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岡田有希子「リトル プリンセス」1年目のシングルは竹内まりや作詞作曲の “学園三部作”
カタリベ / 指南役

 

 
前回の「ファースト・デイト」のコラムに続き、今回もとても楽しく読ませていただき、本当にありがとうございます!前回はキャニオンの公式Youtubeにコメントを書きましたが、今回はこちらに雑文を記したいと思います。

「リトルプリンセス」は私が最初に買ったゆっこのレコードであり、総合的に見て最高傑作だと思います。まずジャケットの写真が最高に可愛く、歌詞カードの写真がさらに可愛いんです。ジャケット自体もLPのような体裁で高級感がありました。そしてB面の「恋のダブルス」が、A面に負けす劣らず可愛くて、ステージ映えのする曲。あまりにも良かったので、慌てて「ファースト・デイト」のレコードを買いに行ったものでした。

ステージ衣装は、ジャケット写真を連想させるようなパステル調のピンクや水色のものを着ていましたよね。デビュー曲の白や黄色の衣装も清楚感があって良かったですが、可愛さから言ったら「リトルプリンセス」の方が上です。

そして何よりも「リトルプリンセス」で新人賞レースのトップに立ったことが大きかったと思います。他の強力なライバル達が賞レースに参加しない中で、ゆっこはメガロポリスに続き、日本テレビ音楽祭でも最優秀新人賞を獲得し、その存在を全国的に知らしめました。当時はいろいろな新人賞があって、それが効果的なプロモーションになってましたよね。84年デビュー組の女性アイドルの中で頭一つ抜け出すきっかけになったこの曲は、やはりゆっこの代表曲の一つと言えるでしょう。
2024/07/25 22:25
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岡田有希子「-Dreaming Girl- 恋、はじめまして」これぞ勝負曲!怒涛の最優秀新人賞ラッシュ
カタリベ / 指南役

 

 
この曲は何と言っても、レコード大賞最優秀新人賞受賞曲として記録にも記憶にも残されていくんでしょうね。既に「リトルプリンセス」で新人トップがほぼ確定しており、その後の賞レースは安心して見ていました。あの2回を除いては・・・

子供は夏休みに大きく成長することがありますが、1984年のゆっこもまさにその通り。ファンクラブの結成式があったり、全国をキャンペーンで飛び回ったり・・・水泳大会で水着姿を披露したのも衝撃的でしたね。当時は写真投稿誌が多数あったので、それがゆっこ人気に拍車をかけたと思います。

そんな夏休みを経てリリースされたこの曲にあった時の第一印象は、タイトルが「恋あなたしだい」に似てね?でした。これまでの流れだと「ファースト・デイト」に「リトルプリンセス」なので、その次は「Dreamig Girl」の方が一貫性があった気がします。でもCMのコピーなども考えると「恋はじめまして」の方が良かったのでしょうね。ちなみに後年、山下達郎さんが「DREAMING GIRL」という曲を出したのは何かの因縁かも知れません。

さて新人賞を総なめにしたゆっこですが、唯一取り逃したのがFM東京のリスナーズグランプリ。この賞は最優秀が一人だけなので難しさを感じていたのですが、不安が的中しました。そして同じように一人だけ選ばれるレコード大賞。この時も厳しいかなと思っていたのが、見事に受賞。その時のゆっこの呆然としたような表情が忘れられません。心ここにあらずといった感じで何とか歌い切り、その後、ラジオ番組で小川哲也さんのインタビューに泣き崩れるゆっこ。ものすごいプレッシャーの中で賞レースを戦ってきた緊張から一気に解放されたのかも知れません。賞レースがゆっこを成長させたことは間違いないでしょうが、彼女の人生を振り返った時に本当に良かったのかどうかには疑問符がつきます。
2024/07/28 19:04
 
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岡田有希子「二人だけのセレモニー」竹内まりや3部作に続く尾崎亜美の新しい世界!
カタリベ / 真鍋 新一

 

 
1985年の春と言えば、何と言っても「卒業」なんですよね。私自身の高校卒業もありましたが、それに合わせたかのような(?)卒業ソングブーム。有名な尾崎豊さん、斉藤由貴さん、菊池桃子さんの3曲に加えて、倉沢淳美さんまで。これらよりも少し早めにリリースされた「二人だけのセレモニー」も卒業にちなんだ曲でしたが、あまりそのような文脈で捉えられることは多くなかったと思います。

竹内まりやさんを離れて、尾崎亜美さんが提供する新しい歌の世界への旅立ち。それはキラキラして華やかな大人の世界。またこれまでになかった曲調の「PRIVATE RED」では、少女からの卒業を意識させて、聴いていてドキドキしていました。それはやはり期待と不安。

ハワイで新年を過ごし、帰国後は全国を飛び回って、時に体調を崩すこともあったゆっこ。この曲でベストテンの常連となり、2年目のさらなる飛躍を期待させながらも、どこか不安を感じていたのは、ゆっこ自身だったかも知れません。
2024/08/01 15:35
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岡田有希子「Summer Beach」アイドル+シティポップを見事に成立させた尾崎亜美の仕事!
カタリベ / 真鍋 新一

 

