私が彼女に興味を持ったのは、1997年に発売された9枚目のシングル「problem」。そこから後追いする形で、それ以前のシングルも聴いていったのだが、デビューが意外に早く1994年! 小室哲哉プロデュースで、安室奈美恵よりも1年早くデビューしていたことに驚いたものだ。この「GO TO THE TOP」は4枚目のシングルだが、私のなかの “青空が似合う” というhitomiのイメージは、この曲以降だ。
hitomiの名を世に知らしめたのは、「GO TO THE TOP」の前作「CANDY GIRL」。 オリコンランキングは最高15位。ベストテンには入っていないが、セカンドシングル「WE ARE "LONELY GIRL"」の最高61位から驚異的にアップし、売上枚数は39.2万枚。これはhitomiの全シングルの中で最高である。
「CANDY GIRL」には、「♪私の元気にかなうやつなんていないわ」など、強気でポジティブな言葉が、10代の彼女らしい、いわゆる “等身大" の表現でポンポンと出てくる。MVも、ミニスカートを履き、四角の箱の中で様々なポーズを取る彼女は最高にスタイリッシュで挑発的だ。それに比べて「GO TO THE TOP」の世界観は、オシャレさはグッと激減する。そのせいか、売上枚数18.1万枚と半分程度落ちてしまった。
自問自答にまみれているhitomiが書いた歌詞
この「GO TO THE TOP」がリリースされた1995年は、安室奈美恵が「Body Feels EXIT」「Chase the Chance」、華原朋美「I BELEVE」がリリースされていた頃。小室哲哉が曲だけでなく作詞も手掛けたこれらの楽曲には、歌の主人公(少女たち)にとって大切な “あなた” もしくは夢やエネルギーという、信じるべき決定的なものが描かれている。
“コギャル" という言葉が流行り始め、少女たちがすさまじい勢いで生き急いでいた1995年。そのなかで消費されないよう、自分だけの “一番先” へ向かって進む。そんな「GO TO THE TOP」の聴き心地は、自由で、とってもひとりぽっちで伸びやかだ。この曲が、青空にとっても似合うのは、きっとそのせいだろう。