2026年 3月13日

もはやBABYMETALだけじゃない!国境を軽やかに越えるガールズメタル百花繚乱の時代

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世界のメタルシーンのメインストリームを侵食している女性アーティストたち


1980年代、LOUDNESSやBOW WOWが海を渡ってから40年余り。かつてはジャパニーズメタルの海外進出は、選ばれし猛者だけに許されたハードルの高い挑戦だった。しかし2026年現在、状況は劇的に変化している。インターネットによる情報のフラット化、SNSやサブスクの浸透により国境の壁は薄くなった。特に目覚ましいのが女性アーティストの躍進だ。

圧倒的なミュージシャンシップに日本特有のカルチャーを融合させた彼女たちのサウンドは、今や物珍しさではなく純粋なクオリティで、世界のメタルシーンのメインストリームを侵食している。2010年代前半、黎明期のガールズメタル界隈に身を置いていた筆者からすれば、現在の活況は隔世の感がある。先駆者であるBABYMETALを筆頭に、世界を揺らす精鋭たちの現在地をみていきたい。

BABYMETAL:ジャンルの定義を塗り替え続ける絶対的先駆者


メタルとアイドルの融合というコンセプトを、完成された様式へと昇華させたBABYMETAL。彼女たちが切り拓いた道こそが、世界に進出する日本人アーティストの潮流を生んだ。2014年、イギリスで行われた世界最大のメタルフェス『ソニスフィア・フェスティバル』での熱狂を大きな起点とした海外快進撃は、もはや伝説だ。

その後、活動休止やメンバー交代の局面を乗り越え、2025年にはロンドン・O2アリーナでの日本人グループ初となる単独公演を成功させ、同年の『METAL FORTH』がビルボードのアルバムチャートでTOP10入りを果たした事実は、彼女たちが名実ともに世界のトップスターであることを証明した。世界のBABYMETALが放つ次なる一手に、国内外のメタルファンが固唾を呑んで注視している。



BAND-MAID:ギャップを超越した実力派ハードロックの真髄


メイド服なのに本格ハードロック。強烈なギャップ萌えで世界を射抜いたBAND-MAID。小鳩ミク(G / Vo)のコンセプトを入口にしつつ、その本質は現代的にアップデートされた緻密なアンサンブルをかき鳴らす実力派集団だ。彼女たちの海外への足跡は目覚ましい。結成3年目の2016年、アメリカでの初ライブ(お給仕)を皮切りに、欧米、北欧、南米、アジアと全方位に範囲を広げ、日本のポップカルチャーを伝播する役割も担った。

2019年にはライブネーションと契約し、ワールドツアーの規模を拡大。2023年にはアメリカの超大型フェス『ロラパルーザ』に、X JAPAN以来の日本人バンドとして出演。ハリウッド映画への出演や楽曲提供など、音楽以外のメディアでも存在感を放っている。2026年も海外でのライブが目白押しだ。2027年からの活動休止を発表している彼女たちではあるが、ワールドツアーの最終公演は11月に行われる悲願の日本武道館2days。現代ガールズロックシーンの頂点に君臨する彼女たちにとって、歴史的瞬間となるはずだ。



花冷え。:SNSの熱狂が育んだ原宿コアの衝撃


カラフルなファッションと、極悪メタルコア〜ラウドロックの融合を、原宿コアと定義した “花冷え。” の勢いが止まらない。強烈なスクリームとクリーンボイスの対比、強靭なリズムのグルーヴ感。異なる音楽的嗜好を持つメンバー4人が生む、個性に溢れたミクスチャーサウンドは、SNSを巧みに活用したプロモーションで世界中にバイラルを起こしている。

彼女たちの躍進はデジタルとリアルの融合にある。SNS経由で火がついた人気は、2023年のメジャーデビュー直後の欧米長期ツアーで確固たる支持へと変わった。その後『ロラパルーザ』や『ヴァッケン・オープン・エア』といった主要フェスを短期間で総なめにし、現地のオーディエンスを巨大なモッシュピットへと変貌させてきた実績は特筆すべき。2026年も3月には全米ツアー、7月にブラジル公演とグローバルなスケジュールが続く。国境を軽やかに溶かしていく彼女たちの姿は、現代のガールズバンドならではの自由さと逞しさを象徴する。そう、日本発のガールズラウドロックアイコンは世界中に衝撃を与え続けるのだ。