 
デビュー2年目の第一弾「Summer Beach」。この曲は一つの分岐点とも言えるかと思います。これまでのような分かりやすい物語性のある歌詞ではなく、ある夏の日のワンカットを切り取ったような刹那的描写の歌詞。加えて湿度感の低いカラッとしたサウンド。今でこそシティポップ的でかっこいいと言えるのでしょうが、当時の私は何か物足りなさを感じました。つまり岡田有希子っぽさが足りなくなって、誰が歌っても良さそうな曲。それが率直な感想でした。

またレコードジャケット撮影後の3月23日に髪をカットして、大胆なイメージチェンジを図ったのも大きな出来事。「ごめんね、あなたを驚かせた・・・」実際この急なイメチェンにびっくり、がっかりしてファンをやめ、85年デビュー組に乗り換えた人も少なくなかったでしょう。

さらにバラエティ番組で複数の男性タレントから振り付けや歌唱方法をいじられたこともありましたね。新人の時のぎこちなさが消えていって、共演者との親しさが増していった証かも知れませんが、そのような扱いを受けることはファンにとっては不満の種でした。

このような変化の中で、「Summer Beach」は一時のファンなのか本当のファンなのかの踏み絵となった曲とも言えそうです。3月25日に始まったスプリングコンサート「ハートにキッス」から早くも夏の歌をうたい始め、どんどん変わっていくゆっこを私は必死で追いかけていました。
2024/08/04 15:32
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岡田有希子「哀しい予感」竹内まりやが提供した失恋ソング!2年目は “大人の恋” 路線?
カタリベ / 指南役

 

 
「二度目の夏が過ぎた頃 あなたは突然 変わったの」・・・「哀しい予感」は、この歌詞が最も象徴的な曲です。

2年目のゆっこは髪を切ってイメチェンしただけでなく、ドラマにも挑戦してタレントとしての幅を広げて行きました。一回り大きくなったゆっこがまりやさんと再びタッグを組んで出来た曲は、意外にもマイナー調。夏の真っ盛りに、暗く重たいアレンジ。浪人生の私にとっては、曲名もちょっと不吉に感じました。

失恋ソングなので、歌っているゆっこに笑顔はありません。さらに衣装も黒と金のミニスカート。ああ、ゆっこはどこに行ってしまうのだろうか・・・いろんなことにチャレンジして、試行錯誤しながら成長していく彼女を、どんなことがあったって、いつまでも見続けていこう・・・そう誓った1985年の夏でした。
2024/08/08 22:11
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岡田有希子「Love Fair」新時代の傑作シングル!キーマンはムーンライダーズのかしぶち哲郎
カタリベ / 鈴木 啓之

 

 
「Love Fair」は難しい曲でしたよね。当時のアイドル曲としては珍しくイントロなしで、それもいきなりファルセットでの歌い出し。AメロとBメロの間が長くて、その際の振り付けが微妙な感じ。エンディングはフェイドアウトだったので、テレビなどでは別のアレンジに変えられていました。歌のタイトルも歌詞も抽象的な”かしぶちワールド”で、感情移入しにくかったのでしょうか、ゆっこが笑顔で歌っていた記憶はあまりありません。衣装も初めてパンツルックを採用して、これまでと違う印象を受けました。

そんな難曲を巧みに歌ったゆっこの歌手としての評価は上がったかも知れませんが、セールス的には微妙で、ザ・ベストテンには出られませんでした。また年末の賞レースも幸か不幸かほとんど出番がなかったので、12月はドラマ撮影に注力出来ました。

ディレクターの飯島さんもこの曲がシングルになったのは意外だったそうですね。今にして思えば、3年目以降のさらなる飛躍を考えてのチャレンジだったのかなという気がします。当時はマドンナやシンディ・ローパーなどの影響なのか、アイドル曲でもアレンジが非常に凝ったものが増えてきていて、その一つの象徴が中森明菜さんの「DESIRE」だと思うんです。それに先駆けて「Love Fair」をリリースしたのは、かなり挑戦的、前衛的だったと思います。この選択が吉と出るか凶と出るかは、86年の5月以降に判明するはずだったんですよね。
2024/08/12 14:58
 
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岡田有希子「くちびるNetwork」松田聖子と坂本龍一からの提供曲!ついにシングル1位獲得
カタリベ / チャッピー加藤

 

 
この曲に対してはいろんな思いがあるけれど・・・素直に、オリコン1位おめでとう、と言ってあげればよかった
2024/08/17 20:18
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岡田有希子「花のイマージュ」かしぶち哲郎が手掛けた幻のシングル!初のアナログリリース
カタリベ / チャッピー加藤

 

 
あれから38年。いつもの通り私は日曜の深夜に「夜遊びしナイト」を聴き、ゆっこが卒業することにがっかりしながらも、新曲にはとても期待感を抱いていました。既にアルバム「ヴィーナス誕生」で全曲編曲を手掛けていたかしぶちさんが作った曲。イントロからインパクトがあり、めくるめく”かしぶちワールド”が繰り広げられる歌詞。「Love Fair」では多少の違和感を覚えましたが、今回は大いに納得しました。3年目はこの路線で勝負するんだと。私は録音したカセットテープを繰り返し聴き、機会があれば歌うつもりで歌詞も覚えて、新入生オリエンテーションに旅立ったのでした。

あれから38年。こちらは年を取ってしまいましたが、ゆっこは今でも18歳のまま。いつまでも心の中に生き続けています。
2024/08/18 21:33