2月15日

ザッツ・ホラー・エンタテインメント「クリープショー」がヤバすぎる!

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ジョージ・A・ロメロ監督作品「クリープショー」が日本で劇場公開された日
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photo:The Truth Inside The Lie  

通説によれば、3万匹を集めたと言われている。一体何を???

1980年代、ジョージ・A・ロメロは、ゾンビ映画で知られるB級ホラー映画の帝王であった。その帝王が集めろと大号令をかけたのだから、当然それは常人には考えが及ばない代物だった。

なんと、ゴキブリである!!!

驚くべきことに彼はその3万匹を撮影現場に全て放ち、人間を襲う作品を撮ったのだ。コンピュータで完全に管理され清潔を保った部屋に住む潔癖症の男。しかし、突然の停電が原因でゴキブリが大量発生。奴らは通気口や排水口からゾロゾロと侵入。無数のゴキブリが白い部屋を這い回るシーンは鳥肌モノ。

思わず、オエ~ッ!!!

映画「クリープショー」(1982年製作・1986年日本公開)は、1940年代のコミック誌を題材にしたオムニバス作品。ホラーや犯罪物語を描き、俗悪で煽情的な表現が世の親たちから批判されるなど、検閲の対象となった有害図書「E.Cコミック」へのオマージュである。

娘に殺された父親がゾンビになって家族を皆殺しにする話。隕石を見つけた男が宇宙植物に寄生されてしまう話。妻を寝取られた中年男が妻と間男を殺す話。地下倉庫に眠っていた古い木箱に人喰いモンスターが入っているのを発見する話。そしてゴキブリに襲われる男の話。映画は、そんな漫画雑誌を読みふけっていたビリー少年に父親がカミナリを落とす場面から始まります。

この親父殿、実はエロ本を隠してこっそり読んでいるくせに、息子が大切にしている漫画雑誌を取り上げると「こんなものばかり読むんじゃない!」と息子にビンタを喰らわして、家の外にある回収用のゴミ箱に捨ててしまいます。その日はハロウィンの夜。雷鳴が轟き「ヒヒヒヒッ」という悪霊の不気味な笑い声が聞こえてきます。

耳を澄ますと、そこには名作「エクソシスト」(1973年)のテーマ曲であるチューブラー・ベルズの雰囲気だけを丸パクリしたような音楽が流れています。こういういかにもB級っぽいテイストが何ともいえないと思って聴いていたら、意外なことにこのピアノ曲、とても良く出来ている。とにかく鍵盤の音が不安感をビンビン煽ってセンス抜群なのよ!

音楽はジョン・ハリスン。ロメロとは次作となる「死霊のえじき」(1985年)でも組んでいるんだけど、こちらも驚くほどよく出来たサウンドトラック。「The Dead Walk」なんかはホラーっぽい雰囲気をほんのりと残しつつも、ポップなシンセサイザーの明るさが意外で面白い。それにしてもこの作曲家、これだけの才能を持ちながら他に作品を見つけることが出来ないのが不思議なんだよね。

“ジョン・ハリスン” なんて名前も適当に付けた感じがするし、何だか怪しいっていうか、ちょっとしたミステリー。個人的な見解だけど「サスペリア」(1977年/ダリオ・アルジェント監督)のサウンドトラックと何気に似ている気がする。

あのイタリアンプログレッシブバンドの別名義なんじゃないの? と疑ってみたりして(笑)。


クリープショー
監督:ジョージ・A・ロメロ
脚本:スティーヴン・キング
音楽:ジョン・ハリスン
全米公開:1982年
日本公開:1986年(昭和61年)2月15日

2016.12.22
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カタリベ
1966年生まれ
鎌倉屋 武士
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