シンガーソングライターの “gb” が、メジャーデビュー作「SMILE IN YOUR FACE」をドリーミュージックから配信リリースした。原曲は、2002年に “BOO feat MURO” が発表した楽曲で、山下達郎の「SPARKLE」をサンプリングソースに使用している。今回のgbのデビュー曲はそのカバーという形になるのだ。
前述の通り、この「SMILE IN YOUR FACE」は山下達郎の「SPARKLE」がサンプリングソースになっており、当時、山下本人も喜んで、自分のラジオ番組『サンデー・ソングブック』(JFN系)でもプレイしたほど。ラジオの音楽番組でも盛んにかけられ、クラブシーンでも大人気だった楽曲である。その名曲が、今回新たな解釈によってカバーされることとなったのだ。
gbによる今回のカバーでは、原曲の軽快なグルーヴは踏襲しつつも、より柔らかく開かれたサウンドへと変化している。BOOの「SMILE IN YOUR FACE」が持つヒップホップの尖った感覚よりも、サウンド全体の心地良さに依拠した音作りとなっており、2025年の音楽シーンにフィットしたカバーといえるだろう。BOOのカバー時点から数えても23年の時が経っているのだ。
このように、年齢もキャリアも異なる3人のアーティストによってカバーされた「SMILE IN YOUR FACE」は、2025年時点でのシティポップの新たな解釈とも呼べるだろう。gbのナチュラルな肌触りを持ったボーカルには、父譲りのソウルフレーバーも顔をのぞかせ、そんなところにもこの曲との相性の良さを感じさせる。
荒谷はレコーディング当日、アドリブで入れたフェイクが楽しかったと語っており、土岐は音楽をやる上で “憧れの力” が大事だと語っている。そう、三者三様の「SPARKLE」、そして「SMILE IN YOUR FACE」といった楽曲へのリスペクトが、今回のレコーディングのベースになっているのだ。
昭和期のシティポップの名曲が、平成に入ってサンプリングソースで使用され、同時代のコンテンポラリーなサウンドに変化し、そして今回、令和の時代にカバーという形で新たなソウルを吹き込まれた。名曲は時を超えて愛され、受け継がれていく。2025年の夏を鮮やかに彩った「SMILE IN YOUR FACE」、この機会にぜひ聴いてみてほしい。
Information gbからのコメント
「SMILE IN YOUR FACE」を初めて聴いたのは、中学3年の頃。音楽好きの友だちの家でMTVを観ていたとき、BOOさんとMUROさんのこの曲が流れてきたんです。当時、ラップやヒップホップといえばUSの音楽しか知らなかった僕にとって、日本語でこんなにも心地よく、グルービーに響く曲があることに驚きました。印象的なイントロのギター、リズムもメロディも大好きで、最初はこれがオリジナルだと思っていたんです。でも後に、山下達郎さんの「SPARKLE」が元曲だと知り、初めて “サンプリング” という言葉に出会いました。そこから、J-POPやJ-R&B、日本語ラップなど、いろいろな音楽に夢中になって、今の僕の音楽のベースが出来上がっていった気がします。そんな思い出の一曲を、今度は “届ける側” として歌えること。しかも、僕がリスペクトするアーティストである土岐麻子さん、荒谷翔大くんと一緒に、僕たちなりの「SMILE IN YOUR FACE」を作れたことが、本当に嬉しいです。あの日の僕のように、この曲が、誰かの耳に、心に、衝撃や喜びを届けられたら、それ以上の喜びはありません。