社会人となってすぐ、私たちを待っていたのは「バブル」というハチャメチャな現象。毎晩のように飲み続け、3~4軒のはしごは当たり前。「どうせタクシーはつかまらないから、もう1軒行こう」というのが、いたって常識な時代でした。
この時期は、会社の経理もゆるやかでした。まだ23~24歳の小僧である私も、営業経費をタップリと使わせていただきました。たまに、仲のいい総務部の女性たちから、「今日、3人で飲みに行きたいんだけど……」なんて言われると、「OK」と即答。彼女たちの飲み代を私が会社に回していた、なんてこともありました(部長ごめんなさい)。
さて、その中の一人Mさんは、総務部でも屈指のアーティスト。特にカラオケには欠かせない存在でした。彼女の代表曲は、本田美奈子さんの『1986年のマリリン』。これを圧倒的なスピードのステップと腰振りで披露するものですから、周りの盛り上がりは半端じゃありません。特に私の上司たちは悶絶状態。掛け声なのか、ただ叫んでいるのかわからないような声が聞こえてきます。
さらに、この時代は現在のような「ボックス形式」のカラオケじゃありませんから、隣に座ったお客さんも、よく巻き込まれていました。彼女がマイクを持つと、まるで、店全体にエネルギーが満ち溢れたようでした。Mさんの存在感は、いつしか取引先にまで伝わり、某社の若手社員から「ぜひ、Mさんと飲みたい」というリクエストが届くようになりました(開催はしませんでしたが…)。
さて、そのMさん。現在は某広告代理店の営業局長の奥さまです。2人のお子さんも手を離れたでしょうから、そろそろ、解禁してもよい頃ではないですか?
1986年のマリリン / 本田美奈子
作詞:秋元康
作曲:筒美京平
編曲:新川博
発売:1986年(昭和61年)2月5日
2016.05.23
YouTube / 1985debut
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