ソロワークとして8枚目、hide with Spread Beaver名義では初のシングルとなるこの曲は、世界的な成功を収めたX JAPANが解散を発表した翌年、1998年1月28日にリリースされている。この時のX JAPANの幕引きは97年12月31日の東京ドームにおけるラストライブ『THE LAST LIVE〜最後の夜〜』と同日の『第48回NHK紅白歌合戦』のステージだったから、ここから1ヶ月も満たないインターバルでのリリースだった。
X JAPANが、極限までエモーショナルで絢爛豪華とも言える己の美学を貫くエクストリームなバンドとしてのスタンスを崩さなかったことに対して、「ROCKET DIVE」は潔く、真っ直ぐだ。何かを突き抜けようとするタフさを持ち合わせている。また、それはYOSHKIの描く耽美的、退廃的なX JAPANの様式美とは真逆のスタンスだった。これをhideは解散のショックで落ち込むファンへのプレゼントとした。そこにはギタリスト、ミュージシャンとしてX JAPANという大きなパブリックイメージにとらわれない限りなく自由なスタンスでの活動を示唆しているかのような印象があった。