1995年 6月13日

間違いだらけの英語学習!1990年代のヒット洋楽を聴いて英語のリズムを身につけよう

23
0
 
 この日何の日? 
アラニス・モリセットのアルバム「ジャグド・リトル・ピル」発売日(アイロニック収録)
この時あなたは
0歳
無料登録/ログインすると、この時あなたが何歳だったかを表示させる機能がお使いいただけます
▶ アーティスト一覧

 
 1995年のコラム 
伊藤銀次とウルフルズ ⑪「大阪ストラット」のレコーディングで起こった奇跡の出来事!

【ミリオンヒッツ1995】新生B’zの第1弾シングル「ねがい」迫力サウンドの秘密はどこに?

7月11日は藤井フミヤの誕生日 − チェッカーズのボーカルからソロシンガーへ

フジロック '23 出演【アラニス・モリセット】90年代オルタナを体現した女性ロッカー!

コムデギャルソンの “Chic Punk” とキアヌ・リーヴスのバンド、ドッグスター

脚本は三谷幸喜「王様のレストラン」日本の連続ドラマ史上最高傑作と言われる所以は?

もっとみる≫




連載【教養としてのポップミュージック】vol.14 / 間違いだらけの英語学習!1990年代のヒット洋楽を聴いて英語のリズムを身につけよう

英語は言葉自体にリズムがある


とても恥ずかしい話なのだが、僕は英語を話すのがものすごく苦手である。もしかしたら、それは日本で生まれ育った人間としては普通のことかもしれない。でも、幼い頃から外国の音楽や映画に親しんできたし、大人になってからは海外勤務や外資系企業に勤めたりもした。今でも多国籍プロジェクトに参画することもあるので、英語に接する機会は決して少なくなかったと思う。

にもかかわらず、英語が不自由なまま還暦に突入してしまいしそうなことが、本当に残念でならない。そうなってしまった原因は、おそらく自身の努力不足か、そもそも学習方法が間違っていたかのどちらか、あるいはその両方だろう。ーーでは、どうすればよかったのか。

英語学習は発音よりリズムを重視すべき?


2024年10月、細野晴臣がメインナビゲーターを務めるラジオ番組『Daisy Holiday!』(interfm)に山下達郎がゲスト出演した時のことである。2人は “詞先” か “曲先” かというテーマで話し始めた。つまりは、楽曲を作る際、歌詞を書いてから曲を付けるのか、はたまたその逆なのかという話である。今回は、その会話の中にあった “英語の詞だと楽ですよね”(山下)、“リズムがあるから作りやすいんだよね”(細野)という発言に注目してみたい。

ここでの論点は、《英語は言葉自体にリズムがある》ということなのだが、この話を聞いて僕は『ジャズチャンツ』(Jazz Chants)という英語学習法のことを思い出した。『ジャズチャンツ』は、元ニューヨーク大学教授でジャズシンガーでもあるキャロリン・グラハムが、ジャズのリズムに合わせて英語のリズムを楽しく学ぶことができるようにと考案したものである。なんでも、聞こえてきた英語が、彼女が弾いていたジャズピアノのリズムにピッタリ重なっていることに気付いたのがきっかけだという。

また先日、YouTubeで面白い動画を発見した。その映像の中で、前米国副大統領のカマラ・ハリスがスピーチしているのだが、そのスピーチにジャズミュージシャンたちが伴奏を付けてアップロードしているのだ。いくつもの動画が上がっているので皆さんにも観ていただきたいのだが、驚いたことにビックリするくらいスピーチと演奏がリンクしている。

英語のリズムを体得するためのヒント


こうした事実から見えてくるのは、英語のネイティブスピーカーたちはジャズのリズムで話しているということである。そして、それが英語を話す者にとってどれだけ重要かを知るには、ネイティブではない人たちとの会話を聞いてみるとよい。何故なら、多少発音が悪くても、英語のリズムに乗ってさえいればちゃんと通じるのだ。逆に、発音に注意を払っているにもかかわらず、抑揚のない話し方をしているが故に、いまいち会話が成立しないというのは、特に日本人にありがちな現象だろう。

つまり、誤解を恐れずに言うならば、英語学習は発音よりリズムを重視すべきだったのではないだろうか。もちろん、それが簡単ではないことは理解できる。特に、世界に類を見ない “棒読み言語” である日本語を母語とする僕たちにとって、リズミカルに話すなんて、とんでもなくハードルが高い。

