2016年 7月9日

80's フリーク必見「シング・ストリート 未来へのうた」に胸アツ!

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ジョン・カーニー監督作品「シング・ストリート 未来へのうた」が日本で劇場公開された日
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photo:UNIVERSAL MUSIC JAPAN  
photo:Wikipedia  

去年観た映画で断トツに面白かったのが、「ONCE ダブリンの街角で」や「はじまりのうた」のジョン・カーニー監督の最新作「シング・ストリート 未来へのうた」。監督の自伝的内容で80年代後半のアイルランド、ダブリンを舞台とした青春音楽映画です。

両親が離婚しそうな時に学校でバンドを組んで、恋をして、夢に向かって… と文章にしてしまうと他愛のない青春映画のように感じるかもしれません。しかしそこはジョン・カーニー監督。シンプルなストーリーのなかに様々な工夫を盛り込んでいて、センス溢れるテンポのいい演出も手伝って最後まで一気に見せてしまいます。

そして80年代に洋楽を親しんだ方はさらにこの映画を楽しめるでしょう。デュラン・デュラン、ホール&オーツ、ザ・キュアー、ザ・ジャム、ジョー・ジャクソン、スパンダー・バレエなどなど、主人公の兄のロックの趣味の良さが主人公のバンドのオリジナル曲に、もろ影響を与えていきます(そんな兄の注釈というか自信たっぷりの批評がまた笑えます)。そんな過程を観ているだけで思わずニヤリ。

それにしても、そんな80年代後半のUKの音楽を見事にオリジナル楽曲にして雰囲気を出しまくるこの映画の音楽を担当した人が気になります。おお! なんとゲイリー・クラーク!! ゲイリー・クラークというのは、日本ではあまり知名度がないかもしれませんが、87年にヴァージンからデビューしてスマッシュヒットを放ったバンド、ダニー・ウィルソン(バンド名です)の中心人物なんです。

その頃、UKではディーコン・ブルー、チャイナ・クライシス、ラヴ&マネーなどといったスティーリー・ダンに影響を受けたバンドによる「スティーリー・ダン・シンドローム」とよばれた、ちょっとしたムーブメントがあってその一翼を担ってたのがダニー・ウィルソンです(スティーリー・ダン・シンドロームについてはまた別の機会に…)。

フランク・シナトラが出演した映画「ダニー・ウィルソン物語(Meet Danny Wilson)」からとったバンド名がまず素敵。ジャジーでお洒落なタッチなんだけどメロディがとてつもなくポップな楽曲群にも非常に痺れました。アルバムを2枚出して解散してしまいましたが、私はこのバンドが本当に大好きで、ゲイリー・クラークがのちに組んだバンドやソロアルバムなども追っかけのように愛聴してきました(93年のソロ『愛を綴った10の短編(Ten Short Songs About Love)』は名盤!)。

ゲイリーは、ナタリー・インブルーリアなどに曲を提供したりプロデューサーとしても現在活躍していますので、「シング・ストリート」での素晴らしい仕事ぶりにも納得! なんたって実際に80年代後半のUKで活動してますからね! 久しぶりにダニー・ウィルソンの名曲「Mary’s Prayer」、「I Can't Wait」を聴いて、さらに「シング・ストリート」のサントラを聴くと、サビの立たせ方など「変わってないなあ」とこれまたニヤリ。

「はじまりのうた」のサントラでの元ニュー・ラディカルズのグレッグ・アレクサンダーの起用にも嬉々としてしまいましたが、それに続いてこの起用は嬉しすぎます。ジョン・カーニー監督、いいとこ突きすぎです(笑)。

2017.02.04
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1970年生まれ
薄井 康充
得てして、音楽系のサクセスストーリー系はバタ臭くなるケースが多いけど、この映画のカラッとした空気感はダブリンの空気感なのかな?書下ろしの楽曲も素晴らしいしね。ただ、85年の設定でデュランのリオを取り入れてるのがな、残念。85年なら"Reflex" "Wild Boys" "A view to a kill" もあっただろうに。
2018/11/01 11:26
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カタリベ
1968年生まれ
DR.ENO
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