大学時代、『茶をしばく』という言葉を生み出した私とツボ君には、その横にもう1人の友人がおりました。K君は、学生番号が近いこともあり、授業でもたびたび一緒。ですから、それこそ頻繁に「茶をしばいて」いました。このK君は生粋の京都っ子であり、ゆっくりとしたしゃべりと、大らかに見える印象で、がさつな東男の私は、「京都のやつって、なんて上品なんだ」と感じたものです(もちろん、今では勘違いであったことに気付きましたが...)。
さて、K君の家に遊びに行ったときのこと。夜になって夕飯をご馳走になったのです。そのとき母上が「ご飯食べていきませんか?」と言ってくださったので、遠慮なく、しかも瞬時に「ご馳走になります」とお答えしました。僕もツボ君も...
でもね、これって本当はどうだったんでしょうか? 笑い話に、「京都では3回断れ」っていうやつあるじゃないですか。あとから知って、少し後悔したことを覚えています。おそらくK君は、母上から「あの2人は二度と連れてきてはいけない」と五寸釘を刺されたことでしょう。
さておき、その時にK君から借りたカセットテープには感動させられました。
それは、尾崎亜美さん(京都出身)の「HOT BABY」というアルバム。中でも「蒼夜曲 (セレナーデ)」には、ガツンとやられました。女心は、ようわかりませんが、歌唱力、表現力、音楽性ってやつでしょうか。とにかく衝撃を受けました。こんなに上手い人がいるのか、って感じでしたね。おかげで、社会人になっても、何回かライブいっちゃいました。
「マイ・ピュア・レディ」も「オリビアを聴きながら」も「天使のウィンク」もいいのですが、僕の中での最高はこっち。聴いたことのない人は、とにかく聴いておくんなはれ。ちなみに、この曲にはシングルバージョンがあり、これも良。ライブで聴くとさらに良。しかし、あのカセットテープ、返したっけなぁ?
蒼夜曲(セレナーデ) / 尾崎亜美
作詞・作曲・編曲:尾崎亜美
発売:1980年(昭和55年)11月
アルバム:HOT BABY
プロデュース:David Foster
発売:1981年(昭和56年)5月
2016.05.18
YouTube / Korg acohacca
YouTube / ハミングバードスポルテ
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