4月8日

TM NETWORK と小室哲哉「シティーハンター」から生まれた2つのダンスビート

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photo:SonyMusic  

アニメ「シティーハンター」の初代エンディングテーマ「Get Wild」


TVアニメ『シティーハンター』は初回放送から30年を超え、2019年に劇場版である「新宿プライベート・アイズ」が公開されるなど、息の長い人気を誇っています。

その初代エンディングテーマとして生まれたのが TM NETWORK(以下 TMN)の「Get Wild」ですが、この曲は予めアニメ制作側との打ち合わせによって構成が詰められたという証言があります。イントロの煌めくようなシンセサイザーの音色や、徐々に盛り上がりを見せるシモンズドラムの連打などはエンディングを飾るためにアニメチームの要望を取り入れたものだそうです。

山木秀夫によるシモンズドラムの熱いグルーヴ


この曲は主に打込みによるシンセサイザーのシーケンスを下敷きに、ヤマハ DX7 + オーバーハイム OB-8の手弾きによるベースラインと山木秀夫氏によるシモンズドラムの熱いグルーヴが加味されています。

この頃は TMN のような音はまだまだ “電子的で無機質” との評価だったと思います。“無機質” とは相反する “アツい要素” を取り入れようとしたためにこのような構成になりました。特に山木氏のシモンズについてはスネアドラムを一切使わず、ひたすら激しいフィルインが爽快に彩り TMN のサウンドを際立たせるのに一役買っています。

「Get Wild」は、その後複数回のリイシューが重ねられ、代表曲の地位を確固たるものとします。その果実は、2017年4月にリリースされたアルバム『GET WILD SONG MAFIA』として結実、収録された「Get Wild」は、実に36曲にも及びます。

「シティーハンター3」のオープニングテーマは小室哲哉のソロ


1989年、『シティーハンター』も好評を重ねて3rdシーズンを迎えることになりますが、今度は TMN ではなく小室哲哉氏のソロシングル「RUNNING TO HORIZON」が新たにオープニングテーマとして採用されました。この曲は「Get Wild」の要素がさらに洗練された上に、かつ豪奢なサウンドに仕上がっています。

それもそのはず、これは小室氏のソロアルバム『Digitalian is eating breakfast』に収録された内の一曲で、TMN という枷を外して自由に作ろうという意思の下に作られたもの。何しろ使用されている機材は一転、当時の最新型のサンプラー、シンセサイザー、レコーダーが一体化したシンクラヴィアという機材を導入しているのです(今でいう DAW のハシリで推定一億円!)。

そして共同プロデュースにはマドンナをはじめとするメインストリームなポップスだけでなく、当時黎明期であったヒップホップ、ハウスミュージック界を席巻した巨匠シェップ・ペティボーンを招聘するという念の入りようで、小室氏が本格的にダンスミュージックに傾倒する様がわかります。

独特の小室節がさく裂! ファンの中でも賛否両論?


こうして生まれた小室サウンドは、「Get Wild」を踏襲しつつもハイテク要素を薄めるかのようにフィーチャーされたコーラスでソウルフルな要素を加味することに成功しています。

特徴的なのが TMN のヴォーカルである宇都宮隆氏ではない小室氏本人の熱唱! で、独特の小室節がさく裂しています。これは TMN ファンの中でも賛否両論あったと記憶しているのですが、ワタシとしては一所懸命唄っている事は素晴らしいと思います。特にライブツアー『Tetsuya Komuro Tour '89~'90 Digitalian is eating breakfast』で披露されたショルダーキーボードを手にしながら狭いステージを縦横無尽に駆け巡りながらの絶唱は忘れられません(コスチュームデザインがハワード・ジョーンズに似ていたのはご愛敬です)。この年は「GET WILD '89」もリリースされていますがダンスビートとしてはこちらの方が洗練されていると語る強固な “Fanks” もいらっしゃいます。

2つのダンスビート「Get Wild」と「RUNNING TO HORIZON」


さて、『シティーハンター』というアニメーションの世界の中で作られた二極とも言える名曲、TMN の黄金時代を代表する「Get Wild」と小室哲哉の「RUNNING TO HORIZON」――

これらは後に globe などで披露されるヴォーカルを含め、小室氏がレイヴやジャングルといったダンスビートへの傾倒を示す上で重要な役割を果たすターニングポイントであり金字塔なのです。

余談となりますが、ワタシ「Get Wild」の7インチシングルを持っていたのですが、どこかで無くしてしまいました。今となってはなかなか手に入らない、嗚呼…。

というわけでこのウップンをどこで晴らすかというとカラオケで絶唱する「RUNNING TO HORIZON」だったりするのです。


※2019年4月6日に掲載された記事をアップデート

2020.04.08
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keziyajones
はじめまして! Get Wildについて丁寧な解説ありがとうございます。
私は20年来のTMファンです。記事の中で2点気になった点がありますので、お伝えします。

・スタジオ録音盤のGet Wildのギター演奏は、窪田晴男さんと言われています。松本さんはTMのライブサポートミュージシャンとして、主にライブなどでGet Wildのギター演奏をしたことがあります。
・1987年にGet Wildをリリースした時、ユニット名はTM NETWORKでした。1990年にTMNと改称し、1994年に終了。1999年にふたたびTM NETWORKに戻して再結成し、以後継続しています。ユニット名の表記は「TM NETWORK」がしっくり来ると思います。いかがでしょうか。

細かい点で恐縮です。すでにご存知の情報がありましたら、すみません。
2020/04/09 20:14
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カタリベ
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