それだけにガツーン! とくるロックンロールを期待していたが、クイーンという存在を意識して初めて耳にしたのが、ラジオで聴いた「地獄へ道づれ(Another One Bites the Dust)」。これをロックの文脈で理解するのは、若気だけが先走る中学生には難しい。この人たちはディスコバンドだったのか!?
しかし翌年、ロックバンドとしてのクイーンの底力を思い知る。そう、フレディのソロアルバム『MR.バッド・ガイ』を挟んで出演したライヴ・エイド。「ボヘミアン・ラプソディ」「RADIO GA GA」も感動的だったが、『ザ・ワークス』中もっともハードな「ハマー・トゥ・フォール」のパフォーマンスは私的ハイライト。テレビ中継時は日本時間午前3時を過ぎていたが、タイトな演奏とフレディのスキのないボーカルに眠気が吹っ飛んだ。