2月21日

スネークマンショー「はい、菊池です」涙のポール・マッカートニー取調室

38
4
 
 この日何の日? 
スネークマンショーのアルバム「スネークマン・ショー(急いで口で吸え!)」がリリースされた日
この時あなたは
0歳
無料登録/ログインすると、この時あなたが何歳だったかを表示させる機能がお使いいただけます
▶ アーティスト一覧

 
 1981年のコラム 
たのきん初主演映画「スニーカーぶる~す」は若大将と同時上映だった!

クイーンのチケット争奪戦とユーミンの歌詞に出てきた山手のドルフィン回想録

ブライアン・セッツァーはロカビリーの天才だ。そこに疑いの余地はない

スネークマンショー、80年代のラジカルさを体現した意識高い系ユニット

そのとき歴史が変わった!「機動戦士ガンダム」の登場と「2・22 アニメ新世紀宣言大会」

佐野元春「Heart Beat」様々な思いを抱えた都市生活者の夜

もっとみる≫



photo:SonyMusic  

「確かにやったんだな!」
(イ、イエス)

「よし、ココにサインしろ!」
(イ、イエス)

ジリリリン!

「はい、こちらポール・マッカートニー取調べ係りの菊池です」

ご存じの方も多いと思います。そう1981年にリリースされた『スネークマン・ショー(急いで口で吸え!)』に収録されているポール・マッカートニー取調室での一節である。1976年~1980年にかけてラジオ放送された “スネークマンショー” は、その過激な内容から様々なトラブルに見舞われて放送終了の憂き目に遭ってしまうのだが、紆余曲折あって YMO のサポートを受け制作したアルバムは大ヒットを飛ばしたのだった。

私もアルバム発売までは “スネークマンショー” の存在を知らなかったのだが、友人の家でこれを聞いたときのセンセーションは忘れられない。そもそも神聖なるレコード盤に、こんなふざけたモノを真面目に刻み込む根性と度胸に脱帽したものだった。

父親に「世の中には、やって良いことといけないことがある」と教え込まれた私にとって、これは間違いなく「やってはいけないこと」であった。しかし、音楽界、演劇界のそうそうたる大人のメンバーがその常識を覆してしまったのだった。もはやレコード業界には良心は存在しないのか?

取り調べ室の会話は続く。

「あ、これはこれは 秋山先輩、先日はどうもご馳走さまでした―― は?(小声になり)2枚ですね、わかりました。(再び普通の音量で)いや、もうイギリスじゃ偉いかどうかなんか知りませんがね、おとなしいもんですよ…」

「おい、バカなことしやがって。欧米諸国じゃ大目に見られてるかどうか知らんがな。この日本じゃこんなもの吸ってフラフラしてる若いやつは一人もいないんだ!(中略)おい! ココにサインしろ」

と言って、ポール・マッカートニーに次々とサインを書かせていくというストーリーである。

この他にも、薬局にコンドームを買いに行くがなかなか買えない「これなんですか」や、タイトルにもなっている「急いで口で吸え」など、よくもまあこんなに下らないけど面白いものを思いつくものだと感心した。そうは言いつつ、友だちにこのレコードをダビングさせてもらったのだが、その時のカセットテープは Lo-D(ローディ)の一番安いやつだった…。


※2016年11月15日に掲載された記事をアップデート

2019.01.16
38
  YouTube / 敏朗大山


  YouTube / Gravity
 

Information
あなた
Re:mindボタンをクリックするとあなたのボイス(コメント)がサイト内でシェアされマイ年表に保存されます。


おすすめのボイス≫
1967年生まれ
時の旅人
鍵太さん。確かに!
2016/11/21 10:30
3
返信
1965年生まれ
デューク東郷
スネークマンショーはバイブルです。
2016/11/16 13:09
1
返信
1968年生まれ
鍵太
大切な事は全てスネークマンショーに教わった
2016/11/15 23:36
2
返信
カタリベ
1967年生まれ
時の旅人
コラムリスト≫
13
1
9
7
9
ブルース・スプリングスティーンのロックンロール!来日公演の実現を切に願う
カタリベ / 海老沼 大輔
53
1
9
7
3
売れないロックバンド【はっぴいえんど】なぜ日本の音楽史において重要な存在なのか?
カタリベ / 前田 祥丈
41
1
9
8
1
日本における「カノン進行」の源流を探る旅(その2)
カタリベ / スージー鈴木
45
1
9
8
8
ポール・マッカートニーのルーツ、いつだってそこにはリトル・リチャードがいた
カタリベ / 宮木 宣嗣
110
1
9
8
2
1982年の鹿鳴館、原宿「ピテカントロプス・エレクトス」誕生秘話
カタリベ / ロニー田中
38
2
0
2
2
TRF・DJ KOO インタビュー ② 時代はサーファーブーム、ロック少年から新宿のディスコDJに!
カタリベ / 本田 隆