今でこそ、あまり後悔しない性格に変わってきましたが、80年代の初め、高校時代は後悔することばっかりだった気がします。そして今も悔やんでいるのは、忘れもしない1981年3月の出来事です。
その日、3年生(僕は当時2年生)のための予餞会が学校の近くの市民会館で開催されました。予餞会というのは卒業生を追い出す?(送り出す)会で、男子校だったせいもあって、毎年女性アーティストを呼んでミニライブを開催していたのです。
その日に登場予定だったのは久保田早紀さん。79年に発売された『異邦人』は、テレビか何かのCMソングに採用され、80年代の初めを飾るビッグヒットとなりました。
オリエンタルな香りの音楽と澄んだ歌声。それに加えてお嬢様感(あくまでも僕の印象ですが)タップリの弾き語りとあの美貌。高校生の僕にとってはまさに「きれいなお姉さん」でした。
で、何を後悔しているかというと、開会までの空き時間に仲間と部室で麻雀をしていたのですが、そうしたら、トビラがスーッと開いたんです。
一瞬、先生かと思い慌ててパイを隠したのですが、よく見ると全く知らないおじさん。実はその頃、学校によく盗みに入られていたんです。昔は防犯なんていう意識はありませんから、誰でもカンタンに入れたんですね。
それで、「泥棒が来たら捕まえてやるぜ」なんて豪語していた俊足のS君が真っ先に飛び出し、そのおじさんを捕まえちゃったんです。そうしたら僕も黙っていられなくなって、説教たれたりして…
そして気が付いたら、なんと早紀さん終わっちゃってて。
わざわざ来てくれた、きれいなお姉さんの生の歌声を聞けなかったんです。まさに無念。後悔の1日。泥棒のせいで…
『異邦人』は、近年も多くのアーティストがカヴァー。中森明菜さんや徳永英明さん、小柳ゆきさんなどの歌声もいい感じです。まさに時代を超えた名曲。もし、iPodに入れている人がいたら僕のお仲間です。
異邦人 / 久保田早紀
作詞・作曲:久保田早紀
編曲:萩田光雄
発売:1979(昭和54)年10月1日
2015.12.23
YouTube / SuperView_part300
Information