LOVEBITES:伝統の血脈を継承する白き鋼鉄の女王


ツインリードギターが疾走する正統派ヘヴィメタルの精神を継承するLOVEBITES。英詞や徹底したビジュアルコンセプト、一切の妥協を許さない演奏力で、年季の入ったメタルファンをも納得させてきた。2017年のイギリス初公演に始まった海外戦略は、メタル大国を正面から突破するスタイル。2018年には世界最大級のメタルフェス『ヴァッケン・オープン・エア』に出演を果たし、その後も複数回に渡るヨーロッパツアーや有名フェス出演を成功させた。

コロナ禍とメンバーチェンジによる活動休止明けも勢いは衰えず、欧米、南米やアジアを含むワールドツアーを完遂。フランス『ヘルフェスト』など、百戦錬磨のメタラーが集う聖地でジャパニーズメタルの実力を見せつけた。2026年2月リリースの新作では、海外レーベルとの契約も発表されたばかり。3月には念願の武道館公演を経て、再び世界のステージへと進撃を開始するだろう。



HAGANE:YouTubeの申し子が生んだハーモニックメタルの奇跡


美しく、鋭く、速いを体現するハーモニックメタルを掲げるHAGANE。キュートな外見から想像できない超絶技巧と、日本人の琴線に触れる劇的なメロディ、楽しさに溢れたライブを武器に、正統派メタルの筆頭として急上昇中だ。

卓越したスキルが世界的に注目されていたリーダーのSakura(G)は、コロナ禍でのバンド活動停滞や、盟友Sayaka(B)を除くメンバーの脱退という苦境を経験してきた。そんな中、驚異的なYouTubeで再生回数を誇り、パワフルなドラミングで海外からも絶賛されていたJUNNA(Dr)が加入。さらに、圧倒的な声量と天性の表現力を併せ持つ逸材、凪希(Vo)が揃い、バンドは奇跡的に最強の4人体制へと進化した。

2024年にリリースされた「天下五剣」でブレイク。アルバムリリースに伴う全国ツアーのソールドアウト続出は、その爆発力の証明だ。そして、2026年4月のデンマーク、7月のスペインでのフェス出演を皮切りに海外進出を開始。世界は蒼き剣の鋭さを知ることになる。



KOIAI:天才少女たちの共鳴が創り出す、スタイリッシュな音世界


スタイリッシュなイメージと音像で異彩を放つKOIAI。ポール・ギルバートの愛弟子・Li-sa-X(G)と、“NEMOPHILA” でも活躍する葉月(G)らによるプロジェクトで始動したが、佐藤奏(Dr)の正式加入がバンドを完全体へと変えた。Li-saと奏は、幼少期から天才少女として世界中から注目された稀代のプレイヤー。そんな2人が大人になり、同じバンドで活動を共にする理想的な合流は、成長を見守ってきたファンにとっても胸熱な展開となった。

複雑なリズムや難解なフレーズを涼しげにこなす楽器陣のアンサンブルは、テクニカルでプログレッシヴなメタルと、キャッチーな要素を高度に融合したもの。メンバー個々の海外実績は豊富だが、KOIAIとしても2023年にインドのフェスに出演、2025年にはヨーロッパツアーも経験済み。帰国後には抜群の歌唱力が光る19歳の桜田ミレイ(Vo)が加入し、さらなる飛躍の体制が整った。2026年の韓国公演を皮切りに、真の実力派という最も強固なパスポートを手に、本格的な世界進出へと踏み出す。



1980年代の先駆者たちが夢見た光景は、2026年の今日、かつてない多様性を持って結実した。つい先日も、アイドルとメタルのハイブリッドを掲げる “Broken By The Scream” が、アメリカの名門メタルレーベル・メタルブレイドと契約したニュースが世界を駆け巡った。日本発の看板は、今や好奇心を満たすだけのものではない。彼女たちが鳴らす鋼鉄のサウンドは、本物だけが生き残る世界のロックシーンで、欠かせない共通言語となった。2026年、ジャパニーズメタルは未踏の高みへと突き進み、真の黄金時代を築き上げようとしている。

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2026.02.27
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カタリベ
1968年生まれ
中塚一晶
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