先日、松坂慶子さんと桐谷美鈴さんが出演するドラマに出くわしました。何でも、慶子さんが若返って美鈴さんになるというストーリーのようでしたが、それを眺めていて思い出しちゃいました。中学生の頃、友人たちの中で巻き起こった、「大人の女性論議」のことを。
その頃、『今はバラ色が好き』というドラマが放送されていました。松坂慶子さんVS中田喜子さんという構図で近藤正臣さんを取り合うというストーリーなのですが、この超美人女優ふたりの「大人の色香」は、ガキどもに強烈なインパクトとなり、おかげで私たちとって、すっかり憧れの女性像になってしまったのです。結構、みんなませたガキだったのですね。
Y君「俺は、清楚なイメージの慶子さま」そう「慶子さま」と呼んだのは野球部のY君です。「喜子さま」と呼んだのはテニス部のH君。そこに、ほかの男子生徒が車座になり、毎週にように論議しました。
さて、その慶子さま。私たちが高校生になると、映画『配達されない三通の手紙』でヌードを披露したり、ご存じ「愛の水中花」ではバニーガール姿で男たちを魅了したり。当時、こんな思いきりのいい女優さんて、ほかにいたんですかね。
同級生たちは、高校がバラバラになってしまいましたから、さすがに論議をすることはできませんでしたが、思わず見入ってしまう美しさは圧倒的でした。ついでに、「ひょうきん族」なんかでもパロディになっていましたから、高校生でも、み〜んな知っていましたよね。それだけ社会的影響もあったのでしょう。
後年、松坂さんの自宅の近所に住んでいたことがあり、下校途中の小学生をつかまえて、「あの家のチャイム慣らして逃げたらアイス買ってやる」と言ったことがあります。そう、ピンポンダッシュです。そうしたら、そのガキども躊躇せずに押しやがって。おかげで私も走るはめに…… もちろんガリガリ君は買ってあげました。
ごめんなさい、慶子さま。でも、この美しさ、圧倒的。
愛の水中花 / 松坂慶子
作詞:五木寛之
作曲・編曲:小松原まさし
発売:1979年(昭和54年)7月
2016.05.04
YouTube / 栄野祐司