世界の恋人、フリオ・イグレシアスに心奪われた熟女の回顧録

初めまして、いつも娘がお世話になっております～。ワタクシ、カタリベ Polco の母で、フリ子（仮名）と申します～。どうぞよろしくお願いいたします～！

今回はネタ切れの娘に頼まれまして、私が母カタリベとして80年代の思い出を語らせていただきますよ。どれどれ。

私がフリオ・イグレシアスに熱を上げたのは昭和57年か58年くらいですね。いい声の人だなあと思って。男前だし、背も高いし、小麦色の肌に、白いシャツ、黒いスーツを着こなしていて。朝から晩までフリオばっかり聴いてましたよ。

娘は当時中学生だったんですけど、「家の10メートル先までフリオの歌が大音量で聞こえてくるから止めてくれ」って言うんですよ。ご近所さんに聞こえて恥ずかしいからって。あの子だってデュラン・デュラン聴いてるのにねぇ。何が悪いのかしら。

来日公演にも行きましたよ！ 飛行機に乗って、東京と大阪に、３回。うち１回はディナーショーでしたね。８万円。高輪プリンスホテル。有名な女優さんたちもお見かけしましたよ。お食事も美味しかったですねぇ。

主人は… 特に何も言いませんでしたねぇ… 私だって普段頑張ってるんだから、いいんですよ。このくらいはご褒美いただかないと。

フリオは本当に人気がありましたよ。郷ひろみが「黒い瞳のナタリー」のカバーをしてたくらい。だけど、コンサートに行くとみんな私みたいなオバさんばっかりなの。10年くらい前にヨン様ブームがあったじゃない？ あんな感じ。オバさんたちも夢を見たかったんじゃないですかねぇ。でも私は当時40過ぎくらいだったんですけどね。今フリオみたいな大人の歌手っていないでしょ。

日本だけじゃなくて、世界中で人気がありましたね。そういえばファンクラブにも入ってましたっけ――

アメリカのファンクラブからなんやかんや送られてきて、カレンダーももらったんですけど、１年くらいで辞めちゃったので、そのカレンダーを何年も使ってましたよ（笑）。いいんです、フリオさんのお姿が月替わりで見られれば、それで。

「フリオは、毛深いからハゲるんだよ！」

とよく娘にけなされてましたよ。だけどフリオは歌手なんですしね、声が良ければいいじゃないですか。ま、中学生にはわからなかったんでしょうね、大人の男の魅力は… あの子は五十の声を聴いてもいまだにロックですよ。どこがいいんでしょうねぇ。

フリオは本当にいい声ですよ。見てごらんなさい、口とマイクの距離があんなに離れていても声が大きく聞こえてくるんだから、声量があるんです。歌だけでなく、自分の見せ方にもこだわりがあるみたいですね。写真を見るとわかるんですけど、いつも顔の右側を見せるようにしてるんですよ。自分が一番良く見える角度らしいです。

それに、スペイン生まれのフリオが育った家庭は裕福で、元レアル・マドリード（ユースチーム）のサッカー選手。何カ国語も話せて、法学部卒。土地もいっぱい持ってるから、朝起きて「おはよう」って言う間にお金ががっぽり入ってくるってことですよ！ 天はフリオに何物与えたんでしょう（笑）。

20年くらい前に娘がブラジル人にフリオのことを聞いたんですって。そしたら「今は息子たち（フリオ・イグレシアス・ジュニアとエンリケ・イグレシアス）の時代よ」って笑われたそうです…

ちょうどその頃、イギリスのテレビ番組にフリオが出てたらしくて、「最近、また子供が生まれた」ってデレデレしてたとか。当時55歳くらいじゃないかしら？ 70歳を過ぎて子供ができた上原謙よりはずっと若かったけど… 元気ねぇ…

今ですか？ たまにフリオの CD を聴くことはありますけど… 昔みたいにコンサートのビデオを観ることはほとんどないかも。来日したって、この田舎までは来てくれないでしょ？ 昔見たからもういいですよ。最近はもっぱら時代劇の再放送ばっかり観ています。水戸黄門みたいな勧善懲悪ものがいちばんいい。鈴木亮平さん目当てで『西郷どん』も観てますよ。

亮平さんステキですねぇ。ウフフ。

2018.09.23