モテモテのトレンディ男優、石田純一が出演した「想い出にかわるまで」
平成生まれの若者に、石田純一はどう見えるのだろう。東尾家の気のいい婿? 突如、都知事選に出馬しようとしたタレント? 小石田純一の原型?
昭和から平成のバブル期、モテモテの “愛と平成の色男” だった石田純一。トレンディ男優なんて呼ばれ、さまざまなドラマに引っ張りだこだった。なかでも忘れがたいのが、1990年に放映されたドラマ『想い出にかわるまで』。エリート商社マンの直也(石田純一)をめぐって、るり子(今井美樹)と久美子(松下由樹)の姉妹が泥沼の三角関係を繰り広げる。
姉にふらふら、妹にふらふら、姉妹の間で右往左往する直也。当時は、姉から直也を奪う妹の久美子に女性たちの非難が集中したが、一番の問題は直也の優柔不断さだ。お人好しで脇が甘いというか、女性にすがられると断れないんだろうなぁと、ぼんやり思った。
ドラマ「想い出にかわるまで」の主題歌は、なんとダイアナ・ロス
過ぎていく日々の中、
くじけそうになっても、
どうか自分を見失わないで
あなたが過ごしてきた人生を
投げ出さないで
『想い出にかわるまで』の主題歌は「イフ・ウィ・ホールド・オン・トゥゲザー」。登場人物たちを励ますように、ダイアナ・ロスが切々と歌い上げる。
不倫は文化? あぁこの脇の甘さ、憎めない石田純一
さて、直也…… でなく、純一はこのあと、隠し子(後のいしだ壱成)の発覚、長谷川理恵との長きに渡る交際、さらに「不倫は文化」発言などで、ワイドショーの常連となる。ニュース番組のキャスターに抜擢されたのに、不倫報道で降板となり、生放送で涙を流す…… なんてことも。
こうした純一にまつわるいろいろが流れてくるたび、私は思った。あぁこの脇の甘さ、『想い出にかわるまで』の直也なんだよね。リスクとわかってるのに、不倫相手に会わずにいられない。黙ってりゃいいのに、レポーターにマイク向けられると、喋っちゃう。偽 “皇族”、有栖川宮の結婚式に出席したのも、純一らしいったら。
2009年、東尾理子と再々婚したときには、「そこいったか」と意外な気がしたが、子どもが生まれ、傍から見る限りは、義父の東尾修との関係も良好。そこに、前妻・松原千明との間に生まれた娘すみれや、いしだ壱成まで加わり、どんどん膨れ上がる芸能界の純一ファミリー。イクメンとしての顔もクローズアップされ、「なるほどこうきたか、こうやって芸能界で生き残るのね」と感心した。
だが、それも束の間、反安保デモに参加したり、都知事選出馬騒ぎを起こしたりで、またも世間を騒がせる。こういう脇の甘さ、私は嫌いじゃない。なぜか純一は憎めない。そういえば、純一を見た直近はいつだろう。テレビ東京のゴルフ番組に出ているらしいが、私は見たことがない。葬儀保険のラジオCM で、声は今朝も耳にしたけど。
今こそ石田純一に贈りたい「イフ・ウィ・ホールド・オン・トゥゲザー」
過ぎていく日々の中、
くじけそうになっても、
どうか自分を見失わないで
あなたが過ごしてきた人生を
投げ出さないで
信じて生きていれば夢はきっと叶う
素敵なことがきっと起こるはず
思いのままに生きて
今こそ石田純一に贈りたい「イフ・ウィ・ホールド・オン・トゥゲザー」。平成の色男・純一には、ときどきこの歌を思い出してほしい。
2019.05.23