2000年 12月13日

モーニング娘。「恋愛レボリューション21」現在のアイドル百花繚乱は “Y2K” から始まった

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【Y2Kリバイバル】vol.2 〜 モーニング娘。「恋愛レボリューション21」

皆さん、21世紀がもう4分の1終わったってご存じでした? 早い。本当に早い。年を取ると時間が経つのが早くなるとか言うけれど、そういうことじゃない。私は年々、地球の自転が早くなっているような気がしてならないのだが、いかがだろうか?

そんなこんなで、2026年がやって来た。今回は【Y2Kリバイバル】というテーマだ。そうか、もう新年か、なんてことを言っているとすぐに桜が咲いて、プロ野球が開幕。ゴールデンウィークになり、梅雨が来て、また猛暑にヤラれ、少し涼しくなったと思ったら、紅白出場歌手が発表されて “2027年に向けてコラムを1本” という依頼が来そうな気がする。ウカウカしてたら死んじゃうよ。

爆発的なヒットになった傑作ディスコチューン「LOVEマシーン」


で、21世紀になると “時間の体感速度” がよりスピーディーになると肌感覚で予感して曲を作っていたのが、つんく♂じゃないかと私は思っている。1999年9月9日、9並びの日に、つんく♂はモーニング娘。(以下:モー娘。)に傑作ディスコチューン「LOVEマシーン」を書き下ろし、爆発的なヒットになった。後藤真希という異才が加入した幸運もあったけれど、モー娘。はあの曲でひと足お先に21世紀へ行くことができ、天下を取れた。

1980年代までのアイドルポップスはあくまで “歌” が主体で、振り付けはあってもそれはあくまで演出の一部に過ぎなかった。それが1990年代に入ると、小室哲哉の台頭でユーロビートやテクノ寄りのダンスミュージックがヒットチャートの主流となり、歌って踊るのはもはや当たり前。ボーカルとダンスは “等価” になった。この流れを見ていたつんく♂は、おそらく早い段階で “これからはアイドル楽曲も “ダンスありきで曲を作っていかないとアカン” と悟ったのだろう。そういう曲を歌わせるにはメンバーのレベルアップも必要だ。そこでつんく♂はモー娘。の抜本的改革に乗り出した。

まずは「LOVEマシーン」リリースの際、安倍なつみに代えて、加入間もない後藤真希をいきなりセンターに抜擢。これでグループ内にいい意味での緊張感が生まれた。さらに2000年4月、オーディションで石川梨華、吉澤ひとみ、辻希美、加護亜依の4人を採用。11人の大所帯にしたのは、グループに欠けていたキャラを補強するのと同時に、フォーメーションによる “ダンス映え” を狙ったからでもある。



モー娘。20世紀最後のリリース曲「恋愛レボリューション21」


2000年5月、2期メンバーの市井紗耶香が卒業。モー娘。は10人体制で世紀末を迎えることになった。ここでつんく♂が “世紀またぎの曲” として書いたのが、2000年12月発売「恋愛レボリューション21」である。モー娘。にとって20世紀最後のリリース曲であり、同時に21世紀最初のヒット曲になった。この時のメンバーがこちら。

▶ 中澤裕子・飯田圭織・安倍なつみ(1期)
▶ 保田圭・矢口真里(2期)
▶ 後藤真希(3期)
▶ 石川梨華・吉澤ひとみ・辻希美・加護亜依(4期)

いろいろ意見があるだろうが、私はこの時のモー娘。がグループ史上最強の布陣だったと思う。1・2期の旧メンバー5人 vs 3・4期の新メンバー5人がお互いに刺激し合い、バチバチと火花を散らしていたからだ。本曲でつんく♂が安倍なつみと後藤真希をWセンターで競わせたのは、そんな背景もあったのだろう。年齢構成・キャラクターともに、最もグループ内のバランスが取れていた時期でもある。

世紀末のお祭り気分、ド直球のパーティーチューン


つんく♂はこの最強メンバーに、世紀末のお祭り気分を見据えたド直球のパーティーチューンを書いた。「♪超超超 いい感じ 超超超超 いい感じ」というキャッチーで畳みかけるような歌詞。両腕を上下左右前後に目まぐるしく動かすダンス(振付:夏まゆみ)。もちろん前年の「LOVEマシーン」同様、忘年会のカラオケ需要も見込んでのものだが、夏先生がユニークな振りを付けやすいように、つんく♂が逆算で書いているのがよくわかる。

つんく♂は自身の公式サイトで、本曲についてこう語っている。

「アップテンポでありながら力強いビート、パーティチューンでありながら感動的な重量感。21世紀を迎える革命的なサウンドになったと思います」


この “感動的な重量感” というのがポイントで、そう、この曲、決して軽くないのだ。音に厚みがあってヘヴィ。そこにひと役買ったのが、アレンジ担当のダンス☆マンだ。

ダンス☆マンがシングルの編曲を手掛けたのは「LOVEマシーン」が最初で、以降「恋のダンスサイト」(2000年1月)、「ハッピーサマーウェディング」(2000年5月)に次いで本曲が4作目。このへんになると、もう手慣れたものかと思いきや、つんく♂によるとダンス☆マンとは何度も打ち合わせを重ね、デモバージョンをいくつも作ったそうだ。結局、最初に作ったアレンジがいちばん完成形に近かったそうだが、その労力は絶対に無駄になっていない。



つんく♂の想いが表れた歌詞


また、つんく♂自身も、作曲の段階で意欲的な試みを行っている。Aメロ・Bメロだけでは飽き足らず、Cメロもあってサビに行くという4部構成になっているのだ。世紀末を見据えて、ありきたりの曲じゃつまらない。その想いは歌詞にも表れている。つんく♂はレコーディングの合間に “21世紀に期待する夢” についてメンバー1人1人と話をしたそうだ。

 恋もして(Woo Baby)
 仕事して(Woo Baby)
 歴史きざんだ地球

 泣いちゃった(Woo Baby)
 腹へった(Woo Baby)
 LOVE REVOLUTION 21

「恋もして、仕事して、泣いちゃった、腹へった」という日常の営みと「歴史きざんだ地球」という大仰なワードが並列で置かれた歌詞は、一見ミスマッチにも思える。でも考えてみれば歴史って、そういった日常的行為の積み重ねによって形成されていくもので、泣いたり笑ったりしている間にも地球はクルクルと回り続け、今に至っているのだ。

四半世紀以上経った現在も活動を続けるモーニング娘。


モーニング娘。は「恋愛レボリューション21」が世に出てから四半世紀以上経った現在も存在し、現役で活動を続けている。現メンバー8人(2025年12月現在)のうち、1999年生まれの小田さくらと野中美希を除く6人は本曲がリリースされた後に生まれた世代だ。アイドルグループが、幾度もの代替わりを経てこんなに長期間存続していること自体奇跡であり、また現メンバーは先輩が残してくれた過去の代表曲を大切に歌い継いでいる。これこそ歴史の継承である。

20世紀から21世紀に移る端境期、つんく♂やスタッフは “新世紀のアイドル楽曲を創るんだ!” という心意気で曲を書き、当時のモー娘。メンバー10人も、持てるすべての力をこの曲に注いだ。彼女たちが世紀末をこの曲で乗り越えたからこそレボリューション(革命)が起こり、長かった “アイドル冬の時代” は終わりを告げたのである。ハロプロやAKBグループはじめ、21世紀がアイドル百花繚乱の世紀になった起点は、まさにこの曲にある。

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カタリベ
1967年生まれ
チャッピー加藤
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