌として起用されているムーディなボサノバサウンドの1曲。当時のオリジナルアルバムには未収録であったが、今回バラードベストアルバム『True Love』の中で聴くことができる。
年代や国境を超えて発見される素晴らしい音楽
ファンハウスからはその後も、岡村孝子、永井真理子、麗美、辛島美登里、遠藤京子らが多くのアルバムをヒットさせているが、そのきっかけになったのは、やはり「恋におちて -Fall in love-」のヒットだと言っても過言ではないだろう。そんな小林明子は、6枚目のオリジナルアルバム『LA SIESTA』を最後に、ファンハウスを離れているが、1992年にはイギリスに移住し “holi” 名義でアルバムをリリースしている。
レコードやCDは所有していても、サブスクが解禁になるとどこかワクワクするような気持ちになるのはなぜだろう。もちろん、どんなシチュエーションにあっても聴きたいときに楽しめるという側面もあるが、年代や国境を超えて素晴らしい音楽が誰かに発見されたらいいな、という気持ちがどこかにあるからかもしれない。今回の小林明子のサブスク解禁でも「恋におちて -Fall in love-」以外のお気に入りの1曲を発見していただけたら嬉しい。