そこで皆さんにオススメしたいのが、ジャズよりもっとカジュアルな、ポップスの楽曲を通じて英語に慣れるという方法である。選曲するにあたって “20世紀中にリリースされた作品” という条件を付けてみたら、結果的に1990年代のヒット曲ばかりになってしまったが、それはともかく、次の5曲について、紹介文を読みながら、聴いて、歌っていただきたい。きっとそこには、皆さんが英語のリズムを体得するためのヒントが隠れているはずだ。

【第5位】ブランディー「アイ・ワナ・ビー・ダウン」(1994年)
ミシシッピー生まれの彼女は、“I wanna be Whitney Houston the singer.(ホイットニーのようになりたい)” という夢を叶えるべく、一家でカリフォルニアへ移住。1994年に若干15歳でデビューアルバム『ブランディー・デビュー!』(Brandy)をリリースすると、瞬く間にスターダムに駆け上がった。

彼女のデビュー曲であり、アルバムのリードシングルであるこの曲は、声に幼さが残ってはいるものの、高い歌唱力で注目を浴びた。比較的スローなテンポで歌詞も聞き取りやすいので、まずはじっくり彼女の歌を聴いて欲しい。純粋に良質なR&Bソングである。



【第4位】ディゲブル・プラネッツ「リバース・オブ・スリック」(1992年)
ニューヨーク出身の3人組ジャズラップグループ。この曲は、1992年にデビューアルバム『リーチン』の先行シングルとしてリリースされ、翌年のグラミー賞『最優秀ラップ・パフォーマンス賞 デュオ/グループ』(Best Rap Performance By A Duo or Group)を獲得した。正直なところ、これを曲に合わせて歌うのは相当難しいだろう。でも、喋るように歌っているので、何度も何度も練習すれば、いずれ英語っぽいリズムで話せるようになるかもしれない。



【第3位】キース・スウェット「トゥイステッド」
山下達郎のお気に入りとしても知られるニューヨーク出身のR&Bシンガーで、1980年代から1990年代にかけて米国で流行したニュー・ジャック・スウィング(簡単に言うとヒップホップとR&Bが融合したような音楽)の第一人者。1996年にリリースされたこの曲は彼の最大のヒット曲で、5枚目のアルバム『キース・スウェット』に収録。

とにかく連続発音(Connected Speech)の練習にピッタリの曲だ。連続発音とは、ネイティブスピーカーが話す際に単語と単語を区切らずに連続して発音することで、日本語のように音節をはっきり区別して発音する言語との大きな違いの1つである。なんと、連続発音を習得すれば、発音も聴解も同時に改善されるのだそうだ。



【第2位】ザ・キュアー「フライデイ・アイム・イン・ラヴ」
英国出身のロックバンド。『フジロックフェスティバル』でグリーンステージのヘッドライナーを3回務めているので、日本の音楽ファンにも馴染みがあるかもしれない。この曲は1992年にリリースされ、全英アルバムチャート(Official Albums Chart Top 100)で1位、全米では2位を記録した9枚目のアルバム『ウィッシュ』に収録されている。

とてもキャッチーな曲で、歌詞も聞き取りやすい。その内容もさしずめ大人版 “1週間の歌” といったところで、鼻歌にもってこいだ。この手の曲を日常的に口ずさむことも、英語のリズムを体得するにはきっと大事なのだろう。



【第1位】アラニス・モリセット「アイロニック」
カナダ出身の彼女が、ロサンゼルス移住後の1995年にリリースした3作目のアルバム『ジャグド・リトル・ピル』に収録。この作品は全米アルバムチャート(Billboard 200)で12週、全英では11週に渡って1位を獲得し、この年のグラミー賞で最多4部門を受賞した。

この曲は、歌詞の中に、マーフィーの法則(Murphy's Law)的エピソードが11個も出てくるのだが、それがまた面白い。ちなみに マーフィーの法則とは “Anything that can go wrong will go wrong.(失敗する可能性のあるものは失敗する)” に代表される、まさに皮肉な “あるある” 的格言のことで、こういうフレーズを繰り返すのも英語学習に役立つかもしれない。


▶音楽理論のコラム一覧はこちら!



2025.09.15
23
  Songlink
あなた
Re:mindボタンをクリックするとあなたのボイス(コメント)がサイト内でシェアされマイ年表に保存されます。
カタリベ
1965年生まれ
中川肇
コラムリスト≫
44
1
9
9
5
フジロック '23 出演【アラニス・モリセット】90年代オルタナを体現した女性ロッカー!
カタリベ / KARL南澤
43
1
9
8
6
ザ・キュアーの思い出、合コンの惨事と「ボーイズ・ドント・クライ」
カタリベ / ソウマ マナブ
12
2
0
1
9
HAPPY SAD が集結したフジロック、今回のキュアーは最高!
カタリベ / ユリンベ