1985年5月13日月曜日、場所は聖地日本武道館。再結成したディープ・パープルの『パーフェクト・ストレンジャーズ・ライブ』日本公演の初日だ。僕はこの日、この目で伝説を目撃することになる。
この時の興奮は今でも忘れられない。興奮という言葉が適切かどうかすらわからない。そう、なんというか現実と非現実の間をフワフワと漂っている感じ。早く始まって欲しいような、いつまでも始まって欲しくないような複雑な気持ちの中、5人は本当に武道館のステージに現れた。
オープニングナンバーはもちろん「ハイウェイ・スター」。このメンバーでのライブでは定番のオープニングナンバーだ。“これだ、これこそがディープ・パープルだ” と、興奮と感激で涙が出そうになりながら、僕は「ハイウェイ・スター」を力の限りシャウトした。
1984年、ディープ・パープルが第2期の黄金のメンバーで再結成するというニュースが飛び込んで来る。この夢のような話に当然僕は舞い上がり、アルバム『パーフェクト・ストレンジャーズ』はわざわざ予約までして購入した。
僕がディープ・パープルに夢中になったのは1981年の高校1年生の時。既にパープルは解散していたので、生で彼らのライブ観ることは不可能だったわけで、当時の僕は、“あと10年早く生まれてくれば…” と、何度思ったことかわからない。
同意見の人が殆どだと思うけど、ディープ・パープルは第2期のメンバーがベストであり、この時のメンバー以外は本当の意味でのディープ・パープルではないと僕は思っている。
リッチー・ブラックモア(ギター)、ジョン・ロード(キーボード)、イアン・ペイス(ドラムス)、ロジャー・グローヴァー(ベース)、イアン・ギラン(ヴォーカル)の5人。いずれもハードロック史に名前を残す偉大な5人のレジェンド。このメンバーで再結成してくれたのだから、僕にとってまさに夢のような話だったんだ。
ディープ・パープル解散後、リッチー・ブラックモアとロジャー・グローヴァーはレインボーで活躍、ホワイトスネイクでジョン・ロードとイアン・ペイスは活躍していたわけで、いずれの日本公演にも僕は欠かさず行っているので、彼らのライブを生で観るのはこの時が初めてでは無い。
でもね、やっぱりそれとこれとは違うんです。この5人が揃った瞬間、彼らはディープ・パープルという唯一無二のパッケージとして復活すると僕は思う。
この再結成後の2回目の来日公演(1991年)の時のヴォーカルは元レインボーのジョー・リン・ターナー。ジョーも大好きなヴォーカリストだし、ライブも楽しんだけど、やっぱりちょっと違う、ジョーには悪いけど。そういう意味でも、偉大な5人のレジェンドが揃ったこの時の日本公演をこの目で目撃できたことを僕は今でも誇りに思っている。ハードロックファンとしてね。
エンベッドした動画はこの時の日本公演と同じツアー『パーフェクト・ストレンジャーズ・ライブ in シドニー』の映像です。ディープ・パープルのライブでの定番、リッチー・ブラックモアとジョン・ロードの即興ソロバトルがたまりません。
2016.09.17
YouTube / Statix R.
YouTube / Statix R.
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