秋は空を見上げる季節。
9月は月を見上げ、10月は夕焼けからとっぷり暮れる時間に染まり、11月はオリオン座を探す。秋分は昼と夜の時間が同じ、と同時に春分の瞬間から地球はちょうど太陽の反対側に移動したところ。想像するだけでその長旅にめまいがしそうだ。
地球は70億以上の人間、またその他無数の命を乗せ、ただいま旅の真っ最中だ。螺旋を描きながら、私の全く知らないところで太陽系銀河は時速7万キロで銀河ごと移動しつつ、さらに惑星たちは公転している。だから、実は去年と今年の秋分では全然違うところにいるのだ。
秋はそんなことに思いを馳せる季節。遠く遠く、また内側に内側に。
宇宙を感じさせる音楽には色々あるけれど、こんな曲はどうだろう。
杉真理のスターシップ。詞の内容にとらわれすぎず、ぐっと聴かせるメロディも素晴らしいし、とってもオープンなのに孤独な感じも美しい。秋はとてつもなく広がる空を見上げ、広がる感覚の中でつーんと鼻の奥で染みる冷たい空気に小さな自分を感じる。対極の中で自分を見失うのもまた、おそろしく楽しい瞬間ではないだろうか。どうせ、私は私以外誰のものでないし。
ハイ・ファイ・セットに提供した曲のセルフカバーとのことだが、本家を知らない私にはこちらがオンリーワン。そしてハイ・ファイ・セットバージョンも是非聴いてみたい!
私の記憶が一番薄い高校時代を照らしてくれた「スターシップ」を聴き入った遠い日々から、地球は太陽の回りを30周くらいしているが、「もうそんなに?」というのと「そんなもの?」と両方の意味で驚きだ。
少しひんやりとした空にとけていく気持ちが嬉しい秋です。恥ずかしさを忘れて詩人にでもなってみましょうよ(そして師走に駆け込みダッシュ(笑))。
2016.10.07
YouTube / Strawberry Heart
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