ビールがうまい季節になってきた!
「はぁ? あんた一年中うまい、うまいってビール飲んでるじゃない」
間髪を入れずにカミさんから指摘される。実際はビールではなく発砲酒なのだが、そのあたりで反論するとやぶ蛇になるのでグッと我慢する。
1979年にバラクーダーがリリースした「日本全国酒飲み音頭」は、1月から12月まで各月の行事に理由を付けては酒を飲み、北海道から沖縄までこれまた郷土料理に理由を付けて酒を飲む歌である。よく失恋歌を「あっ、これ私のことだ」と共感する乙女がいると聞く。まさに「あっ、これ俺のことだ」とサラリーマンが共感するのがこの音頭である。
さて話は変わるが、先日
サザンの「栞のテーマ」に合うお酒を考察した。結論としてギネスビールに落ち着いたのだが、今回は原坊の「そんなヒロシに騙されて」に合う酒を考察してみたい。
舞台は横須賀の港町である。踊りが上手でウブなふりをしたヒロシという男の小粋なリードに翻弄されてしまう乙女が主人公だ。
歌詞を聴いていると、今更許せないけど心のどこかにまだ未練が残っている、そんな昭和浪漫的な女心が伝わってくる。横須賀は、ベースと言われる米海軍基地がある土地柄で、色濃くその影響が街全体に伺われる。特に、通称「どぶ板通り」と言われている商店街にはアメリカ西海岸を彷彿させるようなお店が建ち並び、飲食店のケチャップもそのほとんどが “HEINZ” である。
このどぶ板通りは京急電鉄の汐入駅で下車するのだが、隣の横須賀中央駅には打って変わって、昭和浪漫時代とでも言うのだろうか、若松マーケットという一大飲み屋街が存在する。
その飲み屋街の公認カクテルに「横須賀ブラジャー」という “おっ” と思うネーミングの飲み物がある。これはブランデーをジンジャーエールで割ったカクテルで、丸いワイングラスで提供される。ポスターを見て頂きたいのだが、この駄洒落かたからして昭和の雰囲気がムンムンな逸品である。
これ、普通の商品として発売するならブランデー+ジンジャーエールで「ブランエール」とか「ジンジャーブラン」とするべきものが「ブラジャー」である。
とってもサイケである。
♪ サイケな夏を 横須賀で
さて、もうお判り頂けたと思うが、独断と偏見で「そんなヒロシに騙されて」に合うお酒は「横須賀ブラジャー」に決定したいと思います(了)。
2019.04.16