3月25日

厳選シティポップ!カセットテープで聴くドライブソング「夏のシーサイド」編

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夏のシーサイドをドライブするときに聴きたいシティポップはコレだ!


「『夏のシーサイド』をテーマに、ドライブ中に聴きたいシティポップを10曲選んでほしい」…… そんな依頼をRe:minder編集部から受けた、普段クルマをまったく運転しないチャッピー加藤です(笑)。他人のクルマに乗せてもらうのは大好きなんだけど(笑)。オレは助手席専門女子か!

ところで今回のコラムは、7月20日にCDとカセットテープでリリースされる『FM STATION 8090 ~CITYPOP & J-POP~ by Kamasami Kong』との連動企画とのこと。雑誌『FM STATION』には、使えるおカネが限られていた学生時代、エアチェック情報などでたいへんお世話になった。

今回出たCDとカセットは、その『FM STATION』を架空の放送局に見立て、80年代〜90年代にFMラジオから流れてきたシティポップ&JポップをDJ入りで紹介するというナイスな企画。ラジオ仕立ての構成になっていて、DJはあのカマサミ・コングだ。

てなわけで当コラムも「FM STATION 8090」に倣って、"自分がもし、架空のFM局で『夏のドライブミュージック』をテーマにDJをするなら、いったいどんな曲をかけるか?" …… という観点で10曲選んでみた。プラス、編集部指定の「80年代シティポップ」「シーサイド」というシバリも込みで。

何をもってシティポップとするかは人それぞれだが、私はストライクゾーンがかなり広めの無節操DJと思っていただきたい。それではカーレディオから番組を聴く感覚で、さっそく、ヒュイゴー!!

A-1:君に、胸キュン。-浮気なヴァカンス- / YMO(1983年)


いきなりYMOである。「しかもコレかよ!」と言われそうだが、番組オープニングを飾るのはこの曲しかない。だって、聴いて即「キュン!」と来なけりゃドライブミュージックじゃないだろう。“散解” 直前の3人が「売れて終わろう」と、いかにも売れ線な曲でアイドルを目指したのは最高だった。熱狂的YMOファンの友人は泣いてたけど(笑)。

私はこの曲を聴くたびに「相田寿美緒の水着ポスター」を思い出す。カネボウ化粧品のCMソングでもあり、こんがり灼けた肌の相田は、CMに登場する「胸キュンガール」だった。当時「東京へ行くと、こんなシティGALと海辺で胸キュンデートできるんだ!」と思ったが、いざ上京してみると現実は甘くなかった。ちなみに相田は現在、野球解説者・荒木大輔夫人である。

A-2:こっちをお向きよソフィア / 山下久美子(1983年)


「胸キュン」という言葉は、YMOじゃなく、その前に山下久美子が使っていたワードだ。82年には「赤道小町ドキッ」がヒットし大ブレイク。あの曲もカネボウ化粧品のキャンペーンソングで、松本隆・細野晴臣コンビのテクノ歌謡だった。前曲とつながるなぁ。でもそっちはかけないの。ドライブならこっちだ。

「総立ちの久美子」と言われた彼女。これも聴いていると、つい立ち上がりたくなる一曲だ(運転中だとキケンだけど)。もともと、作曲者・大沢誉志幸のバンド「クラウディ・スカイ」のライヴ勝負曲だったそうで、山下の担当プロデューサーが大沢に「この曲、譲ってくれ」と頼み込み、康珍化が詞を山下向けに書き直した。海岸沿いで、助手席の彼女に振り向いてもらうには最高のナンバーかと。

A-3:Chance! / 白井貴子(1984年)


山下久美子と並ぶ「総立ちの女王」といえば、白井貴子だ。彼女は鵠沼生まれで、鎌倉の海で育ち、藤沢市の小学校水泳大会で新記録を出して優勝したそうだ。その後、父親の転勤で各地を転々としたが、「私のふるさとは湘南の海」とよく語っている。

本格ブレイクのきっかけとなったこの曲は、湘南の海沿いを走っているときに聴きたい一曲。このフレーズがキュン! と来る。

 さよならしたくない このかがやきと
 まぶしくはじける気分 届けあなたへ

A-4:憧れのラジオ・ガール / 南佳孝(1980年)




「これからは夏や海の歌が来る」と1976年、アルバム『忘れられた夏』をリリースした南佳孝。時代の波をいち早くとらえる感性はまさに “サーファー” だ。その波に乗って、1979年「モンロー・ウォーク」がヒット。翌年発表した80年代第1弾シングルがこの曲。だがこのとき、南の関心はもう海にはなかった。

せっかく波が来たのだからベタに乗っていけばいいのに、現状維持をよしとせず、とっとと次の波に乗り移るのが南のカッコいいところだ。本曲はアレンジを坂本龍一に依頼。当時最先端、ニューウェーヴの波に乗った南は、髪型もサーファーカットからテクノカットに変えたという(笑)。タイトルどおり、カーラジオから流れてきてほしい曲だ。

