4月

聴き惚れたホルンの音色、ストロベリー・スウィッチブレイド礼賛

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ストロベリー・スウィッチブレイドのファーストアルバム「ふたりのイエスタデイ」がリリースされた日
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photo:Discogs  

小学生の頃、器楽部でホルンを吹いていたことがある。シベリウスの「フィランディア」等を演奏して、それはそれで楽しかったけど、一方では親や先生に “やらされてる” 感もあり、クラシックはどうも居心地がよくなかった。

後の中学生時代、ロックにのめりこむが、その圧倒的な自由さゆえに、クラシックの居心地の悪さから離れようとした。言い換えれば、“クラシックなんてダセエ!” と思い上がった… ということです。

ホルンほどロックからかけ離れた金管楽器はないと思う。ロックにおけるホーンセクションの金管楽器と言えばトランペット、トロンボーンが主流だ。そこにホルンが入ってる… なんてケースは、まずない。

なので、中学を卒業したときに出た杉真理の「Love Her」の間奏で、ホルンの音色を聴いたときは珍しいなあと思ったが、高校を卒業するころに聴いたストロベリー・スウィッチブレイドの「ふたりのイエスタデイ」には、さらに驚いた。

ストロベリー・スウィッチブレイドに興味を持ったのは、エコー&ザ・バニーメンと同じレーベルからレコードを出していたから。似た傾向だろうと察して聴いてみたら、ああ、なるほどサイケデリックな雰囲気が共通するかもね… などと生意気にも思ったりした。

しかし「ふたりのイエスタデイ」で強烈に引っかかったのはイントロ、最初に鳴るホルン。ロックには合わないと思っていたが、それはシンセのフレーズにもマッチするし、何よりローズ&ジルのキュートな声にも合う。

バニーメンと共通するサイケとは言っても、エッジの立ったあちらに対して、こちらはあくまで、ふんわり。その “ふんわり” をリードするのがホルンなのだから、嬉しくなった。

そのおかげか、歳を取ったせいかはわからないが、大人になってからはクラシックアレルギーを克服したし、ホルンの音色をたまに耳にすると素敵だなあと思ったりする。

2017年7月、ローズが単独で来日公演を行ない「ふたりのイエスタデイ」をプレイしたときは、残念ながらイントロはホルンではなくキーボードで代用していたが、それでもあのフレーズをホルンの音で思い浮かべた人は少なくなかったはずだ。

ちなみにこのイントロのホルンのフレーズはシベリウスの「交響曲第五番」(※)からの引用。これは大人になってから知ったこと。音楽はジャンルレスで思いもよらないところにつながっていたりするが、こういうつながりは、やっぱり面白い。


カタリベ注:
シベリウス「交響曲第五番」の動画23分35秒当たりにホルンのフレーズあり。

2017.07.17
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  YouTube / rhubarbcream


  YouTube / sofia


  YouTube / oslophil
 

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カタリベ
1966年生まれ
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