デビュー2年目の第一弾「Summer Beach」。この曲は一つの分岐点とも言えるかと思います。これまでのような分かりやすい物語性のある歌詞ではなく、ある夏の日のワンカットを切り取ったような刹那的描写の歌詞。加えて湿度感の低いカラッとしたサウンド。今でこそシティポップ的でかっこいいと言えるのでしょうが、当時の私は何か物足りなさを感じました。つまり岡田有希子っぽさが足りなくなって、誰が歌っても良さそうな曲。それが率直な感想でした。
またレコードジャケット撮影後の3月23日に髪をカットして、大胆なイメージチェンジを図ったのも大きな出来事。「ごめんね、あなたを驚かせた・・・」実際この急なイメチェンにびっくり、がっかりしてファンをやめ、85年デビュー組に乗り換えた人も少なくなかったでしょう。
さらにバラエティ番組で複数の男性タレントから振り付けや歌唱方法をいじられたこともありましたね。新人の時のぎこちなさが消えていって、共演者との親しさが増していった証かも知れませんが、そのような扱いを受けることはファンにとっては不満の種でした。
このような変化の中で、「Summer Beach」は一時のファンなのか本当のファンなのかの踏み絵となった曲とも言えそうです。3月25日に始まったスプリングコンサート「ハートにキッス」から早くも夏の歌をうたい始め、どんどん変わっていくゆっこを私は必死で追いかけていました。
2024/08/04 15:32