198X年夏の終わり―― あなたは何処でなにをしていましたか?

窓辺のラジオから、街角の有線放送から、ドライブ中のカーステレオから、ビーチのラジカセから…。あの若き日々に過ごした夏の思い出には必ず音楽が寄り添っていました。今よりも音楽がグッと身近にあった80年代、僕らは何処へ行っても、その傍らではいつも音楽が鳴り響いていました。

今もあの頃も「夏の終わり」というのは、誰もが感傷的な気持ちになるものです。ひと夏の経験を経て、胸に小さな痛みを覚えて、人は成長していきます。そして、若かった夏の日の思い出は一生の宝物になっていきます。そこに寄り添った音楽たちは、いつまでも色褪せず、エバーグリーンな輝きを放ち続けているでしょう。

山下達郎は今から30年前にリリースされた名盤『ARTISAN』の中に収録された先行シングルとしてリリースされた「さよなら夏の日」の中でこんな風に歌っています。

「時が止まればいい」
僕の肩でつぶやく君 見てた
さよなら夏の日
いつまでも忘れないよ
雨に濡れながら
僕らは大人になって行くよ

達郎自身が「この曲はチャイルド・フッドからの卒業がテーマだった」と後に述懐しています。高校時代の思い出をモチーフにしながら、短くもシンプルな言葉の組み合わせから生まれる情景には、誰もが自分を投影できる普遍的な魅力が潜んでいます。

Re:minderでこの度特集する「夏の終わり~グローイング・アップ」では、この「さよなら夏の日」のように、小さな痛みを抱えながら大人への階段をのぼっていった夏の終わりを思い起こさせるとっておきの曲を10曲セレクト。今も輝きが失せない楽曲の魅力を解き明かしていきます。

80年代という10年間は、音楽シーンの多様性が開花した時代でもあります。歌謡曲、シンガーソングライター、ロック系アーティストとそれぞれのジャンルが成熟し、数々のヒット曲が様々な人々の胸に心象風景を作っていきました。あの曲を聴けば、あの時、あの場所、あのシチュエーションが蘇る―― といった、ちょっとした夏の終わりの時間旅行を楽しんでいただければ幸いです。

オンラインイベントを開催!「教えて!夏の終わりに聴きたいとっておきの1曲」

80年代音楽エンタメサイト「Re:minder - リマインダー」がお届けするオンライン・プレゼンショー。大好きな音楽を発信したい方、新しい音楽を発見したい方、必見です! 8月のテーマは「夏の終わりに聴きたいとっておきの1曲」ということで、サマーソングの中でも「Growing Up - 成長」を感じさせる1曲を選んで語っていただきます。シングルに限らず、アルバム収録曲でも構いません。あなたのこだわり、熱い思いを聞かせてください!

開催日時
▶ 2021年8月28日(土)
▶ 20時スタート(22時終了予定)

料金(税込)
▶ パネラーチケット 1,800円
▶ ギャラリーチケット 1,000円
▶ パネラーは10名限定。先着順とさせていただきます。