A-5:ホテル・パシフィック / ブレッド&バター(1981年)




茅ヶ崎出身のブレバタも、湘南には欠かせないアーティストだ。彼らの湘南ソングというと、ユーミンが呉田軽穂名義で書いた「あの頃のまま」(1979年)が有名だが、この曲も忘れないでほしい。茅ヶ崎のシンボルで、桑田佳祐も曲にした「パシフィックホテル茅ヶ崎」(現在は廃業)を歌った曲である。

 淋しさという呪文が 仲間達を引き離すよ
 君がもしいてくれたならば
 ああ 僕は変わりはしなかった

こちらは作詞だけユーミン、作曲は岩沢二弓。歌詞がなんとも切なくて、岩沢兄弟の声がまた沁みるんだよなぁ。消えない夏の記憶……

B-1:ワゴンに乗ってでかけよう / 松任谷由実(1980年)


ユーミン自身の曲も一曲。「中央フリーウェイ」をはじめ、ドライブソングが多いユーミンだけれど、これは『SURF&SNOW』収録曲。古いワゴン車のボディにティラノサウルスの絵を描いて、大好きな人と自由気ままに海沿いを走り、果ては大陸横断してみたい…… という願望を歌った曲だ。

私も大学時代、ホンダNSXを買った友人に誘われて、男3人で西日本をグルッと一周したことがある。予定を一切決めず、そのときの気分で本州・四国・九州をあてどもなく彷徨う旅。『SURF&SNOW』もBGMにしたっけなあ。「旅が終わるころ たぶんもっと愛してる」っていかにもユーミン節だけど、野郎だけの旅には無縁のフレーズだった(笑)。

B-2:ミスティー・ブルー / 西城秀樹(1985年)




コーセー化粧品「ソニア」夏のキャンペーンソング。「ソニア」といえば、ヒデキに「ギャランドゥ」を書いたもんたよしのりと大橋純子がデュエットした「夏女ソニア」(1983年)が有名だが、歌い上げ系の「夏女ソニア」に対して、ヒデキのほうは甘く迫る極上のシティポップだ。

ギラギラした曲も、こういうオトナな曲もなんでも歌いこなせるヒデキの力量がいかんなく発揮されている。できたらオープンカーに乗って、ブルースカイを眺め、天国のヒデキを想いながら聴きたい曲だ。

B-3:過ぎ去れば夢は優しい / 野口五郎(1983年)




ヒデキと来たら、新御三家つながりで次はゴロー。筒美京平作品で、作詞は売野雅勇。二人が組んだ初めての曲で、筒美のほうから「これは売野くんで」と指名したそうだ。売野は緊張しつつ筒美の事務所を訪問。おそらくハワイ帰りで真っ黒に日焼けした筒美が、黒のポロシャツとジーンズ姿で「いらっしゃい」と出迎えてくれたとか。かっけー!

大御所の指名を受け、売野はゴローにふさわしい渾身の力作を書いた。

 グラスに映す黄昏は
 まぶしい夏のせいさ 翳も深まる
 胸の熱さがすべてだったあの頃
 愛の名を借りた罪さ

詞も「かっけー!」が、それをサラリと優しい声で歌うゴローが、またかっけー!

B-4:夢見る渚 / 杉真理(1982年)


『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』のA面ラストを飾る、いかにも杉真理な一曲。サビの「♪Dreaming on the beach〜」の透明感たるや! この名盤について、私は杉に話を聞く機会があり、本曲についてはこんな話をしてくれた。

当初、竹内まりやのために書いたが採用されず、自分のアルバム用にストックしてあったが、大滝に聴かせたところ

「これがいちばん杉らしい。『トライアングル』に入れなよ」

…… と言われ収録を決めたという。え、このアルバムのために書き下ろしたんじゃなかったの!

「自分の資質に気付かせてくれた大滝さんへの感謝を込めて、歌詞に『LONG VACATION』って入れたんです」

―― 大滝の慧眼にあらためて感服。

B-5:海のメロディー / 八神純子(1980年)




締めは、わが故郷・名古屋が誇る天才アーティスト・八神純子で。シングル「甘い生活」のB面曲だが、もっと知られるべき曲だ。海を見つめ、アメリカに渡った彼氏のことを想う曲で、美しい旋律と切ない歌詞、八神の美声が三位一体となった名曲。

八神はこのシングルをリリースした直後、実際に渡米。2ヵ月ほど滞在してリリースした次作が大ヒットした「パープルタウン」(1980年)である。「海のメロディー」は、A面曲のセールスがそれほど伸びなかったこともあってCD化が遅れ、しばらく埋もれていたが、最近再評価されているのも納得だ。


―― 以上、完全に好みで10曲選んでみた。いずれも私の敬愛するアーティスト。皆さんもぜひサブスクで探して、クルマの中で聴いてみていただきたい。

特集 FMステーションとシティポップ



2022.06.25
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カタリベ
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