2007年 7月18日

【Y2Kリバイバル】ORANGE RANGE「イケナイ太陽」令和でバズった決定的理由とは?

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【Y2Kリバイバル】イケナイ太陽 / ORANGE RANGE

Y2Kリバイバルの中で強烈なインパクトを与えた「イケナイ太陽」


現在、音楽シーンで話題を呼んでいるY2Kリバイバルの中でも、2025年に強烈なインパクトを与えたのが、ORANGE RANGEが2007年にリリースした「イケナイ太陽」のリバイバルヒットだろう。同曲は2007年7月18日にリリースされ、フジテレビ系ドラマ『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』の主題歌となり、番組の高視聴率とも相まって大ヒットを記録した。

人気再燃のきっかけは、2025年に彼らが古巣のソニー・ミュージックレコーズに復帰を果たしたことだった。同年5月21日に久しぶりのシングル「マジで世界変えちゃう5秒前」をリリース。7月16日には「裸足のチェッコリー」の配信をスタート。さらに10月22日にも「トワノヒカリ」をシングルリリースするなど勢力的な活動が開始された。

平成パロディが仕込まれたリメイク版の「イケナイ太陽(令和ver)」も公開


この間の7月2日にORANGE RANGEの公式YouTubeチャンネルにて、リメイク版の「イケナイ太陽(令和ver)」のミュージックビデオ(MV)が公開され、これがリバイバル人気に火を付けた。内容は、平成期の青春ムービーといったつくりで、架空の学校を舞台に、幾つもの平成パロディが仕込まれたものとなっている。

同作品にはお笑い芸人のマユリカがカップル役で出演。はしゃぎ回る平成期の若者たちの姿を見ていると、登場時のORANGE RANGEのやんちゃぶりまで思い出される。このMVが、リリース時に青春時代を過ごした30代から40代に加え、さらに若い世代の間でも話題を呼び、Billboard(ビルボード)の日本公式サイト『Billboard Japan Hot 100』に17年ぶりのランクインを果たし、最高15位まで浮上するリバイバルヒットとなった。



なんと19年ぶりの「紅白歌合戦」出場


同時にYouTubeの人気チャンネル『THE FIRST TAKE』にメンバーが出演し「イケナイ太陽」を歌い、さらには『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』の名場面を繋いだ同曲のMVが公開されるなど、勢力的に動いた結果、この曲の気に入ったフレーズを動画にアップする若者たちが続出する現象を生み出した。

そして同年末の『第76回NHK紅白歌合戦』にも「イケナイ太陽」で実に19年ぶりの出場を果たしている。曲調はシンプルなロックンロール。ちょっとエッチな歌詞に加え、勢いにあふれたメッセージが、絶頂期のORANGE RANGEを象徴するスタイルだ。その圧倒的なポジティブさは、不景気や閉塞感の中にあっても、10代がバリバリに元気だった平成の時代を象徴している。平成生まれにとって神曲の1つだが、楽曲の持つパワーと前向きな姿勢は、令和の若者層にもブッ刺さるものがあるのだ。



「上海ハニー」でブレイクを果たしたORANGE RANGE


ORANGE RANGEは2001年に結成され、2002年にミニアルバム『オレンジボール』でSPICE RECORDSからインディーズデビューを果たす。この時まだ彼らは高校生だった。2003年に「キリキリマイ」でソニー・ミュージックレコーズ内の “gr8!Records” からメジャーデビュー。そして同年の「上海ハニー」でブレイクを果たす。「ミチシルベ〜a road home〜」「ロコローション」「花」「お願い!セニョリータ」など大ヒットを連発し、一時代を築いた。   

またORANGE RANGEは、2000年代前半に訪れた何度目かの沖縄ブームのシンボル的な存在だった。彼らはMONGOL800やHYとともに沖縄出身アーティストとして強烈なインパクトを放ったが、バンドの勢いと世間への浸透度に凄まじいものがあったことを記憶している人々も多いだろう。

インディーズ時代に拠点としていたのは、コザのライブハウス


彼らの音楽的なルーツは、沖縄のコザにある。コザは沖縄がアメリカから返還されたのちの1974年に沖縄市と名前を変えた。それまではコザ市と呼ばれ、沖縄の音楽シーンの中心地として名を馳せていた。周辺に数多い米軍基地の影響もあり、ロックを中心とした洋楽と、沖縄伝統の民謡が同地のライブハウスで混じり合い、独特の音楽シーンを形成していた。現在もコザにはライブハウスが多く、生演奏を聴ける
飲食店が軒を連ねている音楽の街なのだ。

ORANGE RANGEは、コザのライブハウスやクラブで、米兵たちが演奏している姿に影響を受けたと語っており、インディーズ時代はコザのライブハウスを拠点に、ストリートライブも敢行。同時にオリジナル曲を作り始めているが、初期の作品にはアメリカン・ロックンロールのスタイルが色濃い。「イケナイ太陽」もノリの良さと勢いが身上で、さらに覚えやすく誰でも歌える、パーティソングとしての楽しさを持ち合わせている。



伝統的な沖縄音楽の要素も吸収し、独自の音楽性を開拓


その後、ラウドロック、メロディック・ハードコア、レゲエ、テクノ、ヒップホップ、そして伝統的な沖縄音楽の要素も吸収し、独自の音楽性を切り開いていった。この辺りにコザ出身のバンドらしいミクスチャーぶりを感じさせる。コザの音楽シーンのあり方が彼らのアイデンティティになっていることは確かだ。さらにブレイク後も活動拠点を沖縄から動かさなかったことが、長くバンドを継続できている秘訣なのだろう。

「イケナイ太陽(令和ver)」のMVを見ていると、やんちゃだったORANGE RANGEも少しだけ大人の風貌になっていたが、楽曲の疾走感と、サビの掛け合いで聴き手を巻き込んで大盛り上がりするノリの良さは今も健在だ。その人気ぶりは、令和の音楽シーンがこの無条件の明るさとポジティブさを求めていたからに他ならない。永遠の青春を歌い続ける彼らの魅力あってのY2Kリバイバルヒットだったのだ。


2026.04.09
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