記事の内容の一部ですが、‟人気低迷‟という表現は当を得てないと思います。1960年生まれの私は当時をリアルに体験していますが、1982年、特に6-7月以降は82年組アイドル、特に中森明菜がブレイクが始まり、その勢いに押されたという印象は確かにありましたが、かといって、それが人気低迷という認識はほとんどのファンには無かったはずです。シングルの売り上げは小麦色のマーメイド以降は、それ以前比べれば比べれば落ちていたことは確かですが、それは小麦色→秘密→のばらとアイドル曲としては異例の地味連発路線に対する欲求不満であり、たくさんのファンが次こそアップテンポのノリのいいポップを、と心待ちをしていました。一方で、曲や聖子の歌のレヴェルの高さは充分に認識できていたし、何よりも82年のアルバム、Pineapple→金色のリボン→Candyの充実ぶり、そして12月に開催されたクリスマスクイーンの充実ぶりからして、依然として聖子はトップアイドルとして眩いばかりに輝いていましたので、松本隆等の制作側はまだまだ余裕を持って、目先のセールスよりも作品の充実を優先していたっことは、その後のインタビュー等でも明らかです。その後の83年の聖子の勢いを強調したいがために、この時代を低迷と表現したのでしょうが、表現としては適切とは思えません。敢えて言うなら、意識的なシングル曲におけるSlow Down(スローダウン)とでも言い表すべきでしょう。
2021/08/01 21:15