1976年 4月25日

70年代を食べて80年代を走った、ロック世代のアーチストたち

62
0
 
 この日何の日? 
PANTAのソロデビューアルバム「PANTAX'S WORLD」がリリースされた日
この時あなたは
0歳
無料登録/ログインすると、この時あなたが何歳だったかを表示させる機能がお使いいただけます
▶ アーティスト一覧

 
 1976年のコラム 
志村けんとブラック・ミュージック!志村の加入でドリフターズはどう変わっていったのか

人間交差点・コトバの交差点 ♪ 伊藤銀次(その1)

KING OF LIVEまでのRCサクセション!森川欣信&宗像和男インタビュー ①

ニューミュージックの扉を開いたハイ・ファイ・セット vol.2

山口百恵の功績とは?それまでのアイドル歌謡になかった理屈抜きのカッコよさ

萩原健一もカバーした「酒と泪と男と女」河島英五が伝えたかったメッセージとは?

もっとみる≫



photo:COCONUTS DISK  
photo:Discogs  

70年代の洋楽を食べて80年代を走った日本のロックアーチストたち。美味しい食事が明日の活力となるように、1970年代に来日した洋楽ロックアーチストに、ボクは目からウロコ。

先輩に連れて行かれたレッドツェッペリン武道館公演(1971.9.23)をはじめ、ディープパープル、エルトンジョン、ボブマーレイ、T-REX、グランドファンクレイルロード、シカゴ、EL&Pなど片っ端から見に行ったので少ない給料はすべてチケット代。

まだまだ数少ないが、すべてが刺激的でパワフルな来日ロックアーチストの、1971年72年は、まさにロックの黒船襲来となった。

60年代後期のビートルズの活躍、ウッドストックの映画などに刺激され、70年代に活動を始めた日本のロックアーチストたち。新宿ロフト、渋谷屋根裏が始まり、京大西部講堂など関西でもロックの芽が胎動し始めた。来日ロックアーチストに刺激され、洋楽という栄養を蓄えて、80年代に一気に日本ロックは花開いた。

九州からやってきたサンハウス(75.6.25 デビュー『有頂天』)、ふとした出会いからボクの初仕事になった頭脳警察のPANTA(76.4.25 ソロデビュー『PANTAX'S WORLD』)。

サンハウスの柴山俊之さん鮎川誠さんそしてPANTAは、ボクの恩師である。彼らによってゼロから鍛えられ、身も心もロック道に導かれ、40年たった今も続いている。

1975年、ビクターは洋楽部の中に日本ロックレーベルを始めた。ビクターシンボルのニッパーくんが飛翔するイメージのFLYING DOGレーベルである。翌76年にはPOPS全般を扱うINVITATIONレーベルが始まる。ロックのSPEEDSTARレコーズは1992年から。

75年、ひよっこ以前のタマゴディレクターを始めたボクの初スタジオ仕事がPANTAというラッキーさ! しかもカメラマンは鋤田正義さん! 恐れを知らず、猪突猛進!

78年79年の制作担当アーチストは、サザンオールスターズ(78.6.25デビュー)、ARB(79年)、プラスチックス、松田優作、シーナ&ロケッツ、ダンガンブラザーズ、西岡恭蔵、Black Cats、BORO、ピンナップス、マリコ with キュート……。スタジオ掛け持ちのバタバタした日々が懐かしい。

そして、この全アーチストが、80年代になだれ込んで、大きく羽ばたくことになった。アングラフォークの反動だろうか、メディアも変化して、新しいロック世代が、アーチストが、クリエイターが、一気にオーバーグラウンドに浮かび上がってきた時期である。

ボクたちは、ロック専門誌のようなスモールメディアと、テレビショーなどマスメディアへの両方への露出を目指してあがき始めていた。アングラの居心地の良さが一転して、表舞台に飛び出た気恥ずかしさ、窮屈さ、プレッシャーを感じたものである。

彼ら、ロック世代アーチストに共通していたのは、洋楽という遥か世界中のブルース、ジャズ、ロックというご馳走をお腹いっぱい栄養にして、そのエネルギーを持って走り始めたことだと思っている。


(つづく)

2017.05.08
62
  YouTube / hakata69


  YouTube / fujimitsu2
 

Information
あなた
Re:mindボタンをクリックするとあなたのボイス(コメント)がサイト内でシェアされマイ年表に保存されます。
カタリベ
1948年生まれ
高垣健
コラムリスト≫
45
1
9
8
1
音楽が聴こえてきた街:仙台ロックンロールオリンピックと地方都市の渇望
カタリベ / 本田 隆
32
1
9
8
6
伝説の音楽番組「メリー・クリスマス・ショー '86」こんな番組2度とできない!
カタリベ / 藤澤 一雅
17
1
9
8
3
横須賀ブラジャーと「そんなヒロシに騙されて」サイケな夏がやって来る!
カタリベ / 時の旅人
88
1
9
8
8
山下達郎「蒼氓」普遍へと向かう魂の共鳴
カタリベ / せトウチミドリ
39
1
9
7
9
ARB「魂こがして」石橋凌自身をそのまま歌にしたような入魂作!
カタリベ / やっすぅ
109
1
9
8
7
伝説の音楽番組「MERRY X'MAS SHOW」こんな番組2度とできない! '87 - ①
カタリベ / 藤澤 一雅